魔女開眼?




3人トートのコンサートへ行って来たので、ちょいっと感想を。

してヤラレタ!
はじまる前の舞台上のセットは、何やら昔のTVゲームなどでお目にかかったことのある旧・九龍城のごとき怪しき&妖しきイメージで、これは!と期待に胸が高鳴りましたが、はじまったと思ったら、
初っ端からガンズ(ガンズ・アンド・ローゼズ:Guns N' Roses@アメリカのロックバンド)の曲でノリノリにぶっ飛ばしていて。。。「あれ?
マテ・カマラスさん、姿月さん、武田真治くんとトート役が勢揃いするからには、当然「エリザベート」の曲目メドレー?と思っていたからちょっとビックリ。「
そう思ってたら大間違い!うっはっは!」とゆー姿月さんの豪快な高笑いに「してヤラレタ!」(笑)いやー、でも、ガンズは好きだからいいっすよー。もっとやれー!
ところが、2曲目が「ロッキー・ホラー・ショー」からの曲で、マテさんがフランクの格好で、、、これには「
マテさん、待て!」。。。ややメタボちっくな変態女装には、おいらの隣のおばーちゃんが「ひ、、、」てな感じで固まってるじゃねーですか!(苦笑)おいらはいいんですよ、「ロッキー・ホラー・ショー」好きだから。けど、あの時点で「ついていけないかも、、、」と思っちゃった人が若干1名はおりましたことをご報告申し上げておきませぅ。
うーん。。。なるほど。。。こいつはトート役者が3人揃ったとゆーだけで、「エリザベート」とはほぼカンケーない
闇鍋的ライブ・コンサートと思ってた方がいいんですな。。。それならそれで楽しみまっしょい。と、おいら、腹くくる(わはは)で、冷静にじっくりと舞台を観察することにしました。

歌うサックス
でもって、まずは武田真治くんの成長ぶりに驚いたっす。おいらの中での真治くんは、飯田譲治の「NIGHT HEAD」TVドラマ版でトヨエツの弟役をしてた頃で時が止まってたと言っても過言ではないだけに(いったい何年前で止まってたんだよー!/苦笑)おっそろしく成長してたのね。。。と、おねーさん、ただただビックリ。
何が驚いたって、
こんなにもサックスが上手かったなんて!ってこと。 TVで何度かサックスを吹いてるのは見たことあったけど、注目して聴いてたわけでもなかったから、知らなかったよ〜。いやー、ほんと、上手い! 聴かせる! おいらが観に行った日(11/17)は、真治くんが「愛と死の輪舞」を歌ったけど、はるかにサックス演奏の方が歌を歌ってましたね。
真治くんは途中で「It's a shame」(Spinnersの大ヒット曲)も歌ったけど、こっちはよかったな。。。つーことは。。。「エリザベート」の曲は苦手にゃのかな?と思っちまいました。まー、マテさん、姿月さんと一緒とゆーのは緊張しちゃうんだろうな〜。。。どんまい真治くん!おねーさんは応援するぞ。だって、いい音楽的センスしてるんだもん! し・か・も、
美しい上腕二頭筋! このポイントは高いっす(笑)

マテさん、待て!
今回のステージ、「3人のトート役者のコラボレーション」とゆーことでしたが、蓋を開けてみれば「マテさんがメイン」だったと思います。これが仕方ないですよね? わざわざ海外から招聘してるわけですし、滅多にない機会なわけですから、十二分にマテさんには活躍してもらって楽しませてもらわなくちゃ!なわけで。
で、マテさんはハンガリー出身とゆーことですが、おいら、ハンガリーと言ったら昔すごーく強くて「マジック・マジャール」と呼ばれたこともあるサッカー・ハンガリー代表ぐらいしか知りません。けど、マジャール・ロックってどんなんかなー?とちょいと興味が沸いたほど、この方は
ロック色の強い歌い方をされる方ですね。でもって、えらくノリがいい。ノリがよすぎるから、少なくとも3回はマテさん、待て!」と思いました(笑)上でも書いたけど、最初は「ロッキー・ホラー・ショー」のメタボ女装。2回目が姿月さんの首締めから胸を触るかー!てな場面。あそこは正確には「ま、待て!。。。いや、かまわんよ、、、続けてくれたまへ、、、」だったりして(あはは)姿月さんが階段に座ってたせいもあるけどデカさがわからなくて、また、マテさんが外国人でがっちり体型だからでしょうか、姿月さんが華奢な女性に見え(実際めちゃ細ーい!んですが)、これまでの姿月さんのステージでは観られなかった、やや濃いめの絡みが感じられたってことでちょっとドキドキしました。で、3回目がマテ・ケン・サンバ。本人がどーしてもやりたいとゆーんで演出に加えられたそうですが、みんな、なぜ、もっと強行に止めなかった!(苦笑)マテさん、あれ、受けてたっつーても、ごく一部に、ですから。でもって、日本は流行サイクルがえらい短くなってますから、いまやもう完全にアウトっすから。ま、でも、本人が満足したならいいっすけども、ね(なはは)

