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Q22 ATF交換後のシフトレバー D〜1の切替操作はどんな意味があるの? XJ6・Sr3

  • 雑誌のATF交換記事などを読んでいますと、「ATFの交換後にはエンジンを掛け、シフトレバーをDから2速、1速と順次切替えて各部にATFを行き渡らせ・・」云々と書いてあります。

  • ATの専門家でないので間違ったことを言っているかも知れませんがこの不思議な操作?について一寸疑問に思っているのでここに纏めてみました。

  • ATの動作としてはキックダウンケーブルにつながっているスロットル開度(スロットル油圧)とATの最終段にあるガバナでガバナ油圧(速度)を比較してシフトアップやダウンのコントロールをしています。

  • ATF交換後に車を止めたままでシフトレバーを操作してもガバナ油圧がゼロの状態であるため、油圧系統はシフトレバーがDや2速にあっても関係なく1速のギヤーを自動的に選択しています、2速にギヤーが選択されることなど無いのです。

  • 但し、通常走行時に3速(Dポジション)にギヤーが入っている場合、2速にシフトするとギヤーは2速に切り替わります、上記はあくまで車が静止状態での話です。

  • 車が走りだす時を考えて下さい、Dに入れようが2速にしようがATは必ず1速から動き出すのです。

  • と言うことでATF交換後にエンジンを掛けてATのシフトレバーをDから2速、1速に切り替える操作は全く無意味ではないかと思います。

  • 私も昔は何も知らないもので忠実に操作していましたがATの本を読んで行くうちにおかしいなぁと思いました。

  • 別にATだけではありませんが皆さんも原理原則が判ってくれば「これ一寸おかしいのでは?」と言うことがあるはずです。

  • 特に雑誌の記事などメンテの専門家かも知れませんが装置の専門家ではない人がこうではと思ったことを書いていますので100%信用しない方が良いと思います。


(H18.3 追記)
  • ATの専門家にお話を伺ったところこれで正解だそうですが次の説明によりあながち無意味ではないそうです。

  • 操作する目的はATF交換後にバルブボディやオイルクーラー回路などにオイルを供給して走行中と同様なオイルレベルにするためです。

  • 但し停止中には、前進1速と後退時の油圧回路にしか油圧が供給されずやや片手落ちになりますが、昔の3速ATでは2速用ブレーキ回路のみ供給されませんが殆どの油圧回路潤滑回路にATFが満たされることになるそうです。