出会い、そして今…


プロローグ

初めてpillowsに出会ったのは94年の夏。いつも聞いていたラジオの音楽番組で
当時の番組のアシスタントさんが好きなバンドということで紹介されたのが僕とpillowsの出会いだった。
その時の曲は「DAYDREAM WONDER」。最初に聴いた感じは「スピッツぽいかなぁ…」という印象だった。
ちょっと好みの音だったのだけれど、その番組ではそれ程かかることも無く、僕自身も
別の好きなバンドの応援に忙しくてしばらくpillowsの存在は遠ざかることになる。
(後で知ったことなんだけどこの曲はFM802という関西では結構影響力を持つラジオ局の
その月のヘビーローテーションになっていたらしい。当時802というかFMはあまり聞いていなかったのだ)


そんな僕に転機が訪れたのは忘れもしない96年が明けてすぐのこと。
「Tiny Boat」が前述したAMの音楽番組の96年1月のヘビーローテーションになったのだ。
「Tiny Boat」の甘い歌詞と美しいメロディ、柔らかい音のアレンジにメロメロになった僕は
心の中の好きなバンドというジャンルにすぐにpillowsという名が刻まれることになった。
とはいえその年は受験が忙しくて結局「Tiny Boat」のCDを手に入れるのは随分後になってからだった。


無事高校受験を終えた僕の音楽の趣味は「鈴里真帆、斉藤和義、ミッシェル、pillows」の4アーティストを軸に
展開されていくことになった。(すぐに鈴里真帆が脱落するとは当時夢にも思わなかった)
そんな中、高校に入って初めにリリースされた「ストレンジカメレオン」は結構思い出深いシングルだ。

高校に入ってから新聞部に入った僕は高校野球の記事を担当することになった。
上宮という府下では割と強い高校で巨人の元木や広島の黒田といった選手が出た高校だ。
そんな高校の試合を取材できるなんて思ってもいず、しかもその晩には
新聞の記事にするという思ってもいない状況の時に買ったシングルだった。
それからはすっかりpillowsの優先順位が上がってしまった。
シングルが出れば入荷日にレコード屋さんに飛んでいく日が続いていた。
レコード屋のおじさんには「すっかりハマってますな」なんて言われたこともあったっけ。
そう言われるくらいだからよっぽどだったんだろう。
「好きになったらどこまでも」その精神は変わってないみたい。
もちろん音楽好きの友人にもテープを渡して次々と世界に引き込んだのも事実だ。
そして年が明けてから少しして期待していたアルバムが発売された。
このアルバムとの出会いも強烈だった。

(次回「Lostman in the snow」続く)