□□□□□□  カブツー(スーパーカブ・ツーリング)  □□□□□□




・和佐又山キャンプ場(2005/09/23-24)


大淀町に入りあとはマイペース

久しぶりにスーパーカブでツーリングに行ってきました。
仕事先のカブ(カブラ)乗りの友人と3年前くらい前までは毎年 『カブツー』 と称して恒例にしていましたが、久しぶりに誘ってみたものの友人の都合が付かずソロ・ツー決行です。目的地は大台ケ原の西に位置する大普賢岳の裾にある『和佐又山キャンプ場』です。5年ほど前に無線の仲間と11月上旬初めて来た時に星空の素晴らしさと肉眼で 『スバル』 を見た感動、国道からキャンプ場までのアプローチの紅葉の綺麗さが記憶に残っています。
今月2度目の3連休となる23日の朝9時半に自宅を出発。わずかに小雨模様です。ここでも 『雨男』 健在です。 ^^M 国道309号線で大阪市を脱出、大和川を渡り花火で有名なPLの塔をかすめてしばらく走ると、長い長いトンネルの水越峠(10年ほど前までは厳しい峠道でした)を越えて、奈良県に入ります。御所市(ごせし)を過ぎると大淀町。ここからは169号線で吉野川伝いに逆のぼります。河原ではタープやテントを設営してバーベキューか焼肉をしながらの水遊びの家族連れが目に入ります。家を出て約60キロ。カブは満タンで130〜140キロ走れるので、まだまだ行けそうですが、早目に給油しておきます。結局1.2リットルしか入らなかったので1リットルあたり50キロも走る低燃費です。街中では40キロぐらいですから2割は良い計算です。ガソリン代が高騰していますがこのカブに関しては全然へっちゃらなのです。

川上村で昼食休憩 お昼頃、吉野町に入りました。ここには4サイクルの小排気量バイク(いわゆる4ストミニ)専門のチューニングショップ 『水本レーシング』 があります。私自身、カブに乗って多少いじっている建て前上?興味あるわけで道草に寄ってみました。ショールームにはモンキー・ゴリラのカスタムが所狭しと並べられ、あたかも 『モン・ゴリ博物館』 の様です。奥さんの乗られる買い物カブまでもチューニングされてイイ音を発していました。
町を出て製材所が目立ってくるようになります。 『木工の里』 と呼ばれて、一枚板やまだ仕上げされていない木材、学校を改造して作ったらしい工作館など、木を使っての町おこしや魅力を伝えようと言う気持ちが感じられます。私自身趣味のひとつに木工も少しかじっていますので、並べられた材木にワクワクしてしまいます。
しばらく行くと道の駅 『川の湯 川上』 を過ぎました。ここで嫁さんが朝作ってくれた弁当で少し遅い昼食にしました。天気は晴れでもなく、どちらかといえば曇天。朝、家を出るときに 少し時雨れていましたから雨具を着なくて良いだけでもラッキーです。

大淀町まで30キロ引き返して買出し 食事を終え、この先には買い出し出来るような商店は無いのが分かっていましたので、後戻りする事にします。結局、30キロほど戻って大淀町まで来てしまいました。和歌山周辺で営業活動が盛んなスーパーに入り夕食の食材となる焼きソバ(おつとめ品で2割引)と翌朝のメロンパン、忘れてはならないビールを購入しました。ここから目的地のキャンプ場まで早くても1時間はかかりますのでビールが多少ぬるくなるのはいたしかたありません。もっとキャンプ場近くに酒屋さんだけは有りましたが、この際荷解きが面倒なのでまとめて購入しました。
途中でガソリンを再び満タンにして、宿泊する和佐又山に向かってまた引き返します。予備タン1.5リットルを持って走っているのですが、あくまで非常用として無いものとしてこまめに給油するように心掛けています。

