一実の道

 第十五之御諭し

 危うきかな、危うきかな、
 煩悩に迷ひし凡人共。

 己が五欲の火の車に己が愛しの身を乗せて、
 己が身を焼く地獄に落ち行く此の火の車を
 燃えにもえいで地獄に落ち行く有り様を
 陰より眺むる余が心中、
 愛しともあはれとも言ひ様も無き、
 涙出ずれど峻厳にして曲げられぬは此の法なり。

 如何に余が哀れと思ひて
 許しやりたく思ふとも、
 宇宙の法則絶対にして曲ぐるべからず
 余といへども如何んとも為し難し。

 犯せし罪は、
 己れ一人にあがなひゆかねばならぬのじゃ。
 身替わりとなる者一人も無し。

 己が意志にそむきても世には出だされ、
 又、己れ如何に恋しくとも現世は去らねばならぬのじゃ。
 此れ皆、己が自由になることにはあらず。
 宇宙絶対の法則、因縁因果の理法より
 輪廻致してめぐりめぐり、
 己が身の修行となさしめおるなり。

 詰まるところは余の意志、
 一人も余さず仏と為さんが為の大慈悲より起こりしなり。

 如何に辛くとも、如何に長くとも、身に受ける苦しみ、
 此れ己が過去の償ひなると懺悔さんげし、
 又しても懺悔なすところに必ず懺悔の果は来るなり。

 其の果、やがてに己が御仏となる道なり。

 合掌

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