カワウ標識調査について

カワウを見ていると今の地球環境と人間の関係を見ているようでなんとなく気恥ずかしいような、悲しいような気になります。このカワウたちを、淡海のほとりに生きるものとして見守ってやらねばならない。そう思います。

琵琶湖のアユやモロコを食べるということで、滋賀県では毎年かなりの数が駆除されています。琵琶湖には1万から2万羽程度生息するのではといわれているこのカワウが、どれくらいの漁業被害を起こしているのか調べず駆除ばかりしているのは、大きな間違いであると思います。
銃の鉛弾問題も気になりますし、ますますこの問題から離れらない今日この頃です。
左は竹生島のコロニーの風景です。これではわかりにくいですが
目がエメラルドグリーンでとても美しいんですよ。

竹生島カワウ標識調査


これが竹生島(左)です。東側から見ると小山が二つくっついた形をしています。
よく見ると左斜面が裸地化しているのがわかるでしょうか?この部分もカワウのコロニーとなって木が枯れてしまった部分です。現在はこの部分より裏側(北西側)にコロニーの中心部が移っています。
島はこのような状況
(右)です。これは北側斜面(中心部近く)です。

コロニーで左上の写真くらいのカワウの雛に標識をつける作業をしてきました。右の写真のように右足に環境庁の金属リングそして黄色のコイルリング、左足にアルファベット2文字(2003年度までアルファベットと数字の入ったカラーリング(青地に白の字)をつけています。


2002年より装着したカワウのリングのリストです。見にくくてすいません。

  【2002年】
   2002年6月3日:P3、P4、P5 (合計3羽)
   2002年6月16日:U0、U1、U2、U3、U4、U5、U6、U7、U8、U9、V0 (合計11羽)
  【2003年】
   2003年6月14日:V1、V2、V4、V5、V7、V8、V9、W0、W1、W2、W3
             (合計11羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング)
   2003年6月14日:V1、V2、V4、V5、V7、V8、V9、W0、W1、W2、W3
             (合計11羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング)
  【2004年】
   2004年6月6日:BA、BB、BC、BD、BE、BF、BG、BH、BJ
             (合計9羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング)
   2004年6月10日:BK、BL、BM、BN、BP、BR、BS、BT、BU、BV、BW、BX、BY、BZ、CA
             (合計15羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング)
   2004年7月14日:CC、CD、CE、CF、CG、CH、CJ、CK、CL、CM、CN、
           CP、CR、CS、CT、CU、CV、CW、CX、CY
             (合計20羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング:CBは使用せず)
   2004年7月21日:CZ、DA、DB、DC、DD、DE、DH、DJ、DK、DM、DN、
           DS、DT、DW、DX、DY
             (合計16羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング
                  :DF、DG、DP、DR、DU、DVは使用せず、DLは後に使用)
   2004年7月28日:JA、JB、JC、JD、JE、JF、JG、JH、JJ、JK、JL、JM、JN、
           JP、JR、JT、JU、JV、JW、JX、JY、JZ
             (合計22羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング:JSは使用せず)
   2004年8月4日:KA、KB、KC、KD、KE、KF、KG、DL、
           EA、EC、EE、EG、EJ、EK、EL、EM、EN、EP、ER、EU
             (合計20羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング
                  :EB、ED、EF、EH、ES、ETは使用せず)
   2004年8月11日:EV、EW、EZ、FF、FG、FK、FN、FU、FV、
           KH、KJ、KK、KL、KM、KN
             (合計15羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング
                  :FA、FB、FC、FD、FE、FH、FJ、
                   FL、FM、FP、FR、FS、FTは使用せず)
   2004年8月21日:KP、KR、KS、KT、KU、KV、KW、KX、KY
             (合計9羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング)
  【2005年】
   2005年7月2日:LJ、LK、LL、LM(合計4羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング)
   2005年7月11日:LN、LP、LR、LS、LT、LU、LV、LW、LX、LY、LZ、MA、MB、MC
             (合計14羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング)
   2005年7月19日:MD、ME、MF、MG、MH、
           TA、TB、TC、TD、TE、TF、TG、TH、TJ、TK、
           TL、TM、TN、TP、TR、TS、TT、TU、TV、TW
             (合計25羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング)
   2005年7月29日:TX、TY、TZ、
           UA、UB、UC、UD、UE、UF、UG、UH、UJ、UK、
           UL、UM、UN、UP、UR、US、UT、UU、
           VB、VC、VD、VE、
             (合計25羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング)
   2005年8月3日:UV、UW、UX、UY、UZ、VA、VF、
           VH、VJ、VK、VL、VM、VN、VP、VR、VS、
             (合計16羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング)
   2005年8月20日:VG、VT、VU、VV、VW、VX、VY、VZ、SW、
           WA、WB、WC、WD、WE、WF、WG、WH、WJ、
             (合計18羽、右脚に金属リングと黄色コイルリング)

