ホトカプラの高速化について考える 2006.01.05
アイソレート(絶縁)とくればホトカプラとなるのですが、その動作スピードは意外?と遅くて、RS232C などの通信回線のアイソレートだと「普通に」使ったのでは 4800bps がやっと…という状態です。もちろんスピードが速いホトカプラは沢山あるのですが、それらは2次側に「電源」を必要とします。 ここでは電源を必要としない「普通のホトカプラ」の高速化について考えてみます。うまくすれば信号線の電力だけで高速動作が可能な用途もありそうです。例えば RS232C の絶縁 では、電源無し(信号線の電力のみ)で 38400bps 程度まではいけそうです。 尚、回路定数はフォトカプラの特性に合わせてチューニングする必要があるなど…量産に耐えるか?という面では辛い部分があります。ご注意ください。 |
最近は全くもって話題にもなりませんが・・・・・ホトカプラなどの「光モノ素子」は時間とともに発光特性が劣化するという問題があります。 この問題、とっくにメーカのデータ Book などから消えてしまったようで、サイトにも無いようです。実際に問題になるケースはほとんど無い?という事なのでしょう。まぁエンジニアの Tool なんて使用時間が知れてますから、全く問題無いでしょうが、信頼性を求められる部分では気をつけたほうがいいでしょう。 例えば、金額表示に 7 セグメント LED を使っている(最近は減りましたが…)駅の自動券売機とかは 24 時間通電していますので、常時「ゼロ」が点灯している一番右の桁だけ(劣化して)微妙に暗い・・・という程度ならまぁ許容範囲(笑)だと思いますが、信号経路に使ったホトカプラが劣化して誤動作したのでは困ります。 確か、古い(大昔!の)T社のデータ Book には、経時変化の例が載っていた記憶があるのですが…、探しても見つかりませんでした。あやふやな記憶ですが、確か一次側の駆動電流として 20mA を連続で流すと 3 〜 5 年 ? で CTR (電流伝達比)が 80% 以下になるというようなモノだったような気がします。で、その劣化を見込んで充分に(更に加えて!)一次電流を流すように!という「注意」がありました。 S社の古い(これも大昔!の)データ Book には、とある型式のホトカプラに 50mA を連続で流したら 10000 時間で CTR が 85% になる…という試験データ(の例)が載っていました。まぁ 50mA はチトやり過ぎの感がありますが、 10000 時間を日に直せば 400 日余り…、一年ちょいということです。 普通のホトカプラは 15 〜 20 mA の一次側駆動電流を想定して作られているようで、メーカでもそのあたりを推奨していますし、CTR もそのあたりで一番高くなっています。しかし、劣化は駆動電流にほぼ比例するハズですので、可能なら駆動電流を抑えたほうが信頼性はあがりそうです。 (シーケンサ (PLC) などでは 5 〜 7mA 程度で動作しているようです) そういう意味では「常時、一次側の駆動電流が流れる」というのはマズイわけですが、逆にすると「壊れていない」事の検出要素が膨れてしまいます。なかなか思うようにはいかないモノです(笑)。 とっ、まぁ普通の用途では問題にさえならない「重箱の隅」の話でした。 |