一実の道

 第三十四之御諭し

 汝、一度祈れば天に通じ地に通じ、
 二度願へば実相となりてあらはるるところ、
 諸処方々の測り知れざる因縁共、
 自ら整理整頓、己が廻りに順序たて、
 次第しだいに集まりあつまり、一つひとつに解けゆく鍵、
 己が肉眼にて判然と眺め、身に体得致されしかや。
 此れ法華経の甚々微妙甚微妙なり。

 宇宙の法則判然として定まれる所、
 此れ天地を貫く一筋の 真剱なる誠、
 此の一筋の心軸を中心として回りまわり、輪廻転生致すところに 
 四方八方十方に飛散致す因縁のあられ、

 此のあられとなりて散りしく、 
 塵埃しばしも逡巡致すところには、
 己が身に測り知られざる汚れとなりて付着致すなり。

 されば此の一筋の誠にて貫く枢軸、
 一瞬の間もたゆたう事無く働きはたらき、廻りまわりて、 
 此の塵埃の付着致すに暇(いとま)無き心と相なりてこそ、
 此の宇宙三界、掌(て)の中に握るの身とはなれるなり。

 只此れ、法華経甚々微妙の法を
 生かすも殺すも 己が心の中にあるなり。

 己が心の中に畜う真の誠と、
 神佛の大慈大悲は連なり居るなり。

 大慈大悲の慈雨はこの誠の器にてうけ容れらるるなり。
 器、大なるところ慈雨多量にして、
 器、小さければ又此の慈雨も
 器のみしか受け容れられぬこととなるなり。

 合掌

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