大台ケ原の入り口にはお決まりの目印 再び国道169号線を南下します。途中、ランドクルーザー乗りの方はご存知かもわかりません。もう10年以上前からここに放置されている赤いランクル40(通称 『電話ボックス』 と呼ばれていてキムタク主演のドラマ 「Good・Luck!」 で乗ってましたよね!)には 『消防水利』 の標識をスペアタイヤに付けられていて、既に仕事を終えたワークホースがまた次の仕事を任せられている感じがして、ランクル乗りOBとしては見る度に感激してしまいます。いつまでも腐らずに頑張って欲しいものです。(とは言え屋根はFRPなのでサビ落ちる心配は無いのですが・・・)
和佐又山に向かう方向には景勝地で観光客も多い大台ケ原が有るのでハイカーと思われる車やライダーとも数多くすれ違いました。中には先週の3連休からの長旅を想像させるたくさんの荷物を満載したオフロードバイクともピースを交わす場面もありました。そう言えば北海道ではすれ違うバイクにはピースをして楽しさをアピールしたりお互いの安全を祈ったりする事が多くありましたが、本州ではめっきり見かけなくなりました。

和佐又山への分岐点 大台ケ原へ右折する道と分かれて直進し、トンネルに入ります。非力なカブには辛い長いトンネルで途中までは上り坂です。後続車にウインカーで合図しながら 『追い抜いてください』 と示唆します。何とか上りをやり過ごすと今度は緩い下りです。トンネルの中では他の車や反響音でカブのエンジン音が良く聞こえずスピード感覚も麻痺するのでメータを見れば■0キロも出ていて慌ててアクセルを戻します。トンネルを出ればすぐに右折でスピードを出し過ぎていれば曲がり損ねそうなところです。ここには定期バスのバス停があって和佐又山をはじめ、大普賢岳や行者還山などの登山道の入り口にもなっています。自家用車など移動手段の無い登山客はここでバスを降りてキャンプ場までの粗い舗装の山道を歩くようです。非力なカブでは2速ではすぐ失速してしまい殆んどが1速で走らねばならないようなきつい上り坂です。案外非力なのではなくて積荷(特に私が・・・^^;)が重いのが1番の原因かも分かりません。
家を出て1度引き返しながらもトータル170キロほど走って午後3時半、和佐又山キャンプ場に着きました。

和佐又山キャンプ場管理事務所の 『とちの木食堂』 に到着 キャンプ場の管理事務所を兼ねていて、登山客の宿や食堂でもある 山小屋 『とちのき食堂』 で今晩のキャンプの手続きを済ませます。バイク1台とテント1張りで945円でした。最近何千円もするオートキャンプ場や予約が必要だったりチェックイン、チェックアウトのあるまるで 『ホテルかいな?シーツ換えてくれてるかぁ〜?』 みたいなところがありますが、キャンプの良さは無計画に泊まりたいところで泊まる。行けるところまで行ってそこで一夜を過ごす。私自身 『キャンプに行く』 と言うのがどうも嫌で、あくまでもキャンプは移動中の手段と言う感覚です。(結果的には同じかもしれないけどね?)
テントに付ける札と車両に貼り付けるカードを貰って、今度はテントを貼る場所を探します。前回来た時は晩秋で他にはお客さんは居らず、上のオートキャンプサイトで広々と出来た記憶があるので先ずは上の方を見に行きましたが既に車でのファミリーキャンパーがひしめいていました。こう言う時にはソロキャンパーは完全に浮いてしまいます。(タマにご馳走にあずかることもありますが)

