残念ながら、この症例に対しては鍼灸治療は効果を発揮できなかった。理由として鎮痛剤や精神科の薬などを服用されていたことも要因ではないかと推測される。鎮痛剤や精神科の薬を服用されていても便秘が改善される例は複数あるので、お薬との相性なのかどうかは今後の課題である。
50歳ぐらいから便秘となり、運動をすると排便があったが、最近になって運動をしても排便が無く、出ても残便感ありスッキリしないとのこと。下剤は服用したことが無いそうです。
三回目の治療の際に、「出た。すごいのが出た!」と破顔一笑でした。
実はこの方はあることで足を切断されています。ですから治療は、片方しかできません。しかし、片方だけの治療で効果がありました。これは鍼灸治療の特徴のひとつである体性ー内臓反射と上行性脊髄反射を利用したものです。いわゆる自律神経反射と呼ばれるもので鍼灸の効果として広く認められているものです。
内科的には正常。しかし腰痛、膝痛、首の痛みと便秘にて来院されました。
硬い便が多く2〜3日に一回、もしくは夜中に強烈なさしこみが来て3回ほどトイレに駆け込むそうです。
出ないときは○オフェルミンを服用し排便するとのこと。
鍼灸介入後は硬い便は減り、夜中のさしこみは無いとのこと。ただ家族間での悩みが出てくると途端に便秘となり下剤を服用する状態となる。一進一退ではあるが、下剤の使用頻度は概ね月に1〜2回程度に減っており、患者さんからも「及第点やな」といただいています。
更新日2015.9.2
ケース 14 50歳代 女性
この3~4年間、便秘となる。「トイレに行きたい」と思うタイミングで電話や来客があり、気がつくと昼になっていたり夜になってそういえば行っていない。いわれてみれば2日間出ていない、いや3日やという状態が続いているそうです。
鍼灸治療を行いつつ「朝、必ず便座に座る習慣を作ってください」とお願いした。2回目の治療後から排便があるようになり、4ヶ月経過した現在もほぼ毎日出ている。
ケース 15 50歳代 女性
出産後から便秘になったそうです。よく聞くとその前からかもとのこと。3~4日に1回しか排便が無く「薬飲もうか、浣腸しようか、鍼をしようか」と悩んだ挙句、鍼を選択されました。
2回目の治療開始の段階で「出た!」でも「キレが無い!」とのこと。他の症状もありましたので、週に1回の施術を11回。2~3週間に1回の施術を9回。この間、およそ7ヶ月間。ほぼ毎日排便がある状態を維持できている。
ケース 16 70歳代 女性
神経が細くて嫌なことや神経を使う事があると、すぐお腹に来るそうです。下痢は多い時で、1日に5回ほど。平均3回だそうです。
鍼灸介入後すぐに、形がある便や軟便が多くなり、下痢は1週間に1〜2回。1日の排便回数も1〜2回となった。しかし喜んだのもつかの間、内臓の病気で2ヶ月間入院され、退院後に様々な身体の異常と心の落ち込みと夕方になると胸がざわつくといった自律神経症状と「便秘」になられました。
辛抱強く通院され、急に熱が上がるとか胸がざわつくといった症状は改善されました。(もちろん病院で検査も受けていただいて異常は見当たらないことは確認済みです)
下痢から便秘へと症状が変化されましたが、こちらも排便一日に1回。たくさん食べた日や外出した日は2〜3回行くこともあるがまずまず安定しているといただいています。
ケース 18 20歳代 女性
10代の頃から便秘があり、「石の様に硬い便が邪魔をしている感じ」だそうです。
週に1回の施術をしていくと、月経周期とも関係があることが読み取れました。月経周期も28日から35日間と差がありましたが、そのサイクルも今は30日±2日となっています。
ケース 19 60歳代 女性
3日間に一回排便がある方。下腹部の病気が見つかり手術をされましたが、その後から更に出が悪くなったそうです。ご本人は「命を救われたから、便秘ぐらいはよいわ」と思われていたそうですが、さすがに1週間も排便が無いと不安になられ、たまたま腰も痛いしと当院へ来院。
週に一度の通院を続けていただき、「毎日排便がある」「朝、ちゃんと出る」とのこと。
現在は月に一度の通院を継続され、排便も毎日あることを確認している。
加筆日 2016.2.17
2016年分
ケース 20 70歳代 女性 便秘と下痢を繰り返す
寒い日や感情の起伏が激しい日は下すそうです。付き合いのいい人、気を遣いすぎの人に見られる傾向ですね。自律神経の調整を行い現在は一ヶ月間に3日ぐらい下すという状態を維持できている。
ケース 21 50歳代 男性 下痢
1日に4〜5回下痢をされる方。
糖尿病があるにもかかわらず、いつも甘い缶コーヒーの匂いが・・・。過剰な糖質や乳脂肪の摂取で下痢をされている可能性が高いですね。ただご本人にその自覚が無い場合は、医師であれ誰であれどうにもできないです。
ケース 22 70歳代 女性 便秘
便秘とのことであったが、ある病気で食欲が無く食事量が少ないのではないか?そのために「出ないのではなく、出るものが無いのではないですか」と尋ねると「そうかも」とのこと。
ここから先は病院の仕事ですね。
その後、時々、当院へも通院いただきてます。だんだんしっかりしてこられています。表情も少しずつですが、出てきておられます。お孫さんお話をされている時がとても朗らかな顔でお話されるようになりました。
ケース 23 50歳代 男性 便秘
単身赴任で仕事も忙しく、食事の時間もバラバラとのこと。主訴は別の問題であったが、どうせなら全部治療しましょうと提案し了解をいただいた。
条件は出ても出なくても、朝、便座に座る。これだけです。
「出てます」とガッツポーズ!?も決まりましたね!
ケース24 30代 便秘
出産後から便秘となり、トイレでいきむと出痔になる方。
便秘薬を飲んでおられたが、将来的には飲まなくても出るようになりたいとのこと。
週に1回の治療を7回、変化なし。8週目に入り薬なしで週に2回出た。12週目に入り週に4〜5回排便があるようになる。その後8週にわたり薬を服用することなく、排便が出来るようになり、痔も出なくなったそうです。
*薬を飲まないことが必ずしも理想とは限りません。ご了解願います。
2016年 了