四国八十八ヶ所巡拝の旅はじめました
3回目の巻
2007.3.3
「四国八十八ヶ所巡拝の旅」も3回目を迎えました。
気候も随分過ごしやすくなってきました。
3回目の今回は、12番札所〜16番札所までの5ヶ寺を巡ってきました。
←13番札所 大日寺内のしあわせ観音
はやいもので、3回目の巡拝ツアーです。少し冷えた朝ではありましたが、ここのところ
気温が暖かい日が多く、今日も穏やかな一日に恵まれました。
また、今回は、2月のときにお知り合いになった方々と再会したので、行きのバスから、
話も弾んで楽しかったです。
さて、今日の先達さんは、定年退職後、何か人のお役に立てるようなことができないか。と
お遍路を始めるうちに、「先達」の先輩から誘われ、先達資格を得られ、こうして私たちを
案内してくださるようになったという、年配の男性でした。
今でも、ご自身も「客」側としてツアーに参加されることもあるとかで、ツアー客の立場になって、
ご自身の先達業?に生かされているそうです。
先達資格については、私もこのお遍路を始めて、少し興味をもっていたところですが、
まず四国八十八箇所参りの先達資格を取るには、4回以上お遍路を満願して、
申請をすることで得られるそうです。申請できるお寺はどこでも良いのですが、
中には、「お経を唱えてみて。」とかお遍路の知識を問われたり、ちょっとした試験?も
あったりするそう・・・。やはり、お四国さんはお遍路中のお遍路なので、修行を極めないと
簡単にはなれないんですね〜。そこで・・・比較的、まだ資格を得やすいのは、西国三十三箇所の
先達資格のようです。これは、一度満願した時点で、申請すれば資格がとれるとのこと。
なんと、先達さんの5歳のお孫さんは、昨年末、西国満願し、5歳にして先達資格を得たそうです!
申請場所となっている、総持寺のご住職も驚かれていたとか。
西国であれば、近畿圏のツアーでいけるので魅力的?ではありますが、両方同時巡拝となると、
中途半端になってしまったら、本末転倒なので、とりあえず今は、八十八箇所満願に向けて
頑張っていくことにします。
さて、話題を戻して…今日は、16番札所「観音寺」が打ち始めでした。フツーの住宅街の
中に位置する観音寺は、本堂がすごくきれいでした。(写真)本堂となりには、「夜泣き地蔵」が
あり、子供の夜泣きを止めてくれる地蔵尊として夜泣きに困った親達がお参りに来るそうです。
また、お年寄りの、よく寝られるようにという願いも叶えてくれるといいます。
観音寺の参拝を終え、次なるは、13番札所大日寺 第一回目のときに少し紹介しましたが、
八十八箇所で4箇所ある「大日寺」のうちの2つめです。観音寺から走ること30分くらい。
だいぶ山間にやってきました・・・。このお寺の門を入った正面の所には、冒頭写真で紹介の
「しあわせ観音」と言われる観音像が建っています。幸せを願い祈るといいとされ、
多くの参拝者に親しまれています。他にも、しあわせ観音の裏側には小さな池があり竜王像を
取り囲むように七福神像が建っていました。
大日寺のあとは、本日のメイン?12番札所「焼山寺」です。ここは、標高938mの焼山寺山の
八合目付近に位置し、八十八ヶ所中、一番の難所だと言われています。歩き遍路の方にとっては、
11番藤井寺から、険しい山道で、「遍路ころがし」といわれる難所だそうです。
バスで移動の私たちには、想像しがたいのでしょうが、それでもバスを進めるにつれ、
山・ヤマ・やま・・・の風景となってきて、しかも、途中で大型タクシーに乗り換えないと
ツアーバスでは、お寺の駐車場まで行けない。ということで、途中のタクシー乗り換え場所まで
いくと、もう周りは何にもない山の中でした。そこで、タクシーに乗り換えたのですが、
タクシーといっても、焼山寺までの案内を専門にしている運転手さんのため、先達さんも
顔見知りの方で、面白おかしくいろいろと説明をしてくださいました。途中、きれいな梅林も
多く、目でも和ませてもらいました。梅林が多いとおもったら、梅とすだちが有名な町で、
『「すだちは徳島が有名」と一括りにしないで!神山町(かみやまちょう)が一番!』なんだそうです(笑)。
ツアー客のみなさんは、うめぼしをお土産に購入されていましたが、ちょっぴりすっぱいのも
特徴とのことで、すっぱいのが苦手な私としては、購入を見送りました(笑)。
タクシーで山を登っていくこと10分ほど、どんどん標高が高くなってきて、ついに到着。
駐車場横に、遍路道があり、(思いっきり山の中の道ですけど・・・)こんなところ歩いてくるの?