玉梓(たまずさ)が怨霊!?
さてさて。姿月さんファンの最大の関心事、問題は姿月あさとさんですよね。今回はマテさんメインの3人トート・コラボでもって、ダンサーや演奏者も含めた出演陣では唯一の女性ということで「
紅一点」を強く意識されてたような気がしました。パンフレットの写真も同じトート役者ではあっても個性は別々とゆーことで三者三様で、バンパイアちっくなマテさん小動物系の使い魔みたいな真治くんにはさまれた姿月さんは、まるで魔女のよう。それも「靴をお舐め!」と言ってもおかしくないくらい女王様然としていらっしゃる。。。おぼっちゃまくんを卒業して闇の若頭になったかと思ってたらいきなり魔界の女王様かい! すげーな、姿月さん。
歌の方はどーなるんだろう?と注目してたら「闇が広がる」では、マテさんがルドルフになって姿月さんがトート・パートを歌いましたね。「
うわー、歌で戦ってるぜー!」とゾクゾクする一方で、これまで観たことのない、すっげー怖い姿月さんを感じてしまいました。あれはトートじゃなかったっす。。。トートかもしんないんだけど、なぜか、おいらの頭に浮かんだのは南総里見八犬伝の「玉梓(たまずさ)が怨霊」、、、ひぇ〜〜〜、お許しを〜〜〜!ってなぐらい怖かった。ありゃ絶対、確実にとり殺されます。ま、相手が何度殺しても生き返ってきそうなルドルフでしたからね(笑)とことん容赦しないぐらいで釣り合うのかもしれないけど、それにしても二人の掛け合いは凄かった。これは、姿月さんのキャパがまたデカくなったってことかもしれないなぁ。。。と思ったりもしました。この姿月さんならサロメどころかゴーゴンにだってなれそうだ、と。あの妖しい瞳で見つめられたら瞬時にカチコチの石になってしまうだろう。でも、おいら、観た直後は「トートじゃなかった、、、」ってのに軽いショックを受けてたんですよね、実は。「ずん生トート再び」をすっごい期待していたんでしょうねぃ。。。
でも、家に帰って来て、パンフレットの3人対談を読んで考え方が変わりました。姿月さんの「私はもう、トートという役を演じることはできないから」って言葉が骨のように心にひっかかったんですよね。「何で?」って。「
なぜ、できないって決めつけちゃうの?」と。確かに今のありようの「エリザベート」でトートを演じようとすると諸般&大人の事情とかがあって無理だと思うのかもしれないけど(いや、それだって可能だろ?と思うんですけどねー、実は)、書き換えちゃえばいくらだって可能じゃないの!って。歌舞伎じゃ書き換えっての、よくあるんですよね、演じる役者にあわせて「切られ与三郎」を「切られお富」にしちゃうとか。もっとも著作権がなかった時代の話なので、今の時代にそのまま当てはまるとは思っちゃいませんが。実際、楽曲は使えないわけだから、それじゃ書き換えすらできないわけだし。。。
てなことをつらつら考えていてハタ!と思ったんですね、「なーんだ、創っちゃえばいいだけじゃん!」って。あ、冗談話じゃねーっすよ。創っちゃえば
トートの女版だって何だってありえるっつーことです! なんちゅー強引な(笑)いや、でも、あるんですよ、姿月さん! 望む限り、希望をかなえる方法ならいくらだってある。貴方を助けてくれそうな非凡な才能はいっぱいまわりにいそうだし、何より最大の才能は貴方自身なのだから。
とにかく
「できない」なんて自らの可能性を否定しないでほしい、というのが凡才なおいらの切なる願いです。

2007.11.18



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