太陽と月と天使の羽

『桜三号』を観てきました。

まず、先に言っておかねばなるまい。
「石井さん、あなたは、ほんまもんのエンターテイナーたい」
なんつーんでしょうねー、石井さんが舞台にいる方が、舞台そのものが華やぐし、まわりの人達がイキイキして見えるから不思議ですよね。姿月さんも『桜二号』のときよりイキイキしていた気がするんだよなぁ。。。
太陽と月の関係ですかねー? 太陽である石井さんがいるから、月である姿月さんがよりいっそう輝く、ということでしょうか。トークでは姿月さんの天然ボケボケの大ボケぶりを引きだしてくださってましたしね。
とにかく、『桜三号』は、石井さんの濃厚なる存在感が鍵になってたなと思います。

あまりに喋りがおもしろく、歌が素晴らしかったので、トークと歌だけ聴かせてくれてもいいんだけど。。。と思ってしまうほどの『桜三号』でしたが(笑)お芝居もまずまず、って感じで観られました。
ただ、石井さんはどーしても
『北斗の拳』にこだわっておられるようで。。。『桜一号』(見てないんだけど、同じコンセプトかな・・・と想像)から『桜三号』まで、経文衣装を通さなくてはいけないから、結果として『北斗の拳』になっちゃったのかもしれませんけどね。
今回は、衣装もマジマジと見たんですけど、あれって
梵字だったのね。つーことは般若心経ですか? 「ぎゃーてーぎゃーてーはーらーぎゃーてーはらそうぎゃーてーぼじそわかー 」なわけですね? 「行こう、行こう、彼岸へ渡ろう、さすれば無上の目覚めあり」でしたっけ? 『桜三号』にはピッタンコなコンセプト衣装だったかも。。。
でも、やっぱり、衣装は同じでも各号ごとに意味合いを変えるという手もあったんじゃないかなぁ? 『桜三号』の場合も無理やり怪談めいた落ちにしないで
『あしたのジョー』で終わってもよかったのになぁ〜。おじいちゃん、すべてを語り終え燃え尽きる、、、とゆーとこで止めておいた方がドラマチックだったんじゃないっすかねぇ?
石井さんって、つじつまをあわせないと気持ちが悪いのか、語りすぎるところがあるような気がしてなりませぬな。血液型はA型ですか? それとも、
ある種の貧乏性か。。。(笑)何も自ら縛りを入れる必要もなかろう、と思うのですけどね。たぶん、石井さんは彼岸とこっち側とを分けた方が見る側が混乱しにくいから親切と思ってのことでしょうけども、あの世もこの世も同じなんだよ、としちゃってもよかった。なんせ「色不異空 空不異色 色即是空 空即是色」ですしね。一切は「空」なり、と全てを括っちゃってくれるありがた〜い呪文がついてるんだもん、何やったって怖いものなし!(笑)だったと思うのだ。
姿月さんは関西弁のレポーターの役で、おじいちゃんにつっかかるとこが可愛かった。

今回の『桜三号』で不満だったのは、わっちとしては
桜の盆踊りですねー。
石井さんのコンサートは、ファンも一緒になって同じ振りで踊られるようですけど、盆踊りって苦手なんすよー。うまく踊れないとか、そーゆーことじゃないんですよ。あのー、苦痛じゃないですか? 楽しみ方を決められてしまっているのって。しかも、それを強要されているという状況、、、楽しみ方は人それぞれなんだから、強要しないでくれたまへ、ほっといてくれたまへ、と思っちゃうんですよねぃ。。。そりゃ、祝祭の演出ってのはわかるんですよ、わかるんですが、
苦行でしたね、はっきし言って。楽しけりゃカラダが勝手に踊りだしますってば! ずいぶん前に友人に連れられてチェコ・フィルのドボルザークを聴きに行ったときに、「うぉっ! こいつぁロックじゃねーか!」とカラダが勝手に踊りだしそうになったんですが、それを無理やり押さえ込んだのとは逆の苦行でしたねぇ、、、
それにしても、いつ頃からですかねー? みんなが同じノリと振りで踊るようになってしまったのは・・・。パンクのコンサートに出かけてた若かりし頃には、各自、思い思いに痙攣するように(大笑)踊ってたもんですけどねー。いつからか、みんなが腕をあげて「前方指さし確認よーし!」みたいな振りをするようになっちまった、、、あれ見ると興ざめするんですよね、おいら。吐き気をともなう嫌悪すら感じる・・・と言うのは大げさだけど「けったくそ悪い」と舌打ちするのは確かで・・・(苦笑)ま、とにかく苦手なんですー。そうした盆踊りを強要されるのは、もぉーっと嫌なんすよぅ。正直、逃げたひっ!と思ってしまひました。後生ですから盆踊りの強要だけはご勘弁をぉぉぉ。お慈悲ですぅぅぅ、お代官さまぁぁぁ!(平伏)
んでー(おもむろに顔をあげる)しかも、今回、ファンのみなさんが手にして振っていた桜の造花は売り物だったんですね? 『桜二号』のときも、どこからこんなものを・・・と疑問に思っていたんですけどぉ、今回のコンサートの帰り際にパンフレットやら何やらを売ってたのに気づいたんですねー。真っ正面にあったのにねぇ・・・何を見ていたんでしょうねぇ・・・おいらってば・・・。それはともかく、桜を振っていたみなさんは、もしかして、盆踊りをするために
1000円も出して桜の造花を買ったんでせうか? その値段で歌舞伎なら幕見が見られるなぁ・・・と、つい思ってしまうわっちは貧乏性ですかねぃ? 桜盆踊りの振付けを指導をする石井さんの掛け声によって姿月さんの素晴らしい歌声がかき消される場面があったのもヲイヲイ(はっきり言っちゃうと邪魔っ!)でしたし・・・わっちにゃワケわかんねぇ世界が繰り広げられておりました。しかし、我、他人を侵さず。じっと我慢の子であった。

でも、まー、そんなことも
「天使の羽」の前では些細なことだ、と言いきろう!
今回も拝めましたからね、姿月さんの
麗しの肩甲骨がっ! 席の位置が正面に近かったから麗しの鎖骨もバッチシ拝めちゃったしなー。肩幅が広い分、撫で甲斐のありそうな鎖骨だと思いましたよ。うふ、うふふふふ。。。
いやーーー、いいもんですねー、ほんと。惚れ惚れしますな、骨格の美しい人って
ドレス姿での引込みのときには、頭からつま先、指先に至るまで神経が行き届いた美しいポーズで、ゆったりとソデに引っ込んでいかれましたが、
「き、きれいだ。。。ほぇ〜〜〜」と見とれてしまいましたね。美しいカタチというのは実は非常に苦痛をともなうものだということは女形さんの芸を見ていりゃわかりますが、おそらく姿月さんの美しいカタチも鍛えられた肉体がつくりだす芸術なんでしょうねぃ。。。ただ、神経を張っているな、というのがこちらにもわかったのが、ちょびっつマイナスといえばマイナス。そうとわからせないで優雅に涼やかに、がベストでやんしょう。でも、美しいから許す!(笑)

その美しい人は、今回も、歌とダンスが素晴らしかったですね。特に良かったのが、『sonata』に入っている曲『Nero E Bianco』。
生で聴くと100倍いいですね。声の太さ、張り、伸び、ともに申し分なし。
改めて、
とことん「ずん生」な方なんだなぁ〜と思いました。

暮れには、またソロコンサートがあるそうなので、それも要チェックやな、と。

*感想とか言いながら、文句言ってる部分がいちばん長いですね。。。すみません(苦笑)

(2003.08.27)

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