アニメーション

複数のフレーム(アニメーションフィルムの1コマに当たるもの)を作成し、各フレームごとに表示するレイヤーを切り替えることによって、アニメーションを作成する。

なお、ImageReadyで作成する「アニメーション」とはGIFアニメーションのことである。アニメーション機能をもつ画像ファイル形式はGIF以外にもいくつかあるが、多くのブラウザでサポートされているのはGIFだけであり(FlashやShockwaveのような高度なアニメーションは除く)、ImageReadyもそれを踏まえてGIFにしか対応していない。

切り抜きツールのツールオプションの「隠す」を使って画像の非表示部分(枠外として表示されないが、データは残る部分)を作成すれば、非表示部分でオブジェクトの移動をスタートさせ、表示部分に飛び込んで通過し、また非表示部分に飛び出していく・・という「通過アニメーション」が作れる。

設定されているフレームの置換処理(※フレームのサムネールを右クリックすると出る)
背景が透明なフレームを使ってアニメーションを作成する場合の処理を設定する。

置換しない
透明部分を通して、過去のフレームを表示し続ける。
(例えばボールが左から右へ移動するアニメーションでは、過去のフレームが消えないので、ボールが左から右へ増えていくように表示される)
※「置換しない」は画像ウィンドウでは正確に再生されないので、ブラウザでプレビューする。
※「置換しない」に設定する場合は、「アニメーションの最適化>重複ピクセルの削除」をOFFにする。 作成するアニメーションによってはうまく表示されなくなる可能性があるため。

置換
過去のフレームを破棄し、常に現在のフレーム1枚のみを表示する。
(例えばボールが左から右へ移動するアニメーションでは、単にボールが移動するだけで、数は増えない)

自動(デフォルト)
次のフレームに透明部分が含まれる場合は、現在のフレームが破棄される(表示されない)。透明部分が含まれない場合は破棄しない。したがって、「自動」は見た目上は「置換」と同じであるが、内部処理が「置換」より軽い(=ファイルサイズが小さくてすむ)と思われる。
※「アニメーションの最適化>重複ピクセルの削除」をONにしている時は、ピクセルの重複部分が削除されて透明化していても、フレームを破棄しない。

フレームのディレイを設定
フレームを表示する秒数を設定する。「ディレイなし」は0秒とされているが、実際には一瞬だけ表示される。

パレットボタン

ループオプションの選択(無限/一度/その他)
アニメーションの再生回数を設定する。「無限」「一度」以外の回数は対応していないブラウザが多く、その場合は「一度」になる。

最初のフレームを選択
現在の選択フレームにかかわらず、フレーム1(最初のフレーム)を選択する。

前のフレームを選択
現在の選択フレームの、1つ前のフレームを選択する。

アニメーションの再生/停止
画像ウィンドウでアニメーションのプレビューができる。現在の選択フレームから(つまり途中から)アニメーションが開始される。再び本ボタンをクリックして停止するまで、無限に再生し続ける。

次のフレームを選択
現在の選択フレームの、1つ先のフレームを選択する。

アニメーションフレームをトゥイーン
アニメーションの最初のフレームと最後のフレームを選択すると、その間のフレームを設定枚数で補間してくれる(例えば、最初のフレームを不透明度100%の色で塗り、最後のフレームを不透明度0%にしてトゥイーンを適用すると、不透明度が段階的に減少する中間フレームが自動生成され、だんだん透明になるアニメーションが作成される)。なお、既に中間フレームがある場合は、新しいフレームに置き換えられる。

トゥイーンはレイヤーが等速で移動する「移動」と、レイヤーの不透明度が増減する「不透明度」、レイヤー効果が増減する「効果」の3つがある。いずれか1つだけを変化させることも、3つを同時に変化させることもできる(ダイアログの「パラメータ」で選択)。

「移動」や「効果」の場合は、「同一のレイヤーを変化させる」ことに注意。同一のレイヤーを、最初のフレームも最後のフレームも表示している状態で、いずれかのフレームを選択して該当レイヤーに変化を加え、その上でトゥイーンを適用する。最初のフレームと最後のフレームがそれぞれ別のレイヤーを表示していると、トゥイーンがかからない。Illustratorの「ブレンド」と同じようには考えないこと。
(例えば、フレーム1もフレーム3もレイヤー「球」を表示している状態で、フレーム3を選択してレイヤー「球」を移動すると、フレーム1のレイヤー「球」はそのまま動かないので、同じレイヤーを表示しながらもそれぞれに位置の違いができる。この状態でフレーム1・3を選択してトゥイーンをかけると等速移動のアニメーションを作成できる。もしフレーム1がレイヤー「球1」、フレーム3がレイヤー「球2」を表示していたとすると、レイヤーが違うのでトゥイーンがかからない)
また「移動」の場合は、背景付きのレイヤー(画像全体と同じ大きさのレイヤー)では動かしようがないので、あらかじめ動かす物体だけのレイヤーを作成しておく必要がある。

