弘法大師御生誕慶讃法会
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 平成11年4月11日(日)、金蔵寺に於いて、高野山真言宗多可郡北部
結衆寺院(高野山真言宗播磨宗務支所第12区)主催の弘法大師御生誕
慶讃法会が厳修されました。当日は、前日よりの雨模様も、午前7時半頃
から次第に晴れ始め、嘘のような快晴に、約400人の参詣者一同、
「よかった」「お大師さまのおかげや」
と口々に随喜の涙を流して喜ぶ風景が見られました。
 当日の日程は次の通りです。
       8:00  稚児大師尊像引継式(寺内・神宮寺)
       8:30  道列出発 途中より稚児合流
       9:10  休憩 稚児解散(的場・蓮華寺)
       9:30  道列出発 表参道登坂
      10:30  金蔵寺着 休憩
     11:00  弘法大師御生誕慶讃法会
      12:20  昼食・休憩
      13:20  法話  金蔵寺名誉住職東野學明大僧正
      14:20  清興
      15:20  終了
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お大師迎えに詠める   的場 K・K

◎降り頻る雨突然に晴れし朝 大師迎える今日の佳き日よ

◎朝日背に大師の御堂神宮寺に すがしき僧ら迎え給えり

◎神宮寺を守れる人のありて今日 瞼に遺る尼僧の姿

◎晴天に百花爛漫鳥うたい 稚児の行列絵巻の如し

◎大杉も囲まれしより雄大に 今さらながら無二の宝木

◎今日迎う次の九年如何ならん 老い先かすむ霧の如くに

◎厳かに待ちに待ちたる今日の日を 数珠と袈裟とに守られ生きん

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 「宗祖弘法大師御生誕慶讃法会慶讃の文」


 敬って真言教主大日如来両部界会諸尊聖衆三国伝燈諸大阿闍梨耶、殊
に別しては坐禅入定遍照金剛、総じては尽空法界一切三宝の境界に白し
て言さく。
 夫れ大師の慈光は十方三世に末徒の群生を利益し、随機の教旨は広大
無辺なり。
 今恭しく惟んみれば、宗祖弘法大師は、今より一千二百二十五年前、宝
亀五年六月十五日、楠の青葉の香しき、望のみ空に紫の雲の棚引く、讃岐
の国は多度の郡屏風ヶ浦に誕生し給う。佐伯善通卿を父とし、玉依御前を
母として、幼名を真魚と名付けらる。幼にして神童の誉れ高く才智群を抜
く。
 十五歳にして叔父阿刀大足に従いて都に遊学、十八歳にして大学に入学
し儒教・仏教・道教の研究に打ち込まれる。然るに、大師儒教を中心とする
官吏養成の学問に飽きたらず、退学して山林修行者に仲間入り、この間に
一人の沙門より虚空蔵求聞持法の伝授を受けられる。この頭脳明晰にして
記憶力増大の大法修得のため、大峰山・吉野山・高野山・阿波太龍ヶ岳・
石鎚山・怒濤逆巻く室戸岬に修行され仏教信仰を揺るぎなきものとされる。
 二十歳にして和泉の国槙尾山寺にて出家、二十二歳にして東大寺戒壇
院にて具足戒を受け、名を空海と改めらる。二十四歳にして自らの出家
宣言書たる三教指帰三巻を著作、仏教の卓越性を説き給いき。その後、
密教の根本経典たる大日経に出会い、その奥義を究めんがために、
三十一歳にして万里の波濤を乗り越えて入唐求法、青龍寺恵果和尚より
密教のすべてを伝授され、遍照金剛の位に昇り給う。師の遺言「早く郷国
に帰りて国家に奉り、天下に流布して蒼生の福を増せ」に従い、帰国。
まさに空しく往いて満ちて帰り真言密教を立教開宗、爾来三十年、真言密
教流布の生涯を全うし給う。
 その間、大師の事跡は、霊峯高野山の開創を始め四国八十八ヶ所霊場
等の諸霊場の蒼創、神泉苑の請雨、讃岐満濃池の修築、或いは道路を
通じ橋梁を架し農業を教え療病の法を授くるなど枚挙に遑なく、また、仮名
の創作、我が国初の民間学舎綜藝種智院の開設は我が国文化の大本庶
民教育の嚆矢たり。その他政治・道徳・美術工芸・殖産・感化救済等苟も
文教啓世の事業成されざるはなく、済世利人の法行われざるはなし。

 天長九年万燈万華会を修せられるや「虚空尽き衆生尽き涅槃尽きなば
わが願いも尽きなん」との大誓願により、遂に承和二年三月二十一日、
弥勒下生の暁を待って肉身を金剛定に示し高野山奥の院に御入定なし
給う。
 延喜二十一年弘法大師の謚号を賜り給うや津々浦々の檀信徒「同行
二人のみ親、生身の仏高野山にいます」、「ありがたや高野の山のいわ
かげに大師は未だおわしますなる」と、宗旨・男女・遠近を問わず登り来
たり、今なお高野山並びに四国霊場に香煙絶ゆることなし。誠に宗祖大師
は千載不世出の聖者、二仏中位の大智識なり。
 本日茲に、稚児大師の尊影を荘厳し、高野山真言宗多可郡北部結衆寺
院主催にて、弘法大師の御生誕を慶讃し、その本懐と生命の尊厳を憶念、
慶讃法会を厳修し報恩謝徳の丹誠を捧げ奉らんとす。請い願わくは宗祖
大師の誓願を三会の暁に期し、末世衆生悉く慈氏の恵光にあづからんこ
とを。
重ねて請う。
 即身成仏 密厳国土 世界平和 人類福祉 乃至法界 平等利益
  平成十一年四月十一日 高野山真言宗多可郡北部結衆寺院敬白

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