アマチュア無線

無線機

社会人になって6年目だか7年目だか職場の親しい友人から何となく 『アマチュア無線免許を取ろうよ!』 って話になりました。
その頃(ちょうどバブル経済崩壊前の頃でしょうかね?)、冬になると 『職場スキーツアー』 が目白押し。人数が足らないと、他の職場からの誘いもあったりで年に何度もスキーに行くことが当たり前になって言わばブームです。
その頃、無免許で使える 『特小無線機』 が世に出てきた頃で、 『携帯電話』 など聞いた事も無い頃でした。
『無線免許要点暗記』 の丸暗記の本を中心に休日の職場の会議室を利用して2人で猛勉強の甲斐あって無事 『アマチュア無線技師』 になる事ができました。
学生の頃に取った 『ガス溶接従事者免許』 以来の国家資格の取得です。

現在のアンテナ群
 自作29MHzデルタループ
 市販改造430MHz−6EL八木
 市販144/430/1200MHzグランドプレーン

使い古しとも言える再割り当てに頂いたコールサインは友人とは続きにはならず 『JF3HWD』 と言うコールサインを頂きました。
たった6文字の並びの文字ですが、 『J』 は日本、 『3』 は関西地方とわかる人にはわかる世界中でたったひとつの住民票か背番号の様なものです。
「ホネティクスコード」 と呼ばれるそれぞれの文字の頭文字を相手に解りやすく伝えるための手段(よく言う 『いろはの 「い」 』 の様な言い方で言えば、 『ジュリエット・フォクストロット・スリー・ホテル・ウィスキー・デルタ』 と言う、ホテルに居る3人がアル中だ!みたいな呼び方になります。(後々 『デルタ』 が遠距離や雑音が多いなど通信困難な相手に伝わりにくく苦労しました)
免許取得前に購入した無線機であったが無駄にはならず、やっと手に入れた無線と免許状は友人とのスキーや複数の車でのドライブに欠かせないアイテムになりました。最初に手に入れた無線機は 『STANDARD C−520』 のハンディートランシーバーです。




■■■ 無線機(リグ)の紹介 ■■■

STANDARD C520 【STANDARD C520】
最初に買った小型のハンディトランシーバー。 今みたいに携帯電話が無い時代なのでスキーや複数の車同士の連絡に使う為のレジャー用が目的でした。 当時は144/430MHzのデュアルで小さいと思いましたが今なら半分の大きさで3バンド対応のものがあります。不特定多数相手のCQを出すと送信時間が長くなり送信出力や受信感度が落ちるので自作で放熱板に仮固定しファンで冷やすなど工夫していました。 もう不動ですが直すかも?と今でも残っています。 たった5Wでも自作した釣竿のアンテナに繋いで大阪は南部を除けば、ほぼ網羅出来、奈良や神戸、京都とも交信出来ました。

KENWOOD  TM−832 【KENWOOD TM−832】
430/1200MHzのFMモービル機。元々TM−732と言う144/430のモービル機を車載用に買ったのですが、後日HF〜144MHzのリグを車載用に購入し144がダブるので下取り追金で購入。 パネルセパレートで操作部はハンドル右側のウインカーレバー奥に、本体は座席下に取り付けていました。 車を乗換えた現在は固定機として使用しています。

TRIO  TS−780 【TRIO TS−780】
144/430MHzのオールモード固定機。430がメインバンドでアクティブになった頃、FM以外のSSBにも出たくなりちょうど先輩局が中古を安く譲ってくれたので購入。 SSBに出たり固定機ならではの安定出力、機能で遠距離通信を可能にしました。 最高はFMで静岡県、SSBで栃木県まで交信出来ました。25×2のアンテナと直下プリアンプのおかげですが…
なにぶんTRIOの時代の無線機で現在は故障したまま不動ですが手放せません。

ICOM IC−706 【ICOM IC−706】
HF〜144MHzオールモードの車載機です。小型のHF機の草分けです。 車載用に購入、パネルセパレートで操作部はインパネに、本体は座席下に取り付けていました。最盛期は2台のリグで7、21、29、50、144、430、1200と5本のアンテナを立てて家より多くのバンドを楽しんでました。 深夜の長距離ドライブでは話し相手に事欠かず、居眠り防止です。

KENWOOD  TS−690 【KENWOOD TS−690】
HF+50MHzの固定機です。 直接伝播するUHF以外に電離層反射で遠方と交信出来る低い周波数も運用したくなり購入。 アンテナ切換器にて色んな周波数バンドに出る事が出来ました。 29や50MHzでよく運用したおかげで遠方の仲間がたくさん出来ました。
上に乗っているのはオーディオタイマー(アカイ製)でおやすみタイマー代わりです。


