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〒624-0923 京都府舞鶴市魚屋240-9

排便障害

 2014年6月から12月末までの6ヶ月間に高頻度で行った症例を紹介します。
 排便障害とは便秘だけでなく下痢も含めたものをいいます。「なんだ?便秘か」と鼻で笑う方もいるでしょう。しかしほとんどの消化管(胃や腸)の疾患で排便障害を伴っていることを知っている方は少ないと思います。
 また、便の状態を知れば健康状態をある程度知ることができます。目に見える健康のバロメーターです。それでも鼻で笑う話でしょうかね?ばっちい話ですかね?ご興味ある方は以下をお読みください。以下、随時更新していきます。


ケース 1 70歳代 女性 

 10代の頃より便秘。5日間排便が無い場合に下剤を使用。冬場は特に便通が悪くなり、下剤を使用しないと排便できない状態。8か月前より三世帯同居が始まり更に出が悪くなり当方へ相談を受ける。病院の診察にて胃や大腸その他の病歴は無く、直近の検査でも異常はみられなかった。
 当院ではストレス性の問題も加味し、ストレスの緩和と胃腸の調整を行う。同時に決まった時間に便座に座る習慣をつけてもらう。5回の鍼治療で毎朝出る状態を維持されている。もともと他のことで通院されていたのもあり、これほど早い安定が得られたのだと推測する。ストレス性の問題はあるので盆・正月など家人が家に長く居る場合は出が悪くなる。ま、人間ですからね。でもそれがわかれば対処もありますね。


ケース 2 50歳代 女性

 出産を機に便秘となり、仕事のストレスとも重なり最長一週間排便が無い時もあった。胃や大腸その他の病歴は無い。排便時に相当にいきむ習慣があり、時に頭痛を伴う事もあるらしい。治療開始後2週間でほぼ毎日排便できるようになった。現在は6か月を経過しているが下剤は不要になり排便時にいきむことなく排便できている。

ケース 3 70歳代 女性

 物心ついた時からずっと便秘に悩まされておられ、下剤の使用歴は50年を超えるそうです。通常3日に一回排便があるのがその方のペースだそうですが、5〜10日出ないこともあり治療を開始。
 遠方の方なので2週間に一回程度の通院であるが開始直後から排便がスムーズにあり、いつもなら硬い便が出て、肛門が切れて出血する。それが治ってくると肛門がムズムズ痒くなり座っていられないほどの不快感があった。それが嘘のようにツルっと出るようになり出血もないとのこと。諦めていたが辛い不快感が無くなったのは本当にうれしいとのこと。
 現在も1〜3日に一回の排便を維持されている。正月など多忙な時期も軟らかい通常の便が出ているそうです。

ケース 4 80歳代 男性

 大腸がんの手術後から便秘となり下剤を使用するも軟便と排便回数の多さ(平均5〜6回)に悩み、おならを出しながら生活しているような状態に困り果て来院。5回の治療で普通便が出るようになり、排便回数は1日に1〜2回に落ち着いている。ガスも食べ物に気をつければそれほど出なくなっているそうです。

 *大腸がんをされているので、下剤は中断することなく使い続けていただいている。以下の大腸がんの方も同じです。

ケース 5 60歳代 男性

同じく大腸がん後に便秘となり、下剤を使用。軟便や下痢に近い便と排便回数の多さに悩み来院。3回の鍼灸治療で普通便が出るようになった。検査入院中につき鍼灸治療は中断。

ケース 6 90代 男性

 大腸がん後に便秘。7回の鍼灸治療で毎朝決まった時間に出るようになった。不眠症もあるので眠れなかった日は出が悪いが、「するっ」と出ると本当に気持ちがいいとのこと。
 現在は3週間に一度の鍼灸治療。正月明け早々から「ええのが出てますわ〜」との声が治療室に響いた。


当院コメント

 なぜか便秘と下痢に悩む方が来院されるケースが多かった。鍼灸治療が便秘や下痢の改善に効くとは昔からいわれていたが私が知る範囲で具体的な統計が無いままであった。そして効いたと証拠も残せないままであった。
 当院ではより具体的な方法で鍼灸が介入することで排便障害に効果やその期待がもてる領域があるということを示すために表をつけていただきます。いまだベストな方法とは言い難いですが、証拠を残せるという意味では大きな礎になると思います。
 2015年に入ってからも2名の方が便秘で通院を開始されています。今後も随時更新していきます。

