一実の道

 第三十三之御諭し

 物質は、此れ財宝にても肉体にても凡て己れのものならず。
 己れに貸し与へられたるものなり。己れの借財なり。

 されば、何時如何なる日に、神佛にかへせと請求致されることも
 元利そろえて、只今今日まで借用させて頂きまして 
 誠に有り難く厚く御礼申し上げますと、
 感謝の心にかへし奉ること出来得る決定(けつじょう)、
 此の決定こそ、法華経の真の功徳をつかむの道なり。

 されば御佛は、真に此の決定させやりたきが故に、
 無一物(むいちもつ)とは、なし給うべきこともあるなり。
 此の時、ただ懺悔さんげ致して、大慈大悲にひれ伏しひれふし
 感謝致して、無を喜び奉りてこそ、真の永遠不滅の宝は得られるなり。 

 何事にもあれ、先ず無を恐れざるの決定、此れ絶対の力なり。
 信念となりて、如何なる悪魔にもうち向かうの態勢、
 しっかとでき得る秘訣なり。
 此の態勢こそ 相手をたじたじと致させて、
 無言の脅威抱かせることとなり。
 戦はずして打ち勝つるなり。

 先ず、無を恐れざるの修行第一と心掛けゆくべし。
 絶対の信解(しんげ)此れ唯一の力なるぞや。

 合掌

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