■■■ 空中線(アンテナ) ■■■

29MHz 1エレメントデルタループ 【29MHz1エレメントデルタループ】
50MHzでEスポが発生するよりも早くコンディションが上がり、音声も明瞭なFMで多少の長話も可能なバンドである(迷惑なようですが・・・)29MHzにQRVするため、専用アンテナを立てようと思い製作しました。
1エレメントと名づけていますが、実際はラジエーターのみと言った方が良いのかも知れません。 5.4mの安価な振出し式釣竿と塩化ビニールパイプ、アルミパイプ、ステンレスワイヤーと自作の4:1バランから成り、FMのバンド内(29.000〜29.300MHz)は全域SWR1.0と大変広帯域で28.000〜30.000MHzでも充分実用範囲内で1λループの有難みを体感できます。 1辺が3〜4mとかなり大きい逆三角形ですが、釣竿を用いたことによる先細り効果でそれ程トップヘビーにならず、強風でもしなることから大変丈夫で常置場所での8年間の使用でも給電部バランの接続線の破断を除いてノントラブルです。
同じタイプでコンパクトになる移動運用用を含めて数本製作し、10mFM愛好会のハンドメイド・サークルへの投稿もあって再現性の良さであちこちの局に製作していただけました。
 (私のコールサインと「デルタループ」で検索していただければ、今でもどこかの製作記事にHitすると思います)

50MHz3エレメントデルタループ 【50MHz3エレメントデルタループ】
デルタループアンテナに興味を持って最初に製作したアンテナです。
当初2エレメントでしたが、ゲインとサイド切れに欲が出てフロントにエレメントを追加しました。 エレメントは8mmと6mmアルミパイプの2本継です。 マッチングは75Ωの同軸ケーブルの芯線とアルミパイプによるコンデンサーマッチです。 固定用、移動用と製作し、ゲインと再現性にはその後QRVする他のバンドにも役立つものとなりました。
ただ形状的に逆三角形でトップヘビーである事から台風で整列していた各エレメントがズレたり、ひどい時にはバタフライアンテナよろしく8の字のようにエレメントが180度回転したりと強風にはどうしても弱いのが弱点です。 現在は下ろしてしまっています。
給電点近くに有るのは3.5/7MHzの逆Vアンテナ(7MHzはフルサイズ)です。

50MHz4エレメントデルタループ 【50MHz4エレメントデルタループ】
常置場所に上げた3エレメントデルタループの性能に気を良くして、4エレメントを製作しました。
3エレメントでは試作を兼ねて移動にも便利な様に軽量化を図ったため、エレメントはφ6の肉薄なアルミで元はと言えば2エレメントの延長品。 ブームも繋いだもので強度は充分と言えませんでした。
新たに4エレメントを製作するにあたって、約3メートルのブームは1本ものでエレメントも高強度アルミ(70系)を使用し、強度と性能の両立を図りました。 マッチングセクションは前回と同じ、75Ωの同軸ケーブルの芯線とアルミパイプによる同軸コンデンサマッチです。
当初は常置場所に上げようと思っていましたが、その頃は空中線の設備にローテーターも無くて方位固定ではビームの切れがアダになりそうで、もっぱら移動運用で活躍していました。
 (画像は大阪府四条畷市の小高い丘にある移動運用地でのアンテナ調整)

50MHz−J型アンテナ 【50MHz−J型アンテナ】
50MHzのバンドは固定局は水平偏波、モービル局は垂直偏波とグランドウェーブでの交信では偏波面の違いで受信しづらい事が良くありました。
144や430MHzの自作アンテナには同軸ケーブルで製作する 『J型アンテナ』 を良く見かけます。 製作費用も安くて結構ゲインもあるとの事なのでこれを50MHzに応用できないものかと多少の工夫を凝らして製作したのがこのアンテナです。 バランも不要で調整は給電点の位置を上下に動かすだけ。 目玉クリップで簡単に動かせるようにし、SWRが下がったところでタイラップで縛っただけです。 エレメントはアルミパイプの3本継ぎで並行する2本のエレメントはアクリル板3枚に穴を空けて接着剤で固定しました。
これは噂どおりのゲインでHB9CVの2エレメントの比ではなく耐久性も抜群で大変重宝しました。 実家を出てからは使用していませんが、またいつか上げてみたいアンテナです。


