2000.3.26 太地・ナガシマ

 今日は午後から墓参りのため、午前中だけの釣りです。いつもの太師丸渡船に着くと車が少なく、かなり空いていました。出船20分前に乗り込むと一番乗り。船べりに座って待っていると何と関釣りに連載している桑原英高さんが乗り込んでこられました。あいさつして少しお話ししました。ここは初めてだそうで今日は冬型の気圧配置なので枯木灘はだめだから、だそうです。

 さて、桑原さんと西本さんは南のオシダシに乗りました。そのあと「一人の人」という船頭さんの声にすぐ手を上げ、ナガシマに乗せてもらった。平で足場がよく、釣りやすそうだ。

 今日は新しく遠征用に買った2号のインナーロッドを試します。ハリスは3号という船頭さんの指示に、手持ちで一番太い2.5号ハリスで始めました。しばらくは餌取りに悩ませられました。水深もあるので、2ヒロ半から始めて2ヒロぐらいまであげるものの、なかなか鉤にかからなりません。餌はとられりました。そのうちに潮が上り潮にかわり、餌もとられなくなりました。それにしてもときどきすごい風が吹きます。おかげで潮目も分かりやすいのですが、撒き餌がなかなか狙ったところに投入できません。

 朝食をとるなどして休憩し、潮も悪くなったので、鉤を4号に、さらにハリスは1.7 号にしました。それでも餌が残りました。ウキ下もどんどん深くしていき、3ヒロ半まで深くしたときにコッパグレが釣れました。沖を見るとさっきまで右に流れていた潮が止まっています。ほどなくウキがゆっくり沈んでいきます。これは大物のあたりだ、と合わせるとぐんと重みが伝わってきました。急いで竿を立てますが、すごい締め込みです。やった、これは40あるかもしれない、と急いで浮かしにかかります。何回かの締め込みも2号の竿でゆとりがあります。ここは深いのでハリスもまず大丈夫かなと思っていると竿先が天を仰ぎました。「あー。」と思わず声を上げてしまいました。35センチぐらいのグレが「あぶなかったー。」というような感じでひらをうって逃げていきました。仕掛けを回収するとチモトからぶっつんです。どうやらオナガだったのでしょう。合わせが遅れ、飲み込まれてしまったのかもしれません。

 悔やまれます。またも細ハリスでばらしたのです。さっきまでは気分がよかったのです。「日曜なのに空いていたし、桑原さんにも会えたし。つれなくっても気分いいな」という考えは吹っ飛びました。悔しい、悔しい。こんなんなら太いハリスで釣れないほうが精神衛生上はいいかもしれません。しかし悲劇はまだこれからでした。

 気持ちを切り替えて、仕掛けを再投入しましたが、そのときに突風。振り向くと釣り道具一式の入ったリュックが飛ばされました。走ってもどるとロッドケースもです。瞬時にロッドケースの方が高価であると判断し、タモですくおうとしますが、すくえません。そのうちリュックから流れてきたウキケースが流されてきたので、それをまずすくい、その後になんとか磯際に降りてロッドケースを回収しました。しかしそのときにはもうはるか遠くにリュックは流されていました。カラシマの人が取ってくれるかとおもいましたが、沖に流されてしまいました。

 それでも沖で浮いていましたから、電話で船頭さんにその旨伝えると少し早めに出てくれるとのこと。約一時間荷物の行方を追っていましたが、渡船が着く10分ぐらい前に見失ってしまいました。船頭さんもしばらく沖に船を出して探してくれたのですが、沈んでしまったのでしょう、見つかりませんでした。

 書き忘れましたが、バッカンもやられました。被害総額約3万円。ルアーだけで2万円ぐらいはしたでしょうか。でもまあ、けがはしなかったというのは不幸中の幸いです。