□□□□□□  ザ・キット屋サンバレー試聴会 2007大阪 □□□□□□



・ザ・キット屋サンバレー試聴会(2007/09/22)


昨年、初めて真空管アンプキット通信販売の 『 ザ・キット屋 』 の試聴会に行きましたが、今年も新作を引っ提げて開催されていましたので予定ビッシリの3連休の初日の午前中、慌ただしいくも出掛けてきました。
会場外観 【会場】
場所は新大阪駅の西にある 『 ガーデンパレス 』 と言うシティー・ホテルです。
駅から徒歩で10分くらいでしょうか? 送迎用のピストンバスが用意されていますが、自分は交通費節減? のために通勤から北海道ツーリングまで全てこなすスーパーカブで行きました。 自宅から約30分くらいでしょうか? 梅田まで出れば新御堂筋で一気に行けます。
昨年はゴルフ場のクラブハウスを貸しきって行なわれました。 確かかなり縦長な部屋の印象がありましたが、今回は事前予約制でもあったので部屋自体は少し狭い目ですがスクエアなこじんまりとした一室です。
昨年同様、視聴用のCD、レコードの曲目リストと販売商品カタログ、来場記念のオリジナルトレーナーを戴きました。 商品の試聴が出来ることもそうですが、曲目リストとディスクの商品品番が記されていますので気に入った曲が何なのか解るところがありがたいです。



オリジナルスピーカーのウインズタイム 【ウインズタイム】
『 キット屋 』 ではアンプ以外にスピーカーも販売しています。 ALR/JORDAN製の完成品や、ハセヒロのキットで板を重ねて作るバックロードホーン、日本ビクターのウッドコーンスピーカーキットのチューニング・バージョンなどがあるのですが、キット屋とタイアップして全くイチから手作りでエンクロージャー ( スピーカーの箱 ) を作り、単品或いはスピーカーユニットとセットで販売している商品もあります。
信州乗鞍高原にあるペンション 『ウインズ』 のオーナーが本業の合間に木工を駆使して作られるエンクロージャーも古典的な米松合板のオーソドックスな 『 米松製ウエスタンエレクトリック指定箱 』 や、ホワイトオーク製のウイスキー熟成樽のリサイクル材で作った 『 樽スピーカー 』 など、よくある合板で箱を作って木目調のビニールシートを貼った一見キレイなエンクロージャーとはちょっと志向の異なるものです。 どちらかと言えば本来の音や質追求型で見栄え優先ではない、スペック的にはメーカーには敵いっこないのでしょうが、手作りの温かみを残す 『 良い音 』 を感じさせるものがあります。 この日もALTECのスピーカーユニットで鳴らす 『 米松指定箱 』 と 『 樽スピーカー 』 を中心にペンション業の合間に作る手作りスピーカーを紹介されています。



A7の25/38縮小版 【WS−825】
今回の目玉は映画劇場用スピーカー 『 ALTEC A7 』 の25/38縮小モデルです。 中学生の頃に12センチフルレンジユニットでホーン型スピーカーを自作したことがあって、ずっとあこがれのタイプです。
キット屋とタイアップしてオリジナルスピーカーを手作りしているウインズの新作。 劇場用スピーカーの 『 ALTEC A7 』 の忠実縮小モデルで、当然オリジナルユニットが無いので低域はTAMON、広域はフォステクスを使っています。 外観の 『 なんちゃって感 』 は否めませんが実際に聴いてみるとホーンスピーカーらしい押出し感、抜けが普通の平面バッフルとは随分違います。 フロントロードホーンのフレアー部分が随分手が掛かってるようで、多少木工をかじっていて加工や組立の難しさが解るだけに製作者である製作者、村瀬さんの興味津々の話も聞くことが出来ました。
左右セットで168000円だとか、確かに販売ベースではお安いものですが、これを何とかイチから自作できないものかとオモテはもちろん裏や内側まで写真を撮りまくってきました。



キット屋アンプ聞き比べ 【キット屋タイム】
2月に名古屋のオーディオフェアにも出掛けて行っているので、今回新作アンプを聴くことは無かったのですが、真空管別による進行、それぞれの個性がはっきりわかるプログラムになっていました。
まずは300B真空管対決? シングルのSV−91B、SV−501SE、モノーラルPPのSV−86B、ステレオPPのVP3000SE。
続いて845真空管。 SV2( 2007 ) 、SV38T、SV2PP.Ver2。
300BはVP3000SEの前モデル。 Ver.2を昨年購入して使っていますがSEの方がややあっさりとした感じがします。 スピーカーやプリアンプ、部屋の音響など異なる要素がかなり多くあるので一概には言えませんが・・・ さすがにキット屋のイチオシの91Bは音の厚みや濃さが際立っています。
845の方は自分自身SV2 ( 2007 ) の初回限定を4月に購入して数ヶ月で、既に聴き慣れてはいますが今回のデモの中で一番安価では有るものの音色の艶やかさは抜きん出ているようです。 家でもVP3000と時々つなぎ変えて聴いていますが、それぞれ個性が有るもののベースの効いたジャズ系は300B、ピアノやバイオリンの中高音は845が得意なようです。



新機種・発売予定機種 【新モデル】
今回の試聴会で新たに持ち込まれた新作アンプ。残念ながら試聴は無しでしたが、画像の手前から完全手配線SV−16K ( PCL86 ) と出力メータ付きのSV−17D ( 6V6−PP ) 、6080−OTLです。 これまで完全手配線のアンプは組立てた事が無いだけに、動作原理を知る上でもSV−16Kは気になる存在です。 寝室のサブアンプとしても使えそうなコンパクトサイズですが、既に3台の真空管アンプがリビングを占領しているだけに、手中になるのはいつの日か?
画像の上下に切れてしまっていますが、ビクターのウッドコーンスピーカーSX−WD5KITのネットワークと内部の吸音材をカスタマイズしたチューンドモデル。 実際に聴くことは出来ませんでしたが、ウーファーをフルレンジ的に鳴らすと言うアイディア、このサイズなら有りかも知れません。 元々キットのスピーカーを更にオリジナル化するのはキット屋さんらしいといえば頷けます。



試聴会会場 【試聴会を終えて】
昨年の4月半ばに初めて 『 ザ・キット屋 』 の試聴会に出掛けて以来、2台の真空管アンプを購入、3回の試聴会に足を運んだ訳ですが、大手大量生産メーカー品ならともかく、真空管アンプともなるとかなり趣味性や思い込みの強い商品です。 ましてや量販店で試聴など出来ることは有り得ず、聴きもしないで高価なものを買ってしまうことになりかねない訳で、元々メジャーなブランドではなく、特殊なLSIを用いる訳でもなく再現性が高いキットと言うことで比較的購入しやすい価格で、部品を交換したり多少は購入客でチューニングも楽しめる。
なかなかこのような商品、販売方法が珍しい訳ですが、アナログオーディオのニッチな分野、顧客の望んでいたところを突いて尚且つ安心感のあるオリジナル商品。 真空管アンプキット販売日本一と言うのも頷ける半面、団塊の世代のオーディオ回帰やアナログ再燃の時代に大きく成り過ぎないことも願わずに居られません。