僕の記憶にある写真のように

愛もいつかは思い出に変わると思っていました。

でも、君だけは思い出ではありません。

愛を胸に秘めたまま旅立たせてくれた君に

“ありがとう”の言葉を残します・・・・。


「八月のクリスマス」より

映画のラストで流れるこの台詞。最初に聴いた時にものすごく気になり、
ビデオを巻き戻して何度も何度も噛締めるように聴いているうちに、
涙が流れてきた。映画の内容に触れるのであまり詳しくは書かないが、
爽やかな終わり方のはずなのにどうしようもない切なさとやるせなさが
胸の奥から込み上げてきた。
そしてそのまま延々と三時間泣き続けてしまった。
もちろん目は次の日の朝まで腫れて
親に不可解な顔をされたのも覚えている。
なぜここまで泣いてしまったのか?
それは僕が当時、相手を諦めなければいけない辛い恋愛をしていた
というのも関係はするんだろうけど、
そんな心境とは別に
映画を観た人間ならわかると思うが
漠然とした喪失感と共に
後からじわじわと心に染み渡り余韻を残すこの台詞は
何度見ても泣けてしまう。
そんな台詞なのである。