正攻法な夢現宮。




サントリーホールで行われた「誘惑宮へ」を見ました。GWが間に入って、すでに忘却の彼方なところも多々ありますが、ちょっくら感想を。。。

物語については両性具有者の話なのか多重人格者の話なのか、正直なところ把握できてまへん。というのも、今回の席がステージ真横! 斜め背後から姿月さんを見下ろすような位置。姿月さんの麗しのお姿は裸眼でもしっかと見られましたが、ステージ後方の両脇に出る歌詞が読めなかった。歌詞を読もうとすると姿月さんから目を離すことになり、苦渋の末(でもないか/笑)姿月さんのお姿だけを追いかけることに。これほどお近くで観られるなんてめったにないことだから、ただもうひたすら
姿月さんのお姿を眼で追いかけてましたー(笑)
島田さんの脚本は、売られていたパンフレットというのか豪華装丁本というのか、そこに全部載ってたらしいんですが、えらい高かったしぃ〜。。。買った知人にパラパラと見せてもらったら、デザインは高名グラフィックデザイナーの浅葉さん、写真は沢渡さん、しかも凝った蛇腹仕立てときたら特別製本じゃねーですか。にゃるほろ〜。。。金かかってんのね、と思いましたが、にしても4,000円は高いだろ! 新譜CD1枚が余裕で買えるじゃん、
高すぎるぜーーーっ!(血の叫び!)
つーことで、おいら、買ってません(苦笑)こーゆー貧乏人がいるんですよぅ、楽曲名と大まかな物語の内容ぐらいはペラもんに刷って、お客さんひとり一人に渡してほしかったなぁ。ホール内に貼り出されていた演奏楽曲名を、みんなが取り囲んで携帯で撮ってましたよぉ〜。
と初っ端から文句書いちゃいました(なはは、、、)

「闇の若頭」と同一人物?
でわ、肝心の姿月さんについて。まずは見た目。これは
手放しで絶賛できるぜぃ! いやはや美しかったですぅぅぅ! お顔の表情とかは見逃している部分が多いでしょうが、まさに眼福、眼福。手を合わせて拝みたいぐらいでしたよ。パンパン!(柏手!)
数ヶ月前に
殴り込みをかけてた闇の若頭と同一人物とは思えないエレガントなお姿。衣装をいろいろ取っ替え引っ替え出てきたり、歌舞伎で言うと引き抜きみたいな衣装があったりして、眼を楽しませていただきました。前半の薄手の白い衣装なんて「おやおや、なんと背の高いエリザベートか!」と思いましたよ。最後のドレス、清姫の大蛇がとぐろ巻いたみたいな衣装は???でしたが、天使の羽が浮き出た、きめ細かい白磁のごときお背中には、もーうっとり。。。ありゃぁ骨フェチにはたまりまへん。すーっと指先でなぞったりなんかしたら、さぞや甘美でありましょうなぁ。。。うふ、うふふふふ。。。(あの背後から見下ろす席は、おいらには特等席だったかも〜。ラッキー!)
しかし、またまたお痩せになりましたか? 正面の鎖骨が以前に増してくっきりと! それもまた
骨フェチにとってはポイントアップ!だったんですが、おカラダ大丈夫?と思いました。カラダが資本ですもんね。ご自愛いただいて、ながーく歌い続けていただきたいと思いました。