と思うだけで、さすが「遍路ころがし」といわれるだけのことあるなぁって感じでした。
駐車場から取った風景。山しかない・・・。
納経帳に記帳してくださる場所→
建替え中の大師堂 彫り物も見事です。
なんだか、こんな高地だと余計に神聖な場所のような気もしつつ、お参りを終えて、下山のタクシーの中
で、またお話をしてくださったのが、衛門三郎と弘法大師さまのお話です。自らの行いを詫びるために
弘法大師さまの巡拝の後を追って、大師さまを探しながら何度も巡拝を続けた衛門三郎が、
八十八番目から逆に巡拝を始めたのが『逆打ち』の始まりとも言われています。ようやくめぐり合えたのが
この12番札所だったといいます。参拝道の途中に四国別格二十箇所のひとつ「杖杉庵」があるのですが、
ここに、許しを請う衛門三郎と弘法大師さまの像がありました。
お話の詳細は、このページをご覧(クリック)ください。
今日の巡拝は、結構順番がバラバラです(笑)。12番札所を終えて、次は14番札所「常楽寺」です。
この常楽寺は、石段の参道や境内にむきだしになっている、自然のままの流水岩の断層になっています。
本堂も、岩石上に建っており、先達さんからくれぐれも気をつけて歩くように言われました。
途中、他のツアーの方が、ものの見事に転んでしまわれたのでほんと、ある意味危険な参道です…。
また、ここでは、本堂に覆い被さるように枝を広げている大木があります。これは弘法大師が糖尿病に
苦しむ老人に煎じて飲ませたとされる櫟の木で、別名「あららぎの霊木」と呼ばれています。
この伝説からか、あらゆる病気に霊験を発揮すると言われています。
あららぎの霊木の間に大師さまが!→
よいお天気に恵まれた巡拝も、いよいよ本日の最後、15番札所「国分寺」を残すのみとなりました。
14番札所から、15番札所は、徒歩でも行ける範囲に位置しているため、ほんの短い距離ながら、
『歩き遍路』をすることに・・・。今回のツアー客20名で、先達さんを先頭に列になって歩くこと、15分。
お天気が良い分、15分でも少し汗ばむ感じでした。途中、すれ違う他のお遍路仲間?の方々と
挨拶を交わすのも、なんとも清々しい気分になれました。
さて、たどり着いた、国分寺は、平坦な地に位置していて、ここ数ヶ寺と比べれば普通な印象です(笑)。
ここでは、お札を買うことに決めていた私。どんな?といえば、弘法大師が唐から招来した仏で悪を降伏させて
善へ導く役目を持つ諸尊、鳥瑟沙摩明王(うすさまみょうおう)さまのお札です。眼と下半身の病に霊験があると言われ、
一般にトイレの神様と信仰され、不浄金剛とも呼ばれています。おトイレの入り口に貼っておくと、下の病気が
治ったり、将来「下のお世話に」ならずに過ごすことができるとか。前回の9番札所 法輪寺のお手洗い入り口に
お札があり、先達さんがその謂れを教えてくださっていました。お札が購入できるのが、八十八箇所中、
2箇所しかなく、そのひとつが、この国分寺だということで、入手を楽しみ?にしていたのです。
←これが、うすさま明王のお札です。今は、自宅のお手洗い前に飾っています。
今回も、無事予定の巡拝を終え、帰路に向かいました。今回も、帰路中は、結構睡眠時間と
してしまいました(笑)。次の回からは、いよいよ遠方になってくるので、1泊2日のツアーに
なります。ということで、新年度の忙しさも影響して、残念ながら、巡拝の旅もいったん休止。
すこし落ち着いた頃(初夏頃?)、再開することにします。
それまで、せっかくスムースに唱えられるようになった般若心経がぎこちなくならないよう
たまには、練習がてらお唱えしてみなきゃね。と思っています。