段ヶ峰 1103m 2003.12.06 横殴りの雨は仕方なしとして、登山口は、どこ?


播磨と但馬の国境にあたり、俗に播州高原と総称される山々の連なりの中、
段ヶ峰は、兵庫の分水嶺といえる。

うーーーん、困ったことに、登山口が見つからない。
(ー_ー;)。o O
思い起こせば〜予定では、9月に、段ヶ峰からススキの綺麗な尾根道を縦走するはずだった。
それが、いろいろあって、この日になったのだが、今日も登山口にたどり着けない。
なんか〜縁遠い山だなぁ〜。
 

これと思しき林道を行っては、行き止まりでUターン。
また別ルートで登り詰めては、Uターン。
メインルートに引き返して、地元住民らしき人に尋ねて、
教えられた通りに行っても、目印が見当たらない。
雨脚が激しさを増す中、マイクロバスの迷走は続く。
「もう今日は〜中止でもいいわ〜(;´д`)」
と口に出す人もいて、なんだかすっかりくたびれた。

10:50
ようやく、目指す悠友山荘の下の駐車場に到着!
山頂まで片道30分程なので、ザックをバスに置いて、
雨具だけで登ることになった。

10:55
傘をさして登山するような状況だから、
当然、花を探したり、周囲を見回す余裕などない。
気になるのは、ひたすら、足元。
視線を落として、次の一歩をどこに着地するか?
それだけに集中する。

見た目よりも、かなりの急傾斜。
ここで転んだら〜エライ目でっせ〜(>_<)

11:08
かなりなだらかになって来たと思ったら、今度は、
風鳴りがして、傘が危険に感じられる。
傘をたたんで、上着のフードをすっぽり被り、
しょぼくれたドラえもんになって、黙々と登る。

山頂に近付くにつれて、木々が疎らになり、
笹や枯れススキの原が開けてきた。
雨は、山肌を駆け上がる風に巻き込まれて、
横から〜下から〜ドラえもん達に降りかかる。

11:27 山頂

「ススキのきれいな山頂からは
東播磨の山々や栃原の稲田が望まれる。」
と50山の本にあるので、さぁさ〜想像してみましょ〜♪

ご覧の通りで、視界は10mあるか?ないか?
折角登ったんだから、記念撮影・・・というより、
証拠写真を撮っておかなきゃね〜( ̄へ  ̄ 凸
どんな顔して写ったことやら〜?

で、撮影後、そそくさと下山。
風で、木立が吠えるような音を出すのを初めて聞いた。


マイクロバスの中で昼食かと思ったら、どこだか、ienaga先生の心当たりの施設に行って、
そこでランチタイムにすることになった。
確かに、林道は凸凹&ヘアピンカーブの連続で、
これだけ揺りまわされると、気分が悪くて、食事どころじゃないもんね。

着いた所は、播磨一宮、家原遺跡公園内の駐車場。
施設利用費を節約して、でも外は身を切る寒さの風なので、車中でお弁当。
食後、公園内を散策&”まほろばの湯”施設内でショッピング。

ここから目と鼻の先、国の重要文化財があるという御形神社に立ち寄る。
 

←本殿脇のタラヨウ(多羅葉)の大樹の葉
 水気の多い木で、寺社の周囲によく植林されている。
 大事な建物を、火災の延焼から守る役目をする。
 葉っぱの裏を傷つけると黒くなるので、字が書ける。
 ハガキ(葉書)の語源は、
 この葉の裏に尖ったもので字を書いたことからきているそうな。

サルノコシカケ、どこだどこだ?〜と騒いでいたら、
ここの神主さんがお出ましになって、
国の重要文化財を間近で拝見させてくださるという。 
滅多にないラッキーチャンス!\(@^▽^@)/

←雨に祟られた不運な一行を、中に招き入れようと、
 本殿への鍵を開けてくださる神主さん。

ご祭神は葦原志許男神=大国主神。
つまり、”因幡の白兎”に登場する大黒さま。
なにやら親しみを覚える〜(^^ゞ

この本殿は、三間社流造りの桧皮葺。
宝亀3年の創建から、火災などに遭い、
今あるのは、3度目の1527年に建立されたもの。
それが、昭和42年に重要文化財に指定されて、
解体復元工事が施工されて、色鮮やかに蘇った。
来年には、また屋根の葺き替えをするそうな。

 

登山靴の紐を解いて、畏れ多くも本殿へ上がって、
建物の造りの説明を聞く。

室町時代後期の様式や技法を伝える彫刻や組物。
ふ〜ん、d(-。^)〜ナルホド!!

こんなふうに、目の付け所や見方を教えていただくと、
神社さんの有難味が増し、親近感が湧いてくる。
そのことを、つくづく感じた。

日本一の大絵馬がかかるという絵馬堂。
この時期は、まだ準備中なのか、見られなかった。

が!
絵馬堂の中にお宝があった〜☆☆☆

 

江戸時代に描かれた百人一首の額(絵馬?)〜☆☆☆

百人全員が揃っているのは、全国でもここだけとか。
文字は、判読ができないくらいに薄れているが、
詠み人たちの絵姿には、まだ色彩が残り、
奉納された当時の艶やかさを髣髴とさせる。

こんな素晴らしい文化財が、博物館などに収蔵されず、
風雨が吹き抜けるような環境に置かれていることに
びっくり!
しかも手を伸ばせば届きそうな場所に!

この近在の人々は、昔々からこの額を眺めながめて、
百人一首に親しみ、諳んじたりしたのかな?

もしも保存のための予算が付けば、
末永く人類の宝になるように大事に保管され、
ガラス越しにしか見られなくなるだろう。
それは、これを奉納した昔人の望むところかな?

・・・などと、とりとめもないことが頭をよぎった。

←ここに描かれたぽっちゃりふくよかな女性、
 うちの三条小町@ニホンイシガメ♀にご縁のある〜
 小野小町〜☆
 親近感を覚えますわ〜(*^日^*)ヾ(-д-;)ぉぃぉぃ
 



  
ショウフクジザクラ(町指定の天然記念物)    アオギリの種(灰色の葉に見えるもの)

     
五色椿の蕾                   空蝉
 


山歩きは残念だったけど、思わぬところで珍しいものを見られて、よかった〜よかった♪
まぁ、こんな日も〜・・・なぜかしょっちゅうあるさ〜(^^ゞ

しっかし、「この中に、どなたか”雨男”がいらっしゃいますな?」とは、
さすが〜神主さん! よくぞ見抜いておられましたなぁ〜(*^m^*) ムフッ!
どうにか無事に帰り着けて、とにかく、よかった〜よかった♪
 

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