みなさんにお願いします!カワウのカラーリングをさがせ!!
見つけた方メールでこちらまで連絡をお願いします。

今年は100羽以上の個体を標識放鳥しています。まだまだこれからあちこちで記録があるはずです。

これまでの竹生島の標ッ鳥(カワウ)の移動

標識日時 カラーリングNo 発見日時 発見場所
2002年6月16日 U2 2002年8月25日 愛知県豊橋市紙田川河口
2002年6月16日 U0 2002年9月30日 広島県佐伯郡吉和村立岩貯水池
2003年6月14日 V5 2003年10月17日 東京都中央区恩賜浜離宮庭園内
2003年6月14日 W2 2004年2月17日 栃木県真岡市井頭公園
2004年8月4日 EJ 2004年10月14日 静岡県湖西市鷲津浜名湖

今までの記録:2004年度までの記録

◎2004年10月14日静岡県湖西市鷲津の浜名湖で今年8月4日に標識放鳥されたひなEJが死体で回収されました。

◎2003年10月17日東京都中央区恩賜浜離宮庭園内で、東京都の浜離宮から環境省へ連絡がありました。死体回収した個体に竹生島のリングが着いていました。その後、2004年2月17日に栃木県真岡市から観察情報が飛び込みました。竹生島のカワウは栃木にまで渡っているようです。この記録はカワウの分散記録の最長距離ということになりました。この分散が、駆除によるものなのか、もともとこういったことは行われているものなのか本当に興味深い結果です。
いずれにせよ、今年は竹生島には1回しか渡れず、結果としては11羽のみという結果でしたが、そのうちの2羽がこのような移動を行ったと知り、標識の重要性が極めて高いということが改めて確認できました。

◎2002年825日愛知県豊橋市紙田川河口で青の「U2」!無事巣立った個体が愛知まで飛んでいきました。この個体は、6月16日に竹生島のコロニー内の巣で標ッされた個体です。過3例カラーリングによる標識調査で琵琶湖から愛知への移動が確認されていますが、いずれもその年の内に愛知へ移動しています。琵琶湖のコロニーの個体群が知多半島から来たとして(あくまで仮説ですが)、移動の時期になると元来たコロニー(個体群)へ一度戻ることが本当なのかどうかこの3例はかなり考えさせられます。
ちなみに、兵庫県の昆陽池のカワウのコロニーで今年標ッされた個体はそのまま今年の夏、湖北町の水鳥湿地センターで観察されています。そうなると、昆陽池も琵琶湖起源・・・・、うぅぅぅぅぅぅん考えさせられますなぁ。
そうこう言ってたら、今度は、愛知川で昆陽池で着けられた「N7」が観察されました。うううん。

2002年930日広島県佐伯郡吉和村 立岩貯水池(R口・島根との県境)で「U0」
愛知と同じく616日に標ッされた個体です。やはり、西側からも記録が出てきました。しかし、R間部のダム湖に出現とはかなり広がって移動して増すねぇ。

詳しい記録や2005年度以降の記録は大阪自然史博物館の和田さんのホームページへ

昆陽池の調査
同様の調査を兵庫県にある昆陽池のコロニーでも調査しています。その模様とカラーリングについて、その後の移動調査に関しても詳しく調査されています。上のHPから見れます。


昆陽池から琵琶湖へ
琵琶湖水鳥湿地センターの前で、M2・愛知川河口でN7のリングをつけた若鳥が観察されています。この個体は、今年生まれの個体で昆陽池で標識された若鳥です。琵琶湖で巣立った若鳥がその年のうちに琵琶湖に現れます。驚きです!!