四国八十八ヶ所巡拝の旅はじめました

         2回目の巻

                2007.2.3

先月から始めた「四国八十八ヶ所巡拝の旅」。一ヶ月が経つのは早い…。

ひとまず「都合がつくうちはできるだけ続けて参加すべし。」と思い、

2回目の今回は、7番札所〜11番札所までの5ヶ寺を巡ってきました。

   ←10番札所 切幡寺内の機織り観音

 さて、2回目の巡拝ツアー!前日は、小雪がちらつくほどの寒さだったのですが、

この日の最高気温は平年より少し高めということで、朝からお天気に恵まれました。

 集合は、早朝になるためさすがにヒンヤリとしましたが、バスに乗って淡路島で途中休憩

するころには、晴れ間があり「今日もお参り日和だぁ」と清々しい気分になりました。

 そして徳島に入り、向かうは、休憩を兼ねて、1番札所「霊山寺」。ここは、前回お参りしたので

寺内には入らず、巡拝用品を購入したい方+お手洗い休憩ということで駐車場に入りました。

前回私のお参りした日に15台のバスで押し寄せた霊山寺。当時は、「戻られる際には、バスの

お乗り間違いのないように…」と先達さん、添乗員さんも大変気を遣われていたようですが、

今日は、2台だけ…。先達さん曰く、「1番札所が込むのは、みなさんが参られた1月、そして春先。

普段の札所は今日のように静けさが漂っているものなのですヨ。」とお話してくださいました。

私のように、1月にこのツアー企画に参加された方は、多かったようで、なんとこのツアー会社では、

1月に延べ127台ものバスが訪れたそうです。先達さんは、元日から31日まで、これまた27日間の

同行だったとか…「週休2日の会社員の方より働きましたよ(笑)。」ということで、先達業?も

大変だなぁ〜と思いました。(27日間ずっと同じツアー内容ではなかったそうです、昨年始めた

方が、年末に無事満願して、1月に「高野山」へお礼参りに行かれたり、その他「西国三十三ヶ所巡り」

などのツアーもあるため、いろんなところへ同行されるとのことです。)

 今日は、お見かけしたところ50代後半〜60過ぎくらいかな?と思われる男性の先達さんでした。

前回の女性先達さんとは、また一味ちがった、おしゃべり好き?な先達さんで、最初はちょっと・・・と

引いてしまった私ですが、そのうち「これはこれで面白いかも。」と思えてきました。(笑)

 この日は、客足?が少ない日だったそうですが、それでもバスで一度に同じお寺にお参りすると

境内が込み合うので、他のバスの様子から「先達さんの腕の見せ所?」ということで、

「今日は、『逆打ち』で11番札所から、お参りしましょう!」と11番札所「藤井寺」へ向かいました。

境内に入るとすぐに、立派な藤棚があります。「弘法大師お手植え」と伝えられています。

藤の見頃は、GW前後なので、今は枝だけ(笑)。先達さんから、花の写真を見せてもらいました。

        

ここ11番札所「藤井寺」から12番札所「焼山寺」へは、歩き遍路にとっては、「遍路ころがし」と

言われるほど山を登って下って…の難所だとのこと、上記右の写真のちょうど、左側の木の下

あたりに「←12番焼山寺」「11番藤井寺→」という案内札があります。通常は、山門を出てまた

遍路に戻る。という経路なのですが、ここはこの場所から山へ入っていくのです…。少し覗いてみると、

「うひゃ〜いきなり険しい。歩き遍路は想像を絶するなぁ〜。」と修行?の厳しさを垣間見ました。

先達さんの腕の見せ所だった『逆打ち』ですが、なんと同社のツアーで「読み」が同じだったようで、

狭い駐車場に3台のバスが(笑)、先達さん「うぁ〜読みがハズれました。」とのことで、

他のバスの状況を聞いて、「やはり7番札所にもどって、7〜10番札所の順で回りましょう。」

ということにしました。今日のところは、5ヶ寺間の距離がそんなに広範囲でないので、こういう

機転?がきくのです。ということで、次は7番札所「十楽寺」へ…(この間に車中でお弁当にて昼食)。

ここには、「心の苦悩からの解放」という意味が込められている山号通り、多くの人々に光明をもた

らしてくれると伝えられている地蔵尊があります。昔から眼病や盲目に霊験があると伝えられ、

お地蔵様の前では、お年寄りお遍路さんが熱心に祈られてました。実際寺を巡拝中に開眼した説も

あるそうです。私も、家族・友人の分も含めてお祈りしました。

  

                                          ↑これが本堂右手にある地蔵尊です。

(またまた長くなってきましたね…スピードUPを…:笑)

次は、8番札所「熊谷寺」 かなり高台にあるお寺です。本堂から大師堂までにも石段があって、

大師堂からの眺めはなかなか良い感じでした。ここでは、ツアーじゃなくて巡拝されていると思しき

ご一行と遭遇しました。実はこの団体さんが・・・お遍路さんのマナーとして、自分たち以外の一行が

お経を唱えている間は、そのお経に重ねるようにして自分たちが唱えるのはタブーとされています。

ということで、もしお参りが重なった場合は、その一行の読経が終わるまでそばで、聞きながら?

待っているというのが本来のところ、このご一行が、私たちの読経に重ねて唱えだしたのです。

本堂でそれをされたもので、その後の大師堂でもされると困ると私たちの先達さんが思われて?!