                                         更新日 2015.1.21



ケース 7 60歳代 女性

 便秘と腰痛で来院。一回目の治療後からスッキリと出るようになったとのこと。お大事に。


ケース 8 70歳代 女性

 下剤が無いとお通じが無いとのこと。
 当初は腰痛と股関節痛で来院されていたが、色々話すうちに治るならしてほしいと要望があり治療を開始。
 
 現在、下剤は服用中だが、軟便よりも水溶便に近かった便に形が出てきた。排便時や排便後のお腹の張り感や腹痛が減っているとのこと。

                                         更新日 2015.4.1


ケース 9 40歳代 女性

 長期に渡り便秘となられている方。下剤を使用しないと5日間は排便が無いそうです。
 残念ながら、この症例に対しては鍼灸治療は効果を発揮できなかった。理由として鎮痛剤や精神科の薬などを服用されていたことも要因ではないかと推測される。鎮痛剤や精神科の薬を服用されていても便秘が改善される例は複数あるので、お薬との相性なのかどうかは今後の課題である。
 


ケース 10 60歳代 男性

 50歳ぐらいから便秘となり、運動をすると排便があったが、最近になって運動をしても排便が無く、出ても残便感ありスッキリしないとのこと。下剤は服用したことが無いそうです。
 三回目の治療の際に、「出た。すごいのが出た!」と破顔一笑でした。
 
 実はこの方はあることで足を切断されています。ですから治療は、片方しかできません。しかし、片方だけの治療で効果がありました。これは鍼灸治療の特徴のひとつである体性ー内臓反射と上行性脊髄反射を利用したものです。いわゆる自律神経反射と呼ばれるもので鍼灸の効果として広く認められているものです。


ケース 11 60歳代 女性

 ある病気で鎮痛剤を服用するようになってから、便秘となられた。
 前出の例から「薬で便秘になる例もあると思うのでドクターに相談してみてください」とお伝えし、病院にて薬の処方を変えられました。「5%の人に副作用として便秘になるらしいよ。薬を変えてから出てるし調子がいい」とお話されていました。
 
 二ヶ月間の中断を挟み、来院された時には再び便秘となられていたためようやく鍼灸治療の介入。1ヶ月半で通常便が出るようになり、残便感もないとのこと。


ケース 12 50歳代 女性

 便秘と下痢を交互に繰り返す方。内科的には異常なし。
 鍼灸介入直後から排便があるようになり、下痢回数が激減。当初出るようになったのを喜ばれつつ「キレが悪い。拭くときにベタつく」とのこと。数週間後にはきれいな普通便となり、現在4か月が経過しているが、お盆やGWなどを除けばほとんど毎日普通便の排便がある。
 



ケース 13 50歳代 女性

 内科的には正常。しかし腰痛、膝痛、首の痛みと便秘にて来院されました。
 硬い便が多く2〜3日に一回、もしくは夜中に強烈なさしこみが来て3回ほどトイレに駆け込むそうです。
 出ないときは○オフェルミンを服用し排便するとのこと。
 
 鍼灸介入後は硬い便は減り、夜中のさしこみは無いとのこと。ただ家族間での悩みが出てくると途端に便秘となり下剤を服用する状態となる。一進一退ではあるが、下剤の使用頻度は概ね月に1〜2回程度に減っており、患者さんからも「及第点やな」といただいています。



                                        更新日2015.9.2


ケース 14 50歳代 女性 

 この3~4年間、便秘となる。「トイレに行きたい」と思うタイミングで電話や来客があり、気がつくと昼になっていたり夜になってそういえば行っていない。いわれてみれば2日間出ていない、いや3日やという状態が続いているそうです。

 鍼灸治療を行いつつ「朝、必ず便座に座る習慣を作ってください」とお願いした。2回目の治療後から排便があるようになり、4ヶ月経過した現在もほぼ毎日出ている。


ケース 15 50歳代 女性 

 出産後から便秘になったそうです。よく聞くとその前からかもとのこと。3~4日に1回しか排便が無く「薬飲もうか、浣腸しようか、鍼をしようか」と悩んだ挙句、鍼を選択されました。

