菊丸英二という男






「くそっ!!英二の奴!!またわざとやりやがって・・・・」


俺 大石秀一郎のもっぱらの悩みはダブルスでコンビを組む菊丸英二の事だ。

英二と俺は中二の夏に英二からの告白をきっかけに付き合うようになっていた。

英二はいつも二人っきりになると甘えてくる。

そして俺の事が好きだと言ってくれる。

けど俺はまだ英二に好きだと言葉にしてやっていない。

どこかでブレーキがかかってしまうんだ・・・

その事を英二が不満に思っている事も、もちろんわかっていた。

そして今もわざと越前にくっついて俺の様子を見てる。

英二の奴俺がやきもち妬くのわかっててやってるんだ。

本当はやめろ!って声にだしたい・・・・けどやっぱり言えない・・・・

俺の理性がじゃまをする・・・

だって俺達男同士だろ・・・

もしこの言葉を口にしたら 英二はなんて言うだろうか?

あいつの事だからすごく怒った後に、そんなの関係ない!!って言うんだろうな・・

俺だって本当はそう思ってる・・・

思ったからこそお前と付き合うことにしたんだ・・・・

それなのに・・英二ごめん・・

俺なかなか素直になれないよ・・・

こんなに英二の事が好きなのに・・・・

もし自分から好きだって、抱きしめてしまったら・・・

もう後戻り出来ない・・・・

俺英二に何するかわからない・・・

ひどく傷つけてしまうかもしれない・・・・・・・



俺はそれが怖いんだ・・・・



今日も俺は理性と本能の間で揺れ動いている・・・・

英二は俺が本気で向き合うまで、ああやって俺を挑発するんだろうな・・・・

今日も明日も明後日も・・・・



取り合えず胃薬飲んでおくか・・・


                                                                          END





大石って不器用だと思うんですよ。特に感情表現とか・・・割り切るまでに時間がかかるタイプ。


という事でプロロ〜グはこんな感じになりました。