王子の憂鬱2




あ〜昨日は最悪だった・・・


無理矢理英二先輩にカラオケに連れて行かれて、そこで乾先輩と二人で越前の彼氏には手塚だ!桃だ!って一体なんなんだ・・・

おかしいよあの二人・・

大体一緒について来た、副部長も海堂先輩も最初のうちはやめてやれよ!とか越前がかわいそうっスよとか言ってたのに、

英二先輩の『大石は眼鏡が好きなんだよね〜』の一言で副部長は動揺して話にならないし、

海堂先輩も乾先輩の『やっぱり桃が気になるのか?』の一言で黙っちゃうし・・・役に立たないよなホント・・・っていうかあんなので関東大会大丈夫か?

乗り切れるのか?マジやばいんじゃないの?まぁ・・あんまり考えても仕方ないけど・・・俺には関係ないし!

それより今日は掴まる前に絶対に帰ってやる!!



「おい!越前!話って何だ?」



うわっ!?桃先輩?



「なんっスか話って?俺話なんて何もないっスよ!」



なんか嫌な予感がする・・・



「えっ!そうなの?乾先輩に『越前が桃に話がある』って言ってたって言うからさ〜俺はてっきりお前に何かあったのかと思ったんだけどよ・・・」



「いや・・別に何も無いっスよ!乾先輩の勘違いじゃないっスか?」



何企んでるんだ・・・



「そうなのか?まぁお前がそう言うんだから、そうなんだろうけどよ・・」

「そうっスよ!本人が言ってるんだから、間違いないっス!」



取り合えずここは何とか誤魔化せそうだな・・・



「じゃあそういう事で、俺帰りますから・・・」

「なんだよ越前!連れねーなぁ連れねーよぉ!帰るんなら一緒に帰ろうぜ!」



いいっ!!それはちょっと・・・このまま一緒に帰ったらヤバイ気がする・・・



「いやっ今日は・・・」

「越前!取り込み中悪いが相談ってなんだ?」



ええっ!!部長!?



「なんっスか相談って?俺相談する事ないっスよ!」



すご〜く嫌な予感がする・・・



「そうなのか?ならいいんだが・・・菊丸に『どうしてもお前が俺に相談したい事がある』って言ってるから、早く行ってやれって言われてな急いで来たんだが・・・」



何考えてんだよ!あのネコヤロー!!



「いやっほんと相談なんてないっスから!英二先輩の勘違いなんじゃないっスか?」



もうここは早く誤魔化して帰るしかないな・・・



「じゃあ俺これで帰りますから!」

「ちょっと待て越前!」



なんだよ〜!呼び止めんなよ!!



「せっかくだ!途中まで一緒に帰ろう」



ハァ??何普段言わないような事言ってんだよ部長!!



「あっ!!ちょっと待って下さいよ部長!先に越前誘ったの俺ですよ〜!部長が取り込み中すまないとか言って話だすから、俺黙って待ってたんっスから!!」



出て来なくていいよ!桃先輩・・・!



「ああっそうだったのか。それはすまなかったな桃城・・では三人で帰ろう」



ハァ〜?何勝手に決めてんだよ!3人って!大体俺まだ一緒に帰るなんて言ってないし!



「部長!桃先輩!悪いんですけど、今日は・・・」

「越前は桃と帰るそうだ!先約だから仕方ないな。今日は諦めた方がいいぞ手塚」



うわっ乾先輩!!どっから出てきたんだよ!!



「なに言ってんのさ!!おチビは今日は手塚と帰るんだよ!!桃は海堂と帰ればいいじゃん!!」



ええっ?英二先輩まで!何考えてんだこの二人!保護者はどうしたんだよ!保護者は!! あっ来た・・



「こらこら英二!また越前がらみで絡んでるのか?もうやめとけよ!」

「乾先輩!あんたもいい加減あきらめたらどうっスか?」



おっいいこと言うじゃん!!



「「うるさい!!!」」



うわっ揃ってるよ・・・こんな時だけ気が合うのかこの二人は?



「とにかく・・・おチビは手塚と帰るの!!わかった乾?」

「いや・・・悪いが越前は桃と帰る事になっている」



うわっ火花散ってるよ・・・よく人の事でこんなに熱くなれるよな・・・しかし・・・



「どうでもいいけど・・・二人とも今はそれどころじゃないんじゃないですか?」

「なにがだよおチビ?」

「どういう事だ越前?」

「いや・・だから部長は副部長と桃先輩は海堂先輩と帰っちゃいましたよ・・」



あんた達が火花散らしてる間に・・・



「うわっホントだ!!大石〜!!待ってよ〜!!俺も帰る〜!!」

「海堂!!俺が悪かった!!ちょっと待ってくれ!!」



ハァ〜やっと一人になれた・・・

だけどこれであの二人が、大人しく引き下がるなんて事ないんだろうな〜勘弁してほしいよ・・・



「越前すごく楽しそうだね!羨ましいな!僕もまぜてよ」

「うわぁ不二先輩!何言ってんっスか?冗談キツイっス!!」



なっ何でこの人が出てくんだよ!



「冗談じゃないよ!なんなら僕が越前と付き合ってあげようか?」



不二先輩・・・めちゃくちゃ楽しんでるな・・・一番厄介な人に捕まったよ・・



「不二先輩!遊ぶなら他の人にしてくれません?」

「いやだなあ〜遊ぶだなんて!僕は本気だよ!フフッ・・」

「いや絶対うそじゃん!」



ああ・・早く帰りたい・・・

         


                                                                          END



前回の次の日の話です。相変わらずツッコミ上手の王子ですが、私生活は・・・ってしつこいですよね(笑)


この時の王子はまだ目覚めてないようですが、いつか王子も恋をするんですよね〜相手は決めてます。


なので大×菊にからめてまた書きたいと思います。たぶん・・・きっと。