歌舞伎役者の系図(1)

市川團十郎家、松本幸四郎家(一部、省略してあります)



市川團十郎家
荒事を創始して現代に伝える歌舞伎界屈指の名門。代々の團十郎も名優揃いらしい。主なところでは
 初世團十郎・・・豪快な荒事を演じて江戸人の喝采を浴びた。荒事の創始者。
 2世團十郎・・・荒事芸を洗練し様式化。「助六」の原型をつくったのはこの人だという。
 4世團十郎・・・実事が得意。「菅原伝授手習鑑」松王丸の演出が、そのまま現代に伝わっているらしい。
 5世團十郎・・・荒事だけでなく、岩藤、累などの女形も好演。江戸歌舞伎全盛期の名優。
 7世團十郎・・・歌舞伎十八番を選定し公表。能様式を大胆に取り入れた「勧進帳」を初演。
 8世團十郎・・・天性の華やかさと美貌で熱狂的な人気だったが、若くして大坂で客死(謎の自殺)。
 9世團十郎・・・明治期の第一人者で「劇聖」とうたわれた名優。新歌舞伎十八番を制定した。
 11世團十郎・・ 戦後歌舞伎の花形役者。天性の美貌と華のある芸で「海老さま」と呼ばれた。
          現存する写真を見るに、新之助くんはこのおじいさん似な気がする。
 12世團十郎・・・屋号:成田屋。本名:堀越夏雄。1946・8・6生まれ。
 7世新之助・・・ 屋号:成田屋。本名:堀越孝俊。1977・12・6生まれ。

松本幸四郎家
團十郎家と親戚関係にあり(2世は4世團十郎、3世は5世團十郎の前名。ことほど関係は深い)名優が続出した名門。
 初世幸四郎・・・2世市川團十郎と並び称された役者らしい。
 4世幸四郎・・・4世團十郎の門弟から幸四郎に。二枚目で売りだし、和事、実事に秀でる。
 5世幸四郎・・・俗に「鼻高幸四郎」と呼ばれた。仁木弾正など実悪にすぐれ、大南北の生世話も得意。
 7世幸四郎・・・師匠の團十郎譲りの「勧進帳」の弁慶を、生涯に1600回もつとめたという。
 初世白鸚・・・・初代吉右衛門に師事。時代物を得意とする一方で、歌舞伎以外の舞台にも積極的に出演。
 2世松緑・・・・6世菊五郎の門弟となり松緑に。踊りも確かで、末弟ではあるが舞踏の藤間流を継いだ。
 9世幸四郎・・・屋号:高麗屋。本名:藤間昭暁。1942・8・19生まれ。日本舞踊の松本流宗家でもある。
 7世染五郎・・・屋号:高麗屋。本名:藤間昭薫。1973・1・8生まれ。松本流家元でもある。
 2世辰之助・・・屋号:音羽屋。本名:藤間嵐。1975・2・5生まれ。藤間流家元、藤間勘右衛門でもある。

中村雀右衛門家
4世歌右衛門の門弟を祖とする名跡だが、当代は、大谷友右衛門家の出。
 6世友右衛門・・・5世歌右衛門の門弟から友右衛門を襲名。名脇役として活躍した。
 4世雀右衛門・・・屋号:京屋。本名:青木清治。1920・8・20生まれ。
 8世友右衛門・・・屋号:明石屋。本名:青木知幸。1949・2・23生まれ。
 7世芝雀・・・・・屋号:京屋。本名:青木貞幸。1955・11・20生まれ。