一 生きとし生ける ものはみな
仏でなくて なんであろう
こころ迷える 人びとを
救いあげたい 慈悲の手に
大日如来を 仰ぎつつ
ああ 空海の 道はるか
二 僧衣(ころも)の袖が 風を切る
大和の峯や 室戸岬(むろとざき)
山河修行の その果てに
訓(のこ)す真言(ことば)は ただひとつ
この世の平和が 願いなり
ああ 空海の 旅はるか
三 葉末(はずえ)の露が 生命(いのち)なら
路傍(ろぼう)の石も 生命なり
この身 高野(こうや)に帰るとも
吾は人間界(うきよ)の 杖になる
遍照金剛 とこしえに
ああ 空海の 夢はるか
|