一実の道

 第十九之御諭し

 天地宇宙 此の三世統べ給ふ御仏が、定め給いし因果応報の法則、
 此の世に生受け法恩たる御仏が下に生かさるる身は、
 其の御支配の御手より逃るる術無きを悟りしかや。

 袖擦り合うも多少の縁とは、此も因縁因果の理念なり。
 況してや日々一つ住居に起き伏してて、
 日夜に心分かち合う夫婦となるは、如何に深き因縁なるかを
 今ここにに始めてようよう悟りしであろう。

 夫婦とは、一つの霊、二つに分かれし姿なるぞや。
 此の霊、互いに相手を探し合い探し合いては、誤りて結びし縁、
 如何に本人決定致さばとて、完全なる元の霊の合わされ居らざる故、
 相離るることとなるべし。

 生別、死別、此れを問はず
 真の妙法とはさに非らず。
 もともと一つなり。其れが分かれし姿なるを、各々の心ばえによりて
 御仏合わせ給ひ、元の完全無欠なる姿と成させ給ふものなり。

 此の真の妙法、相互に其の悪 暴き合ひて因縁送り合うは、
 己が姿に、己れ自身にて悪罵浴びせることなり。
 妙法互いに相手の善を認めしならば、
 ああ我が心、此処に善ありと知り、
 又、悪を認めし時は、我が心、斯程に汚れしものなるかと、
 深く慙愧いたすべし。

 此処に妙法は鏡となりて、互ひに己が真の姿の映るなり。
 而して、相手を責むるより、己が心の非を悟りて、
 相手の悪は、己れ蔭にて懺悔(さんげ)致すべきなり。
 其処に妙法互いに解脱なして、拝み合ひの生活、
 此の人生、仏の境涯となるなり。

 妙法互いに拝み合ひの人生、此処に現身成仏、
 現世浄土の実相現はるるなり。

 而して後、肉体の使命終れば、其の霊、妙法一つとなりて、
 天界楽土にまっしぐらには昇天致し参るものなり。
 此処に完全無欠なる妙法具へ合はせ給ひし大神の出現となるなり。

 此の大神、御仏の御前に額ずき授けらるる御役目、
 其れ即ち、汝が家の守護神となりて、
 子々孫々の繁栄計り居らるるなり。

 只、法華経は因縁因果の理法なり。
 悪因縁は残すべからず。
 過去の悪因縁、必死となりて懺悔(さんげ)消滅致す事、
 此の二つ、法華経行者の身上なるぞや。

 一日も早く尊き神仏の御諭しを受けて、実行致し、
 実相と現すべし。

 合掌

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