テント設営(奥の紫のが私のテント・・・写真で見るより手前のオバチャングループとは距離があります) 結局、管理事務所前の 『とちの木』 の大木がそびえ立っている芝生の広場にテントを張ることにしました。ここは純粋に登山客かソロのキャンパーくらいしか目に付きません。結局その日は私のほかには5人グループのオバチャン登山隊と読書にふける男性と女性ライダーの4張りだけでした。(上の混みこみのサイトに張らなくてヨカッタ ^^v)
私のテントはダンロップ製の1〜2人用の物で10年50泊以上も使っていて随分よれてきています。以前は同じタイプのテントを良く見かけましたが最近ではめっきり見なくなりました。設営が楽なように自分なりに各所に改良が施してあって愛着が湧きます。ドーム型の軽量な新しいものも買ってあるのですがついついこちらの古いのを持って来てしまいます。なぜか7〜8年前の北海道の 『吹上温泉キャンプ場』 の許可証が付いたままになっているところも懐かしくてついつい思い出してしまいます。
せっかく買った新しいテントはなかなかデビュー出来ません (^^;

夕食(ジンギスカン+野菜いっぱい焼きソバ テントを張り終えて夕食も早すぎるのでコーヒーを入れることにします。5年振りくらいに点火するガソリンコンロ、オプチマス123とこれまた5年前から入れたままのガソリン。ガソリンを染み込ませた新聞紙をバーナーの首根っこに巻きつけ火をつけプリヒート。ポンピングが無いので多少面倒ですが、小さいくて故障知らずです。新聞紙の火が消えかけたところでバーナーのコックを開けば 『シュー・シュボボボ・ボーッ』 と元気良い音で着火します。火力はそれ程ではありませんが音だけは1人前でなかなか可愛い奴です。5年間ノーメンテでも問題無しです。後は数日前から読んでいる小説 『 「少年A」 この子を生んで……』 を片手にコーヒーを飲みながら過ごします。

夕食は家から持参した冷凍のジンギスカン肉を焼いてビールのアテにし、半分ほどの残りで焼きソバと野菜(キャベツ、ニンジン、タマネギ)を投入。出来上がる直前にモヤシとエノキタケを入れてサッと火を通せば出来上がり。買ってきたビールの栓を開けるとバイクの振動で白い泡が吹き出します。ややヌルくはなってしまいましたが、外で飲むビールの味は最高です。日頃は発泡酒ですがこの時だけは本物ビールを買いました。 d ^^!

夕食を終えてもまだ午後6時過ぎ。もう辺りは薄暗くなってきたのでテントに入ってさっきの本の続きを読むことにします。ガスランタンも持ってきましたが今回は一昨年千円ほどで買ったLEDの懐中電灯をテントにぶら下げました。充分明るくて熱くならないのでとても快適です。電池も食わなくて点けっ放しでも2日以上は保つらしくてソロツーリングにはもうランタンは必要ないのかも知れません。今からキャンプを始める人は安くて便利な物が有って、百均も今やどこにでも有るし準備もよっぽどで無い限り不要。幸せですなぁ〜。
いつもキャンプではつい飲み過ぎて二日酔いで頭ガンガン(ToT)なので持ってきたスキットルのバーボンも手を付けずにビール2本で自制。我ながら大人になったよなぁ〜

夕食終えて星空観賞(あいにく星空は写せませんでした) 前回、星で感動したキャンプ場。今回は曇りで期待していませんでしたが、日没の頃になって雲が切れて空が見えてきました。時おり読書を止めてテントから出て空を窺います。午後8時半、空を見上げれば満天の星空です。目が暗順応してくると天の川もはっきりと見えます。20メートルほど離れたオバチャン登山隊5人組も星がきれいと大騒ぎです。 『まぁ!きれ〜ぃ!!これまで26年間生きて来た甲斐が有ったわぁ〜!!』 と声を上げて喜んでいます。 『倍もサバよむかぁ〜?!』 と突っ込みたくなります。大阪のオバチャンはバレバレです。確かにきれいな星空で、双眼鏡を持ってくれば良かったと少し悔しくなりました。30分ほど眺めていると2つ流れ星を目にする事が出来ました。願い事などする余裕は無いですねぇ〜 (^^;

