一実の道

 第四之御諭し

 
愛しき者よ。
 日々に怠無く行じ参るの心掛け、陰乍ら余は嬉しく思うなり。

 汝、果報なる者、己が身の果報を、己れ一人に悟らずして、
 只うかうかと功徳頂く大慈大悲(だいじだいひ)を受けたりとも
 感ぜざるは、汝、果報にして果報をば思はざる不幸なる者なり。

 如何に汝、己が果報を果報と感ぜざるは、
 折角の幸せを身に受け流す事なりと汝、悟らざるかや。
 たとへ一片の食物にても、まずくて吐き出す者もあり。
 無上の甘味と感謝して頂く者もあるなり。
 汝、何れが幸せと思うなるかや。

 此の感謝沸き出ずる心と、湧き出でざる心との差、
 何処より起こるなるかや。
 よくよく実相とらへて考へみるべし。

 又、汝は感謝の念、起こらざる程に恵まれたる今世なり。
 されど、己れ恵まれたりと真に悟らざる故、感謝無きなり。
 葉の上に産み落とされて、人々の残飯食して、
 露の命を繋ぐ者もあるなり。

 汝、現世に生を受けてより此の方、只の一度なりとも
 食するに米びつの心配致せし事のあるかや。
 如何に果報なる身なるかや。

 真の感謝とは、貧のどん底により始めて生まるるものなり。

 ここに汝、感謝知らざる生活には、真の悟りは得られぬ故に、
 御仏の大慈大悲の働き給いて、真の感謝を悟らしめんが為に、
 苦難を与え給うなるぞや。

 ここに信解(しんげ)の無き者、世を恨み、神仏を恨みて悶え狂い、
 地獄に落ちてゆく者の数知れぬなり。

 修行の進歩とは凡夫ににてありし頃、うかうかと受け流しゆき功徳を
 一つひとつに悟りゆきて、次第しだいに深き感謝起こすこそ、
 一歩いっぽと深まりゆく信解なり。

 日々のあらゆる物事、此れ皆、大慈大悲の御手配なるぞや。
 一つひとつにしみじみと身に体得致しゆきて、
 心からの喜びに浸る心沸き出づる生活、
 此れ真の幸福なる生活とは申すなるぞや。

 其処には不幸なし。此の一家造るところの家庭は天国浄土なり。
 常に、極楽に遊ぶ心境にて、喜び自然に沸き出ずるなり。
 感謝、隅々にまで充満致し居るなり。

 而して汝は此の極楽浄土の王なり。かなはざる事一つとして無し。
 只此れ、感謝感謝の日々となるべし。

 一日も早く左様なる家庭築きあげて、
 余も亦共に遊びには加へてくるるべし。
 待つものなり。
 期待大なり。
 切に望むなり。

 合掌

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