「不透明度」のトゥイーンだけは、別々のレイヤーを表示していても、不透明度の差、または色の差さえあれば、それに沿った不透明度増減(または色のブレンド)のアニメーションが作成される。これに関してはIllustratorの「ブレンド」と同じような感覚で考えてよい。塗り色をだんだん薄く/濃くするアニメーションだけでなく、赤から紫を経て青に変わるような、色が変化するアニメーションも作れる。

すべてのレイヤー/選択したレイヤー
フレーム内の全てのレイヤーをトゥイーンするか、選択レイヤーのみにするかを選択する。
変化させるレイヤーが2つ以上ある場合は「すべてのレイヤー」を選択する。逆に変化させたいレイヤーが1つだけで、他に「トゥイーン条件に該当するがトゥイーンさせたくないレイヤー」がある場合は、「選択したレイヤー」を選択する。

現在のフレームを複製
選択フレーム(複数可)を複製し、続きに追加する。これで新しいフレームを作っていく。

パレットメニュー

アニメーションを削除
フレーム1以外の全てのフレームを削除する。

フレームをコピー/フレームをペースト
選択したフレーム(複数可)をコピーし、「ペースト方法」の設定に応じてペーストする。別の画像にペーストすることもできる。
別の画像にフレームをペーストした場合は、「ペースト方法」の設定にかかわらず、ペースト先画像に元画像の全てのレイヤーがペーストされる。

ペースト方法

フレームの置き換え
選択範囲のフレームをコピーしたフレームに置き換える。「選択範囲にペースト」と違い、レイヤーは複製されない。
※ただし、別の画像にペーストした場合は、元画像の全てのレイヤーが同時にペーストされる。

選択範囲にペースト
選択範囲のフレームをコピーしたフレームに置き換える。この時、画像の全てのレイヤーも同時に複製され、レイヤー数が2倍になる。(別の画像にペーストした場合は、その画像の既存のレイヤーに元画像の全てのレイヤーが追加される)
ペースト先のフレームでは、新しくペーストしたレイヤーだけが表示され、既存のレイヤーは隠される。ペースト先以外のフレームでは、新しくペーストしたレイヤーが隠される。

選択範囲の前にペースト
選択範囲の前にペーストする。選択範囲のフレームは保持される。「選択範囲にペースト」と違い、レイヤーは複製されない。
※ただし、別の画像にペーストした場合は、元画像の全てのレイヤーが同時にペーストされる。

選択範囲の後にペースト
選択範囲の後にペーストする。選択範囲のフレームは保持される。「選択範囲にペースト」と違い、レイヤーは複製されない。
※ただし、別の画像にペーストした場合は、元画像の全てのレイヤーが同時にペーストされる。

すべてのフレームを選択
全てのフレームを選択する。これにより、フレームのディレイ(表示時間)や置換処理を一斉変更できる。また、後から特定のレイヤーを全てのフレームに追加表示させることもできる。

フレームを入れ替え
選択した2つのフレームの順番を入れ替える。3つ以上選択した場合は順番を反転する。

アニメーションの最適化
ファイルサイズを軽くするための設定。いずれもデフォルトでON。

バウンディングボックス
直前のフレームと重複する部分を消去する。(直前のフレームと重複しない部分はバウンディングボックスで切り抜いて表示する)

重複ピクセルの削除
直前のフレームと重複するピクセルを透明にする。
※同時に最適化パレットの「透明部分」をONにしておくこと。
※本オプションを使用する時は「設定されているフレームの置換処理」を「自動」にする。
「設定されているフレームの置換処理」が「置換」だと本オプションは意味がなく、逆に「置換しない」だとエラーを起こす可能性があるため。

レイヤーからフレームを作成
全てのレイヤーを1枚ずつフレームにする。Photoshopでアニメーション用の多重レイヤーを作り、ImageReadyに切り換えて本メニューでフレーム化すると作業が速い。
なお、本メニューはアニメーション作成の最初の段階で使うメニューであり、すでにいくつかのフレームを作成している場合は、本メニューは使えない。

フレームをレイヤーに統合
全てのフレームを1枚ずつレイヤーにする。
「統合」というより単に「フレームからレイヤーを作成」でいいのでは・・?

各新規フレームにレイヤーを作成
ONにすると、新規フレームを作成した場合、そのフレームに応じたレイヤーが同時に作成される。なお、このメニューは後からONにしても反映されないので、新規フレーム作成前にONにする。

すべてのステート/フレームで表示される新規レイヤー
ONにすると、追加した新規レイヤーを全てのフレーム(またはステート)で表示する。OFFにすると、新規レイヤー追加時に選択していたフレーム(またはステート)でしか表示しない。

なお、 本メニューはロールオーバーパレットのパレットメニューにもある。