一実の道

 第十八之御諭し

 只、徒らなる日をうかうかと過ごして、
 背負いきれぬ程の罪障の上に尚、今世の罪障積み重ね来るならば、
 救い難きは之必定なるぞや。

 されば、仏道成就致すも致さざるも、
 短き命も長き命も、只現世の命、真の真実(まこと)に生ききるか
 生ききらぬかにて、其の行く先は定まれるなり。

 余は、只汝等の真実(まこと)をのみこそ
 「うれし」と心に受け取るぞや。
 真実(まこと)無き者、如何に口先上手に世故長けて
 社交上手に現世をだまし泳ぎ渡り来るとも、
 余が眼前に参りては、蛆虫にも劣る汚らわしき奴なるぞや。

 各々その行く先は、己が心に定めおるなるぞや。
 成る程と頷くところに夫々(それぞれ)に送りやるぞや。
 此れ「法華経」の法則なり。

 高き仏界望むならば、
 永遠不滅の光を真剣に心に握り締めて参るべし。
 此の光の灯る限り、汝等の大道輝きかがやき、
 行く先いとも安らけきぞや。

 此の光とは、只真実(まこと)もて、
 真の価にて購ひたる永遠不滅の光あるぞや。
 此の光輝き映えて、汝等の珠を照らすなるぞや。
 只真剣なる真実(まこと)のみ、余は善哉と受け取るなるぞや。
 此処、仏道の大道は広々として通じ行くなり。

 悟りとは遠きものには非るぞや。
 日々汝等が足許に、ころがりころがり纏い付き居るものなるぞや。

 現世の生活、此れ一つとして諭しに非らざることは無きなり。
 実相に現して一つひとつに閉ざせる心の扉叩きたたきて、
 目覚めさせおるなるぞや。

 如何に些細なる事にも、此れ神仏の諭しなるぞと感謝致して、
 受け取り行かねば相ならぬぞや。
 感謝無きところに真の悟りは開かれぬぞや。

 一つひとつに心眼開きて、此れ仏のへの悟りなるぞと、
 一つひとつに悟りを開きて、己が心の迷夢を覚まして、
 次第しだいに仏となれるぞや。

 一瞬の間も怠り無く逡巡致すなよとは此の理故なるぞや。
 此の心掛け、一瞬の間も心より離さなぬは、
 此れ法華経行者の身上なるぞや。

 合掌

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