一実の道

 第二十七之御諭し

 汝、余が当初にあたり汝に申せし言葉、汝は忘れおらぬかや。
 「汝 観音となれ」と余は申せしなるぞや。
 又、余が姿、父母所生の肉眼において、
 仰ぎ見る日の来れかしと余は申せしなるぞや。

 汝、観音経に何と諭せしや。
 「慈悲垂れんと致すの弘誓の深きこと海の如し。 
 劫を歴とも思議せじ。
 多千億の佛に仕へ大清浄の願を起こせり」
 と、申しおるなり。

 汝は多千億の佛に仕へ、衆生への慈悲の心、
 己が心に問いて疚しくは思ひおらぬかや。
 如何に多千億の佛に仕うるとは知らぬ乍も
 実相と成して、汝、先ずいささか現せしなり。

 其れ 導きし佛菩提心捧げ奉らんとて、
 「過去帳」作りて祀りし事なり。
 宇宙に充満致す佛に仕へ、真もて菩提心捧ぐるところ
 此れ、此の心なるぞや。
 されば汝、多千億の佛に仕へんが為には、
 如何なる方法にて実相と現しゆくべきかや。

 導きの深き意義、此処に秘あり。
 余は汝に佛となれと申せしなり。
 畜生道には落つるべからず。
 現世一切の成功の素、此の徳によりて始めて確立致されるなり。
 己が成功成仏願うならば、 
 先ず、多千億の佛に仕へんの大誓願を起こすべし。

 合掌

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