一実の道

 第十三之御諭し

 如何に汝が毛嫌い致す人物なりとも、
 如何に神仏の存在を辨(わきま)へぬ人物なりとも、
 其の人物の後ろには尊き御守護尊神の厳然として控へられ、
 汝が心魂、御見透しなるぞや。

 此れ(その人物に対して悪念をおこす事)
 霊界には書き示しおかるるなり。
 其れ又、汝の業障となり、
 積もりつもりて己が身に返へさるるなるぞや。

 如何に汝に仇為す者も、
 其の罪障の後ろには各家各家の御守護尊神、
 厳然として控へられ給ひて、我が子の罪障、御嘆かれ給ふぞや。

 而して汝には、
 御頭垂れ給ひて「申し訳無し」と御詫び致され給ふなるぞや。

 如何に仇為す者憎しと思へども、
 此の御守護尊神の御心推し量り奉る時、
 此の者救はで相済むべきかや。

 業障ある悪人ならば、尚のこと救ひやらねばならぬぞや。
 此の心得持ち行じゆくところ、真の導きは出来得るなるぞや。
 此れ、大乗を行じゆく者となれるなり。

 実相に現はれたる肉体現身を憎むべからず。
 其の陰に座し給ふ御守護尊神に対し奉り、
 余りに御勿体なき御事となるぞや。

 罪を憎みて人を憎まぬは、此れ仏の心なるぞや。
 如何なる悪人も、憎む事は許さぬぞや。
 悪人ならば尚更に「哀れ」と思ひ、
 慈悲をかけやらねば相ならぬぞや。

 人皆、元は仏なるぞや。

 只、悪霊の虜となり、己が身、悪魔に貸し与へおるなるぞや。

 此の悪魔、出でゆかすべき方法を、汝、真の誠もて
 親切入念に教へやるべし。

 其の折の忍辱(にんにく)の鎧、持参致すを忘るべからず。

 合掌

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