一実の道

 第十六之御諭し

 汝が心、見えざる者への信解(しんげ)如何。
 信ぜざれば、縋り参るも無用なり。
 日々に倦怠ころしころして参り来たるも無駄なり。
 此れ皆「信」の一字によりてこそ、初めて其の価値有るなり。
 信ぜずして三界は何処に在りや。
 霊魂の存在此れまた在りても、無きに等し。
 信ずればこそ、神も仏も生くるなり。

 神仏生きてこそ、己れ生かさるるの信念、感謝となしてかへす時、
 神仏は厳然として光放つなり。
 姿無き者、如何に法を説くとも、
 受け入るる者に「信」の一字の此れ無くば、此れ又無用の長広舌なり。

 信じてこそ神仏は無限力なり、絶対力なり。
 即ち、神通力と申し、天地宇宙三界を思ひのままに支配致すなり。
 此れ又、「信」の一字無くば、汝を無限の神通力分かり得べきかや。

 又、神仏を相手と致さずとも、肉眼により掴めるところの
 肉体持ちし現世の者共、御互いに信ずるの念無くば、
 一瞬の間も此の世は地獄と変ずるなり。
 此れ宇宙の法則にして、妙法は此処、
 即ち、信じ合うことによりて顕現致さるるなり。

 如何に小さき者へも、無限大なる神仏にも、
 只「信」の一字によりてこそ、己が安住の地は定まれるなり。

 信ずると申しても、盲信にはあらず。
 各々相手を見定めて、法眼浄にうつる相手の真価を掴みてのことなり。
 盲信は愚かなり。

 絶対信頼の対象は只、仏より外無し。

 合掌

 一実の道目次


TOP