多可郡仏教会弔辞

 本日茲に故學明大和尚葬送の厳儀にあたり多可郡仏教会を代表して一言
お別れの言葉を申し上げます。
 大和尚は平素より護法の精神に徹せられ、その高邁な御見識と旺盛な活動力
によって寺門の興隆、檀信徒の教化は言うに及ばず、弘宣の大先達としてめざま
しくご活躍されました。
 更に地域での各種公職を担われ、まさに八面六壁の大法輪を転じられました。
特に貴宗におかせられては後進の指導には人一倍情熱を傾注せられ、大和尚を
師と仰ぐ後継者が多くその御功績は顕著であります。
 しかるに去る二十九日急逝せられ、ついに御再起を促せず、縁籍の皆様、檀信徒
各位、その他各界の切なる御回復の念願も空しく誠に痛惜に堪えません。
 思い起こせば、郡仏の数少ない集いにおいてもかねてからの酒豪の一端がうかが
え、加えて生来の豪放磊落さとユーモアにあふれる話し振りを聞き慣れた者にとって
は、そのお声が永久に失われたことに無常空寂の念がひしひしと迫って参ります。
 願くばみ仏の世界にてその慈眼を我々後進に向けられ、寺門の発展の礎となら
れんことを。
 吾々大和尚の御遺志を深く胸にきざみ、法華弘通につとめ、いささかなりとも御遺
恩に報いる決意をお知らせしてお別れの御挨拶といたします。    合掌
   平成十三年八月二日
                   多可郡仏教会長 近 藤 俊 雄