まるで本当のことのように現実感があった。
暗い、暗い空間で。
逆光の中に立つ人があたしに言葉を放った。
『別れよう』
重く重くのしかかる言葉に涙を流してあたしは目を覚ました。
目の前に広がっていた黒い空間も逆光もその中に立つ人も消えて。
涙で濡れた枕から飛び起きた。
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「高橋どした?」
「ごとぉさん………」
休日だと言うのにあたしは後藤さんの家へ向かった。
寝不足らしく後藤さんは目を擦りながらあたしを出迎えて家の中へ通してくれた。
そして扉が閉じるのと同時にあたしは後藤さんに抱きついたのだ。
「怖い夢を・・・見たんです…」
「夢?」
「夢の中で後藤さんに………『別れよう』って言われて、なんか怖くて泣いて起きたんです」
「なにそれ。あたしが高橋にそんなこと言うの?」
「夢でも、なんかすっごいリアルで。怖かったんです・・・」
あたしは後藤さんに抱きしめられて安堵したのかまた涙腺が緩んで涙を流して、
後藤さんの赤いパジャマを涙で濡らしていた。
「高橋は失礼だな〜。こんなにあたしは高橋のこと好きなのにそんな夢みるなんてー」
「でも、でも本当に怖かったんです………」
冗談交じりに笑いながら話す後藤さんの顔も見れずに。
あたしはずっと後藤さんに抱きついて。後藤さんに抱きしめてもらっていた。
「大丈夫だよ。あたしは高橋のことキライになんかならない。」
後藤さんはあたしの頭を撫でながら優しく優しく言葉をかけてくれる。
その優しさが余計、あたしに涙を流させる。
「証拠見せてあげようか?」
「え?」
ゆっくりと身体が離れて後藤さんの顔が目に入る。
後藤さんは優しく微笑んで。
あたしの顔にゆっくりと近づいてきた。
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「解ってもらえた?」
「………う、うん………」
急なことに戸惑いを隠せなかったけど、これでもかって程に後藤さんの優しさだけは伝わった。
「あ、あの………」
「ん、なに?」
「こんな朝早くに起こしてごめんなさい」
「あはは、そんなこと気にしなくて良いよ。あたしの愛する高橋が怖い夢見たってんだから。
恋人のあたしが寝ぼけててどーするのさ」
後藤さんは歯の浮くようなセリフを言いながらまたあたしを抱きしめてくれる。
「それに怖い夢見るくらいであたしの所に来ちゃうくらい高橋はお子ちゃまみたいだからねぇ〜」
「ご、ごとうさん!」
「あはは〜。高橋が怒った〜逃げろ〜」
後藤さんはふざけてあたしから離れて寝室へと入っていった。あたしも冗談で怒ったフリしながら後藤さんの後を追いかける。
「え?」
ベッドのそばに立っていた後藤さんに近づくと急に天井と床が逆転する。
違う。後藤さんにベッドの上へひっくり返されたんだ。
「お子ちゃまじゃないってんならさ〜」
後藤さんは子供みたいにニヤリと笑って、
あたしの耳元に顔を近づける。
「大人な事でもしよっか?」
END
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あ〜コレはごまたか雑談?スレッドに即興で書いたヤシです(ボカスカ
きっと今から探せばまだあると思われwww
高橋視点ってなんとな〜く書きづらかったり(^_^;)