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第二十六之御諭し 汝、慈悲とは如何なるものかや。 獅子が其の子を千尋の谷に突き落とすも、此れ慈悲なり。 不肖の子を背に負いて、何時の日までもなだめすかせて 機嫌をとるのも、此れ慈悲なり。 獅子には獅子の威力あり。 甘やかされなめるが如く育てられし子等には、 苦に耐うる力無き、脆き命の果敢無き事、露の如し。 真の慈悲とは、子の健全を祈り願う心なり。 或る時は子に恨まるる親ともならん。 親心解せぬ子には、背かれても尚一念、其の子健全をば願うが 此れ慈悲なり、親心なり。 ましてや、佛の其の子慈しむの心、 此れ仁王とも化し、観世音ともなりてあらはれ、 或いは温かき団欒の中に、 佛は子をば只々正に正にと導き行くなり。 此れをば、憎き悪魔の間魔致して、甘き言葉に甘言もちて、 毒をば注ぎて、其の子をして佛に背かしむるなり。 汝等、愛しき佛の子なり。 余は只一念、汝等をして佛と成長なさしめんが為、 久遠の古(いにしえ)より、不滅にして変はる事無き一念、 此れ未来永劫不滅なり。 余には生命滅不滅無し。 此れ真理なり。 只、子を思ふの一念あるのみ。 此の一念、現はるる処、或ひは千尋の谷底ともなり。 又、揺籃の籠(ようらんのかご:ゆりかご)ともなるなり。 健全円満なる成長望むもの、心培ひ、親の大慈に只 従順たるの心養ひ、一路邁進、佛と成長致すべく 精進努力、相励むべし。 此の言、汝に与ふる余が親心なり。 合掌 一実の道目次 |