 2回目の治療開始の段階で「出た!」でも「キレが無い!」とのこと。他の症状もありましたので、週に1回の施術を11回。2~3週間に1回の施術を9回。この間、およそ7ヶ月間。ほぼ毎日排便がある状態を維持できている。


ケース 16 70歳代 女性 

 神経が細くて嫌なことや神経を使う事があると、すぐお腹に来るそうです。下痢は多い時で、1日に5回ほど。平均3回だそうです。

 鍼灸介入後すぐに、形がある便や軟便が多くなり、下痢は1週間に1〜2回。1日の排便回数も1〜2回となった。しかし喜んだのもつかの間、内臓の病気で2ヶ月間入院され、退院後に様々な身体の異常と心の落ち込みと夕方になると胸がざわつくといった自律神経症状と「便秘」になられました。
 
 辛抱強く通院され、急に熱が上がるとか胸がざわつくといった症状は改善されました。(もちろん病院で検査も受けていただいて異常は見当たらないことは確認済みです)
 下痢から便秘へと症状が変化されましたが、こちらも排便一日に1回。たくさん食べた日や外出した日は2〜3回行くこともあるがまずまず安定しているといただいています。



ケース 18 20歳代 女性 

 10代の頃から便秘があり、「石の様に硬い便が邪魔をしている感じ」だそうです。

 週に1回の施術をしていくと、月経周期とも関係があることが読み取れました。月経周期も28日から35日間と差がありましたが、そのサイクルも今は30日±2日となっています。


ケース 19 60歳代 女性 

 3日間に一回排便がある方。下腹部の病気が見つかり手術をされましたが、その後から更に出が悪くなったそうです。ご本人は「命を救われたから、便秘ぐらいはよいわ」と思われていたそうですが、さすがに1週間も排便が無いと不安になられ、たまたま腰も痛いしと当院へ来院。

 週に一度の通院を続けていただき、「毎日排便がある」「朝、ちゃんと出る」とのこと。
 現在は月に一度の通院を継続され、排便も毎日あることを確認している。



                                       加筆日 2016.2.17


2016年分

ケース 20 70歳代 女性 便秘と下痢を繰り返す 

寒い日や感情の起伏が激しい日は下すそうです。付き合いのいい人、気を遣いすぎの人に見られる傾向ですね。自律神経の調整を行い現在は一ヶ月間に3日ぐらい下すという状態を維持できている。



ケース 21 50歳代 男性 下痢 

1日に4〜5回下痢をされる方。
糖尿病があるにもかかわらず、いつも甘い缶コーヒーの匂いが・・・。過剰な糖質や乳脂肪の摂取で下痢をされている可能性が高いですね。ただご本人にその自覚が無い場合は、医師であれ誰であれどうにもできないです。
 


ケース 22 70歳代 女性 便秘 

便秘とのことであったが、ある病気で食欲が無く食事量が少ないのではないか?そのために「出ないのではなく、出るものが無いのではないですか」と尋ねると「そうかも」とのこと。
ここから先は病院の仕事ですね。

その後、時々、当院へも通院いただきてます。だんだんしっかりしてこられています。表情も少しずつですが、出てきておられます。お孫さんお話をされている時がとても朗らかな顔でお話されるようになりました。


ケース 23 50歳代 男性 便秘 

単身赴任で仕事も忙しく、食事の時間もバラバラとのこと。主訴は別の問題であったが、どうせなら全部治療しましょうと提案し了解をいただいた。

条件は出ても出なくても、朝、便座に座る。これだけです。
「出てます」とガッツポーズ!?も決まりましたね!


ケース24 30代 便秘 

出産後から便秘となり、トイレでいきむと出痔になる方。
便秘薬を飲んでおられたが、将来的には飲まなくても出るようになりたいとのこと。

週に1回の治療を7回、変化なし。8週目に入り薬なしで週に2回出た。12週目に入り週に4〜5回排便があるようになる。その後8週にわたり薬を服用することなく、排便が出来るようになり、痔も出なくなったそうです。
*薬を飲まないことが必ずしも理想とは限りません。ご了解願います。


                                          2016年 了


                                            


















岸本はり灸院ビルダークリニック

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