夜明けも快晴 夜、寒さと カ・ワ・ヤ で何度か目が覚めて空を見上げますが少し薄雲か夜霧が出ているみたいで8時半頃のほうが良く見えていたようです。それでも 『ボーッ』 っと上を見ていると首がダルくなってきます。昨年から 『首ヘルニア』を病んで医師から 『日頃なるべく上を向いたほうが良いですよ!』 と言われていたことを思い出しました。なかなか都会では上を見る機会は有りませんよね? 気温は10℃過ぎ位でしょうか?寝入った時には寝袋のファスナーは全開でしたが胸の辺りまで閉めてちょうどです。

目を覚ますと5時過ぎ、辺りは白みだして月が天上に明るく光っています。上半身だけテントから出して下半身は寝袋の中で。、町では最近めっきり見かけなくなったミノムシ状態で、またまた 『シュー・シュボボボ・ボーッ』 とコーヒーを沸かして読書の続きです。オバチャン登山隊も手際よく撤収しワイワイ言いながら登山道に消えていきました。

テントサイトの象徴?の栃の木 テントサイトの隅のほうに大きな 『とちの木』 があります。多分ここの山小屋の名前が 『とちのき食堂』 になっているのもここから付けたのでしょうか?木の下にはとちの実の殻があちこちに落ちています。8時頃になってテントサイトには私とライダーの女性だけになり朝食をとりながら話をしていると、やはり木の下は木の実の落下で落ち着かないそうです。昨日は 『この木の下にテントを張ろうとも思ったのですが、もし雷が落ちたら危ないかな?』 と気を配るどころかテントに木の実が落ちてエライ目に遭っていたかもしれません。
その女性のライダーもバイクでの旅が好きだそうで北海道にも何度も行ってるらしく、 『美瑛のかしわ園キャンプ場がど〜の、こ〜の。豊富町の兜沼は良いところ!ラッキーピエロのハンバーガーは美味い!』 と、かなりディープな北海道の話題で盛り上がってしまいました。北海道マニア、結構居るものです。
ライダー曰く、島根県の隠岐島もイチ押しの良いところだそうで近いうちに是非一度行ってみたいものです。

モヤが出ると一気に寒い! 夜星がきれいで朝の月が良く見えていただけに、今日も天気は良いようです。朝日がさしてくると紫外線が強いせいか暑いのと皮膚が熱いのでTシャツ1枚で充分ですが、時折り 『サァー』 っと霧だかモヤが立ち込めてくると日差しが遮られて薄暗くなり雲の中のようです。フリースを羽織っても寒いくらいの体感温度で、 『これがあの暑い近畿地方の9月?』 と言う感じになります。やはり山の気候は 『晴天』 とは言ってもこれだけ状況が変わると軽い気持ちや軽装ではいけないと思い知らされます。 今回、下界が30℃も有ったのでここまで冷えるとは予想もしなかったのですがフリースを持って来ておいて正解でした。

早くも秋の予兆 11時過ぎ、テントを撤収して帰路につきます。あの1速でしか登れなかった急坂も帰りはスイスイです。
先週、テレビで北海道の大雪山で初雪が降ったと報道されていました。ちょうど今頃の北海道では山の紅葉が見頃ですが、ここ和佐又山からの帰る道沿いにも小さな秋を見つけました。前回来た11月も規模は小さいながらも大雪山系並に、紅〜黄〜緑 のグラデーションが目に鮮やかでした。1ヶ月ほど後にまた紅葉を目あてに来て見たいものです。もと来た道をひた走り、午後3時過ぎに家に着きました。

かれこれ5年振りくらいのソロ・(プチ)ツーリングでしたが距離は短いながらも楽しい 『カブツー』 でした。

  ・走行距離:270km
  ・ガソリン:5.5リットル(燃費49km/L)
  ・費用:合計2737円(食費:1132円/燃料代:660円/キャンプ代945円)