そのご一行にマナーを説いてられました…。確かに歩きだったりすると先を急がれる方もあるで

しょうが、そこはそれ、やっぱりマナーは大切ですね。(ちなみに私の利用する会社同士のツアーで

重なったら、先達さん同士で相談されて『じゃ、一緒に』ということで一度に大勢で読経したりして

待ち時間などが出ないようにされてます。)

このあたりでちょうど14時頃。ほんといい日和で、寒い思いをすることなく順調にお参りをすすめて

9番札所「法輪寺」。この本堂には、たくさんの「わらじ」が奉納されていました。昔、松葉杖なしでは

歩けない人がこの寺に参拝に訪れたところ、参道の真ん中辺りで足が軽くなり、松葉杖なしでも歩け、

ついには足が完治したという伝説があるそうです。そして、前回もお話したとおりハードスケジュールゆえ

お守りすらも買う時間がないところですが、こちらで販売されている「草もち」「焼き芋」は有名らしく、

例外的に?先達さんから『買うならお参り前にネ。なくなっちゃうかも。』とお許しが。焼き芋はあんまり

好物ではないので、「草もちを!」と期待してたのですが、一個売りではなかったので、お土産には

荷物にもなるかとあきらめました(笑)。その代わりというわけではないのですが山門前で、一人の

年配の男性と出会いました。菅笠を被られたその方は、お遍路しながら各札所をデッサンされていて、

それを道行くお遍路さんに分けてくださっているとのこと。わがツアーの先達さんは、お知り合いらしく、

大量にいただくため、事前にお願いしておいて下さってて、私たちツアー客全員デッサンをいただける

ことに。一人一人札所(お寺)が違って、回りの方と「私のは○○寺だわ」とか見せあって感激してました。

こうして本日四ヶ所目も無事終え、残すは本日のメインイベント?10番札所「切幡寺」です。

なにがメインイベントなのかといえば、本堂にたどり着くまでの困難な道のり???(おおげさ)

困難というのは、切幡寺もかなり高台にあって、たどり着くには、長い坂道に加え、石段を333段

上らなくてはならないのです。一応、バス駐車場からタクシーに乗り換えて迂回する方法はあるの

ですが、この石段を上れば「厄除」の効果があるとのことで、いざ挑戦!(ツアー客20名のうち

10名がトライしました。先達さんは、来るたびに「挑戦者」がいると私も付き添うことになるからなぁ

なんて冗談交じりで「みんなタクシーにしないの?」と。(笑)

さてさて、坂道まではまぁそんなたいした辛さはなかったのですが、階段に到着。「是より333段」と

書かれた石碑があり、「さぁ行くぞ〜」とあくまでも自分のペースで。ということで上りはじめました。

ひとまず区切りが「是より234段」、まだまだ続く…どんどん膝がガクガク…日頃の運動不足が

タタってきました…「厄除け」というだけあって、後半は、「女厄よけ坂」(坂じゃない段だ!:笑)33段

男厄よけ坂42段で、たどり着きました。汗だくで上り終えたところ、先にタクシーで到着していた

バス隣席の女性から、「お疲れ様〜頑張ったね。」と労ってもらいました。ハイ頑張りました(笑)。

ここ、切幡寺の、切幡の名は、機織り娘の伝説に由来しています。弘法大師が遊行中、衣が

傷んだので娘に繕いの布を求めると、その娘は織っていた布を切り取って大師に渡しました。

この娘の好意に感動した大師は、その礼として「亡き父母のために観音像を刻って下されば…」

という娘の願いを聞き、一夜で千手観音像を刻んで娘に授けたところ、娘は観音菩薩に変化した

といいます。本堂には、弘法大師によるその千手観世音菩薩とともに、娘が即身成仏となった

観音菩薩も安置されています。 お参り後、機織り観音も先達さんに案内してもらいお参りしました。

汗を拭き拭き最後のお参りを終えて、本日も打ち止め。最初に11番をお参りしておいてよかったぁ。

すっかり疲れたので、切幡寺で終われてよかった…(笑)。

   

  

 ←↑切幡寺の困難な道のりの数々(笑)

こうして、無事本日の予定の巡拝を終え、帰路に向かいました。前回同様、バス車中でも、

本日最後の「お勤め」を済ませ、添乗員さんに預けておいた、納経帳を返していただいて。

(添乗員さんは、私たちがお参りしている間に、ツアー客分の納経用品をとりまとめて、

一括納経手続きしてくださるのです。風呂敷一杯になった納経用品を巡拝のたびに持ち歩いて、

結構大変な添乗業務です。感謝。)

その後は、休憩を兼ねる淡路島ハイウェイオアシスまで、すっかり疲れて寝てしまいました(笑)。

そして無事解散場所へたどりつきました。2回を終えた巡拝ですが、やはり普段の旅行後と

ちがって、清々しい?気分になり、次回が楽しみになります。次回は3月3日に行ってきます。

【おまけ】

またまたたくさん撮影したので、ここで紹介しておきます。(順不同でごめんなさい…)

  

↑納め札は、巡拝回数によって色が変わります。(緑札は5回〜9回満願され方、左端、錦札は、なんと100回以上!)

上段中から熊谷寺にて。大師堂からの眺め。寒あやめ。山門横の仁王。      ↓草もちを買い損ねた法輪寺(笑)

  

 ↓切幡寺・・・左上のとんがり屋根?目指して、上るんです。    

 ←切幡寺の階段で疲れた私を癒してくれた水仙。