クラッシックが聴きたいわけじゃない?
あ、これ(上の見出し)は、おいらが思ってることじゃないですから。姿月さんファンの中にはそう思っていらっしゃる方もいる、という話。以前、何のコンサートだったかな、たまたま耳に飛び込んで来た会話の中に「私たち、別にクラッシックが聴きたいわけじゃないのよねぇ〜」という言葉があったんですね。それが心にひっかかっていた。
じゃ、なんで、わざわざ高いお金出して、忙しい中を時間調整までして聴きに来るのか、ってことですよねー? 
姿月さんへの大きな期待がそうさせるんだと思うですー。期待していることは、個々で違うとは思いますが。おいら自身はロック派だけど、以前に姿月さんが言ってたことがある「クラシックには狂ったところがある」というのに深く頷けるところがあるので、頭から否定はしないし無視もしません。むしろ姿月さんがクラッシックに挑戦されることで、またひとつ扉が開くワクワク感の方が大きいのだけれど、それでも正攻法過ぎちゃうとな、、、ってところはあるのですねぇ。。。
今回のステージ、音楽的には
正攻法で攻めて行ったなと思ってるんですね。クラッシックの殿堂サントリーホールで歌うことが夢だったとおっしゃっていたので、リスペクトの気持ちから、あえて正攻法を選ばれたのだろうなと思いました。念願のステージに立てたということに関しては、姿月さんは満足できたことでしょう。でも、ステージをご覧になっていたお客さんはどうだったのだろう? みんなスタンディングオベーションでスゴかったけど、本当にそうだったのかなぁ〜、と。。。おいらに限って言えば十分満足とまではいきませんでした。ごめんよ〜(って誰に言っているんだか/笑)

正攻法で攻略・・・できた?
姿月さんは常に前へ前へと進んでいて、予想以上のことに挑戦し続けていらっしゃる
ビッグ・サプライズの多い方なんで、コンサートが毎回とーっても楽しみではあるんですよね。今回もあえて歌いにくいキーにも果敢に挑戦された、その姿勢には頭が下がるなぁ。。。と思いました。が、評価はまた別の話ということで。ま、おいら個人の評価だけど。
今回はですねぇ、前半のソプラノの歌がちょっと。。。だったっす。いや「
すげー挑戦してる!」とは思ったんですけどね、高い音が苦しそうに聴こえたし、いかんせんクラッシックは耳慣れていない曲であっても音程はずれるとすぐにわかっちゃうとこあるし、ついついオペラ歌手と比較しちゃうというのもあって、どうにも分が悪い感じがしました。
オーケストラや合唱団とのハーモニーも素晴らしかったし、姿月さんが
ムリなく出せる音域の歌は、やっぱり最高!でしたけどねー。「愛と死の輪舞」はティンパニーなど打楽器のアレンジがおもしろくて、おいら、オーケストラを上から覗き込んでいたんですが、続けて歌った最後の曲(イナバウアーで一躍全国的に有名になった曲ですよねー。何度か姿月さんで聴いてはいましたが)にノックアウトされました。
オーケストラの奏でる音楽と合唱団の歌声と姿月さんのピンの歌声が拮抗しながら調和しながら高みに昇ってく感じ? もうね、聴いてて
全身の毛が逆立ち、その後に一気に毛穴が開くような、カラダ中の血流が一気にガーッとめぐるような。。。絶対、脳内で何かが分泌されてますよー。感動中枢を刺激しまくられました。あれが生で聴けただけでも良しでしょうかねー? 今回ハッキリわかったんですけど、おいらの評価基準は「輪舞」のときの感動中枢への刺激度と比べてどうか、ですね。それほどに、あの舞台は、おいらの中で大きな比重を占めているのですが、比べてしまうと刺激度はやや少なめだったかな、と。。。

