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Q21-5 ATF日常の注意事項は? 全般

  • ATFの量は基準レベルを守ってください、レベルはATの完全暖気後レベルスティックの上下限範囲内に調整してください。

  • 量が少ないとATのオイルポンプがエアーを吸い込み油圧が異常となってクラッチ&ブレーキがスリップするなど正常に動作しなくなるおそれがあります。

  • 量が多すぎると今度はAT内部でギアーが浸漬されてATFを撹拌することにより温度上昇を招きます、そのためAT内部のエアーが熱膨張してATのベントパイプやディップスティックのところからATFが噴出し、触媒やマフラーに当たって発煙、火災のおそれがあります。

  • ATFレベルを点検したときにはディップスティックに付いているATFの色と臭いに注意してください。

  • まず、黒くなる原因としては、摩擦材(ペーパフェ-シング)の焼け、極微細鉄粉などがあります。

  • 高温あるいは異常摩耗などが原因ですのでその真因を突き止める必要があります。

  • 機械物では元々ある程度の劣化は不可避ですので過剰に神経質になる必要はありませんがクラッチ&ブレーキの焼けは見過ごしてはいけません。

  • ただし、変色(脱色)は着色料が変質したに過ぎないことが多く他の添加剤が劣化したこととは無関係であることが多いということも有るそうです。

  • 焼けの場合はATFが焦げ臭くなりますので臭いについても注目する必要があります。

  • また、焼けの場合は異常な高温状態に晒されたという経歴を示しているのでその原因

    • 運転方法
    • 道路状況
    • ATの冷却仕様
    • バルブの一時的スティックなどによる油圧の一時的な低下
    • その他AT内部の問題などなど

    を突き止めて対応できればATFを含むATの故障の心配はなくなるのですが、その原因を捕まえるというのは非常に難しいことです。

  • 但し、

    • 山岳登坂路でのノロノロ運転や
    • 150km/h以上の超高速運転で
    • 油温が130℃以上になり
    • それが100時間以上続くと

    ATFの添加剤が急速に劣化し、

    • スラッジやワニスが発生してオイルライン中(特にバルブボディ内)に動脈硬化のように堆積すると共に
    • クラッチの摩擦特性が劣化し
    • スリップタイプのトルコンロックアップクラッチにシャダーが発生し
    • ゴム製のオイルシールを攻撃します。

  • 従って、通常の走行でATFが80〜90℃以下であれば16万kmの間殆ど劣化はないと思われます。

  • なお、巷には「・・・強化剤」などと称するいかがわしい添加剤が溢れ、いかがわしい医療と同じ様な素晴らしい体験事例が宣伝用に用意されていますが百害あって一利無しと思って間違いありません。
    (エンジンオイルも殆どがそうです)

  • ATFの種類を変えてもどんな添加剤(モリブデンなど)を使っても1%燃費を良くすることはできないのです。

  • そんなものがあったらメーカーはすぐに飛びついて試験し10/15モード燃費を改善し宣伝します。
    (それ以外の燃費改善グッズも同じですが)。

  • ディップスティックを見て変色よりも焦げ臭い臭いがしないかどうか、スラッジがこびりついていないかよく観察してください。