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あの空の向こうには、何があるのだろう。
私達の未来、過去、そして現実。
青い海と白い砂浜、ツンドラの大地に舞う粉雪。時をとめる安息の地。
希望と堕落、賞賛と殴打、やがて訪れる心の平安。
あの空の向こうには何がある。忘れがたい思い出、過ぎ去った人達、運命というまやかし。
あの空の向こうには、悲しみしかない。喜びに満ちている。
それでも私達は、遠い空をながめる。


 【あらすじ】
 「書評やコラムぐらいは自分で書いてよね」今日も、篠原勇作は、娘・玉枝に叱られる。
20年前に幼い娘(玉枝)を残して妻に逃げられ、その子育て奮戦記をまとめた体験的小説
が文芸新人賞と大賞に選ばれ、期待の新人作家?人生をスタートさせた筈だった。
それから数年後、鳴かずと飛ばずの貧乏作家暮らしを救ったのはマルチ作家「篠原まどか」
としてデビューした玉枝だった。
 しかし、勇作は、家計を支える玉枝の苦労や日々の叱咤さえもどこ吹く風とばかりに主夫?
稼業に専念する毎日。
おまけに近頃は交通事故で知り合った桂木遙に熱を上げる有り様。
遂に、玉枝の怒りが頂点に達しそうになった時、逃げた妻の娘・佐伯杏奈(勿論、父親は別!)
が篠原家を訪れる。
 杏奈が勇作に届けに来た紙袋の中身は? 
これは篠原家に嵐をよぶ予感?

出演者

篠原勇作  (古田敏之)
電話がありました。「一度、稽古見学に行きたいのですが?」どうぞ、どうぞと返答。「年配の方はメンバーにいますか?」「大丈夫、私が40歳後半ですから」「いえ、私はもっと・・」「???」あれから3ヶ月。彼の懲りない奴等への加入で稽古場が明るくなりました。今日、中年パワー全開で、夢幻塾デビューです!

篠原玉枝  (小林理恵)
高校生の頃から夢幻塾に参加。初舞台はいつだった??ぐらいベテランになりました。昨秋の東京公演を経験した役者でただ一人の出演者。新人、おじさん、悪がき、呑兵衛、懲りない奴等に囲まれ、遠い空初夏公演に続き、夢幻塾の看板を背負って舞台に立ちます。

桂木遙    (奥村泰子)
  劇団結成二年目の野外劇「少女戦士の夏物語」が初舞台。あれから幾年。当時は中学生だった彼女も立派な大人になりました。「遠い空」初夏公演を観た後、懲りない奴等の仲間になってくれました。今日、夢幻塾の舞台に再デビューです!

佐伯杏奈  (白川杏梨)
  「遠い空」早春公演の看護婦役で初舞台。今春高校を卒業し、今は料理の勉強に、毎朝早起きで京都へ通学中。学業に遊びにと多忙な日々の中、懲りない奴等の仲間になってくれました。目指せ、中華の鉄人!でも好き嫌いは直せよ。

神宮寺     (神宮寺拳) 
  「遠い空」早春公演の検察官役で初舞台。初夏公演に続き、シリーズ全作に出演。西東京市出身で、学生時代を奈良市で過ごし、本当は都会派の懲りない奴等の筈ですが?芸名は座長直々の命名です。民営化で揺れる郵政公社勤務です。


スタッフ
脚本・演出    かぜ  わたる              舞台監督      山嵜明子
         尾崎耕介 辻本 長    音響・効果    中島 佳昭
        中嶌製作所                  メイク        福嶋  佐智子
          中嶌正人 小川孝子  
挿入歌「時のはざま」      福永博子作 

人様に自慢できるような立派な大人にはなれなかったけど雨上がりの爽やかなひと時を   愛しい人と過ごすようにおいらは、この湖畔の片田舎で「懲りない奴ら」と物語を紡ぎつづけたいと思う。

    秋公演・遠い空第3弾にご来場いただき、誠にありがとうございます。ほんと、嬉しいです。感謝!感謝!の雨あられです。おいらのように丸9年も劇団やっていると、公演前になると友人との付合いが減ります。稽古が忙しいからではありません。「来れるようだった受付で精算してくれたら・・」と、似合わない営業スマイルで無理矢理チケットを握らされるからです。とりあえず預けておいて、使ったら精算。まさに富山の薬売り商法です。これは何度も通用しません。  それでも、いよいよ今日が晴れの公演日です。天気も上々です。とても幸せな気分で、義理も人情も仕事も踏み越えて、最寄りの駅もなく、バスも19時以降は走らない片田舎の町営ホールへお越し下さった神様(=お客様)へ、一言口上申し上げます。
 今年の年明けに抱いた諦念(=定年?)と、まだ現役でやれる!との葛藤の中〜家族は前者を内心では期待していたようですが〜おいらが辿り着いたのは演劇実験室「遠い空」でした。それは、北近江の町営ホールでの四季連続新作公演の試みです。早春から初冬まで〜その公演で出会った<懲りない奴等>とだけ共有できる作品。今までの夢幻塾制作のように、ネタが面白いからリメイク、会場移動。たはまたキャステイングを変えての再演といった助平根性を排除することでした。
 劇団という組織を守ることを大事にするのではなく、劇団公演を大切にしたい! 我が町にホールができた時の静かな決意の再確認でもありました。夢幻塾の<かぜ>のリアルタイムの感性と劇団仲間の本気・情熱が観たいなら、この町に来るしかない! と言われるようになりたい。でも、その思いを頓挫させるまいと、いつもながら胃がキリキリの日々を過ごしました。う〜ん、「蒼き刻」の公演前に稽古場で崩れて、その夜に救急車→一週間入院もありました。さすがに、あの時は反省もしましたが、それほど長続きするわけもなく・・今も、吊り橋の真ん中〜もう、行くも戻るも命がけ?? を楽しんでいます。 本日、ご来場いただいた方には、あまりの寒々しい客席で落胆されるでしょう。おまけに、公演毎に上演時間が短くなり、とうとう今回は50分を切りそうで? これは?曜日サスペンス劇場よりも短いわけで、これで入場料を頂くのですから・・心苦しい限りです。
 でも神様が許してくださるなら、おいらは、これからも北近江の地で、出会い、すれ違い、別れ、再会を繰り返しながら、いつも支えあえる「懲りない奴等」と物語を紡ぎ続けたいと願っています。 ほんと、今日は有難うございました。