誘惑宮てゆーか夢現宮?
今回のステージは「誘惑宮へ」というタイトルでしたが、なんか
「夢現宮へ」行って来た感じがしてるんですよね。。。サントリーホールで歌うことが夢だったという姿月さんと、クラッシックファンである作家・島田さんもおそらく同様の夢を持ってらして、両者の夢を実現するコンサートにおつきあいしたのかな〜、と。
夢は夢見ているだけでは叶わないから、夢を現実にするために綿密な打ち合わせをし、相当な準備をし、練習も積まれたんだろうなぁ〜と思いましたが、料理と一緒で出されたものが全てなんですよね。
口にあうかあわないか、おいしいかいまいちか。それ以上でもそれ以下でもない。おいらが今まで味わって来た「ずん生ステージ」の中で最高に美味だと思ったのは「輪舞」で、それを上回るような甘美なモノを美味しくいただけるのかと期待して出かけたので、「・・・あれ?」ってな拍子抜けの気分が脳内を占領しているだけなのかもしれんのですけどね。
物語というのはバーチャルなので、ぶっ飛ぼうとすればどこまでも飛んで行くことができる。一方、歌うというのは楽器となるリアルなカラダから離れることはできない。両者のバランスをとって着地点を見いだすのが難しいんでしょうが、楽曲、歌、演技、衣装、演出のあらゆるところで整合性を求め過ぎたのかも?とも思いました。
姿月さんが素材だったら、男か女かなんてのも軽々ふわりと超えたあたりで、
もっと豪快なことができそうな気もするんですが。。。ダメですかね? って、もちろん最初にテーマありきでしょうけど、ね(それがいちばん難しいか?)
ま、姿月さんに期待しまくってる、思考回路の変なファンの戯れ言だと思って見過ごしてください。


蛇足:パズルは解きたい。
上で、話の筋は把握できていないと書いたので、物語についての言及は避けたのですが、わからんなりに感じたことや疑問に思ったことがあったのですよ。「男と女の差=男または女の本質って何?」「個体差と性差は分けられるのか?」「両性具有とか多重人格って楽曲をつなぎあわせるための手法なの?」等々。つたない想像力をフル動員しても答えの出ないパズルはバラバラのまま。ムズムズするです(苦笑)豪華本買って脚本読まれた方、教えてください。ぺこり。


2006.05.07




追記:選ぶ必要なんてない。
どっかに、ストーリーも書いてくれてるブログはないのかな〜と探したら、ちょっとあった。ふ〜ん、そういうお話だったのか。。。
カストラートとして喝采を浴びていた男が、恋焦がれつつも見失ってしまった「あの人(=自分)」を求めて彷徨い歩く巡礼の旅ってな話だったわけですね? で、様々な巡礼の末に母に祈って終わり、と。この最後の母への祈りは、アレですかね? 姿月さんが心から愛し、持ち歌として歌い続けている「祈り」にかけていたりするんでしょうかねぇ? おいらは観てたときに「やけに唐突な終わり方だなぁ・・・」と思ったんですが、姿月さんファンにはわかりやすい符牒だったのかも〜? う〜むぅ、修行が足らんですね、おいら(する気はサラサラないけど/笑)
改めて振り返ってみると、いろんな意味で興味深い物語だったんですね。探し求める「あの人」は男であったり、女であったり。これは舞台の上の話だけど、姿月さんという素材に重ねあわせながら、観客に向けられたメッセージでもあったわけですねぃ。にゃるほろ〜。。。途中で奥田さんが言った「男か女か、どちらか選ばなければならない」という台詞に「何で?」と思わずツッコミ入れたくなったおいらの疑問は的外れではなかったんだー!(笑)そんなこと言われちゃったから変なことがアタマに残っちゃったんだよなぁ、、、「男と女の差って何?」とか「男または女の本質って何だよ!」とか「個体差と性差について」とか。。。余計なこと考えて時間潰しちゃったじゃねーの!(考える方がバカ・・・苦笑)
選ぶ必要なんてないよねー。だって姿月さんは姿月さんだから。ソプラノの歌はいまいちだったけど、やっぱり一級品でしょう、あの歌声は!
男か女かなんて関係ないし、こだわる必要なんて微塵もないっすよ。
まぁ、確かに「闇の若頭」には抗いがたい魅力があるし、おいら姿月さんのデス声が好きだし。。。でも、何が観たいか聴きたいかと言われたら、
男でもあり女でもあり、だけど男でも女でもない希有な存在としてステージ上で輝く姿月さんの麗しいお姿と、強烈な歌声と、できればダンスもちょっと、かな?


2006.05.10




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