ぢいさんばあさん
【見どころ】
おしどり夫婦の愛情物語。しみじみした、いいお話です。
が、わっちの個人的な趣味で言えば、そんだけ。ごめんね、わりぃけど。
当代の人気役者のフケ顔が見られるっていうのが、
ま、見どころといやぁ見どころかも。ん〜・・・そんだけ(自爆)
【あらすじ】
美濃部伊織と愛妻のるんは家中でも評判のおしどり夫婦だった。
ところが、るんの弟が友達と果たし合いになり手傷を負ってしまったために、
義弟に代わって伊織が京都に単身赴任することになった。
京都に赴任して三ヶ月。伊織は、どうしても欲しい刀があって、
好かない人物ではあったが下鴨という男から金を借り、買い求めた。
友人達を料亭に招いて刀披露の席を設けたところに泥酔した下鴨がやってきて、
なぜ俺を招かない、と伊織を罵倒し、あげくに足蹴にする。
じっと耐えていたが、ひょんなはずみで下鴨を切りつけてしまった。
ただ呆然と立ち尽くす伊織・・・。この事件により、伊織は越前にお預けの身。
るんは筑前の黒田家の奥女中として仕えることになり、夫婦は離れ離れに。
それから37年後のこと。伊織が帰ってくることになった。
懐かしい我が家で愛妻のるんと再会する、その約束の時間が待ちきれず、
勝手に庭にまわる伊織。一方、るんも同じ思いで早くやってきた。
しかし、昔のままの若い妻と夫の面影しかないから、お互いに気づかない。
が、伊織の昔と変わらぬ癖に「旦那さまか」「るんか」
ふたりは互いを認めて、そばに寄って見つめあう。
伊織71歳、るん66歳。ともに白髪になってしまったが、
37年の歳月を乗り越え、今日から新しい生活をともにはじめようと誓う。
【うんちく】
初演は昭和二十六年(1951年)。森鴎外の短編小説を劇作家の宇野信夫が脚色。