■■■ 番外(その他の機器) ■■■

クリエイトRC5A−2 【CREAT RC5A−2】
実家に居た頃、430MHz用のナガラ25エレ×2を手に入れたのと同時に購入したローテーターです。
これまで電波の飛ぶ方向はアンテナは手で回すか諦めるしか無かったですが、これが有れば鬼に金棒でした。 特に多素子アンテナのサイド切れ(横方向からの不要な電波をカットすること)が気持ちよく体感でき、モービルを追いかけたり結構楽しめました。 現在は鉄骨タワーと共に29MHz用のデルタループと430MHzの5エレ八木が乗っかっています。

YAESU FC700 【YAESU FC700】
現在ではオートアンテナチューナーが当たり前ですが、メーターを見ながら手動のダイヤルを回転させてマッチングをとる 『アンテナカップラー』 です。 実家で無線をしていた頃は3.5/7MHzのダイポールを上げていましたので、カップラーがあればHF帯は殆んどのバンドが 運用できました。ただひとつ困るのがバンドを変えるとダイヤルで調整し直さなければならないので格好悪いですがダイヤルの周囲には目印のシールが… ^ ^ ;

50MHz用アンテナカップラー 【自作50MHz用 π マッチ型アンテナカップラー】
50MHzの運用がアクティブになってくると同時に、自作機器のも興味が湧いてきました。
J型アンテナやデルタループなどアンテナの自作と共に、アンテナの共振周波数の調整や、帯域の広い50MHzではひとつ欲しいアイテムでもあったので自作しました。 144MHzの5/8λアンテナを50MHzの1/4λとして流用するためにモービル用を含めて大小ふたつ作りました。材料はエアタイトバリコン2つと銅線を巻いたコイルと簡単です。


【QSLカード】(交信証)
アマチュア無線では友人や同僚など既に知っている人と交信する以外に、全く知らない人と交信する楽しみがあります。
『CQ〜!CQ〜!CQ〜!』 が代名詞ですが、特定の人を呼ばずに 『どなたか交信できる方はいませんかぁ?』 と言う電波を受信している不特定多数の方に呼びかける事があります。 まあ暇つぶしのおしゃべり相手を探しているようなものですが、これが案外近所の方から応答してもらったり1000キロも離れた他府県であったり、時と場合や電波の種類によっては地球の裏側からカタコトの日本語で声をかけられたりと様々です。 こう言った交信の証を示すものとして 『QSLカード』 と呼ばれる交信証を各々が郵送や代理機関経由で交換します。
最初は 『プリントごっこ』 の手作りでしたが結構枚数を刷るのが大変で、無線の交信頻度が上がると印刷業者に1000枚単位で依頼するようになりました。


QSLカード第2弾(美瑛)


1992年の夏に初めて北海道に行った時の物です。 美瑛や上富良野の丘の景色の雄大さに感動しました。 まだ運用バンドがVHF/UHFがメインだったので北海道の方と交信するのは初めてです。 各局の皆さんは自宅の庭にHFのビッグアンテナを20メートル以上のタワーに上げておられ、大阪の無線家とのスケールの違いに圧倒されます。
『何とか次は自宅どうしで交信したい!!』 HFでの自宅から北海道との交信を始めるきっかけにもなりました。


QSLカード第3弾(昆布狩石〜十勝太)


北海道紹介のページでもあった北海道のお気に入りの道である十勝地方の太平洋海岸沿いのダートを走るセルフポートレートです。 1994年の9月の1ヶ月間のロングツーリング途中です。 オートバイに無線機を積み、各地でいろいろな方との交信や出会いがありました。 このQSLカードをバイク雑誌の北海道特集号の記事として投稿したことがあります。
今でも7MHzや21、29、50MHzで自宅どうしで交信のお付き合いをさせてもらっている方もおられます。


QSLカード第4弾(羅臼)


1999年の2月に羅臼で滞在し、漁師でもある宿主のスケソウダラ漁の船に乗せてもらった時に撮ったものです。 アマチュア無線連盟の定期刊行誌 『JARL-NEWS』 の広告欄にも掲載してもらいました。
北海道に魅せられて行きつくところは厳冬期でした。 凛として張りつめた空気、観光客も少なく魚介類も美味しい季節です。 お金を出せば流氷ツアーなどの冬の景色や渡り鳥を目の前に見ることが出来ますが、あえて漁船からの撮影にこだわりました。(単にケチだったのかも?^^;)




【JARL NEWSの掲載広告】

JARLニュース広告欄に掲載