Home
Q7
エンジンがかからない、何回もセルを回してやっとかかる
アクセル踏み込んでみたりしても変わりなし
燃料ポンプも最近換えたがかわりなし
インジェクションクリーナーを入れても効果なし
バッテリーもかえてから1年である

XJ6・Sr3

  • エンジンが回るには
    1. 良い圧縮
    2. 適切な空燃比の混合気
    3. 良い点火

     が必要です。

  • ご質問の内容から圧縮に関する問題はないと判断します、また取りあえずはエンジンが掛かるので2番の適切な空燃比の混合気について考えてみます。

  • 何回もセルを回して掛かると言うことからサーモタイムスイッチとコールドスタートインジェクターが一番怪しいように思われます。

  • 起動時には通常のインジェクターからのガソリンだけでは不足でサーモタイムスイッチとコールドスタートインジェクターにより数秒間起動用のガソリンを噴射しています。

  • キャブレター仕様の場合にはチョークを絞ってやって空気量を減らし無理矢理多くのガソリンを吸い込ませて濃い混合気を作っています。

  • キャブレターは加速時に一時的な濃い混合気を作るためにピストン式のポンプ(加速ポンプ)がありペダルを踏むことによりメインベンチュリー内にガソリンを注入しています、フルストロークで1〜1.5秒程度の時間噴射しています。

  • そのためエンジンスタート前にペダルを踏んでやるとインテークマニホールド内にガソリンが注入されチョークと合わせて非常に濃い状態となり点火し易くなります。

  • インジェクター仕様の場合にはチョークがありませんがそれの代わりとしてサーモタイムスイッチとコールドスタートインジェクターで同様な仕組みを作ってます。

  • 何回もセルを回すとインジェクターから噴射されたガソリンがインレットマニホールド内に溜まりガソリンの濃度が徐々に濃くなってスタート出来るようになるのでしょう。

  • インジェクター仕様の場合にエンジンが掛かりにくいからとアクセルペダルを踏んでもスロットルが開くだけで何もありません、逆に吸入空気量が増えてガソリン濃度が薄くなり余計にスタートしにくくなります。

  • 起動時にアクセルペダルを踏むと良いのはキャブレター仕様のエンジンの場合と、何らかの要因でガソリンを吸い込みすぎてプラグがカブリ気味の時だけです。

  • まずサーモタイムスイッチですが中身は温度感知式時限スイッチと言った物です、ウォーターレールの水温を検知して冷機か暖機か判断し温度に見合った時間コールドスタートインジェクターを動作させています。

  • 水温と噴射時間の関係は概ね下記のとおりです。

    水温噴射時間
    −10℃8  秒
    ± 0℃4.5秒
    +10℃3.5秒
    +35℃0  秒

  • インジェクターは単なる電磁弁ですが原理的に燃圧が変わってくるとガソリンの噴射量が変わって来ます。

  • つまり、噴射量はインジェクターの前後の差圧と開弁時間に影響されます。

  • この前後の差圧と言うのは燃料ヘッダー側のガソリンの圧力(燃圧)とインレットマニホールドの真空との圧力差を意味します。

  • そのためプレッシャーレギュレーターでインレットマニホールドの真空分を補正し、インジェクターの前後に掛かる圧力が 2.55±0.05Kg/cm2 ( 2.5〜2.6Kg/cm2 )の一定圧力となるように制御しています。

  • 通常の運転時に燃料ヘッダーの圧力を測ると2キロほどの圧力しかありませんがこのためです、実際にインジェクターの前後に掛かっている燃料圧力は正規の圧力が掛かっているので心配いりません。

  • 従って燃料ポンプが悪くて吐出圧力が下がった場合この圧力を維持できず燃料不足になったり、逆にプレッシャーレギュレーターが悪くて燃圧が上がりすぎた場合には燃料過多になり燃焼状態に悪影響が出ます。

  • インジェクションタイプのエンジンに付いているコールドスタートインジェクターも単なる電磁弁で分解出来ません、悪ければ取り替えします。

  • インレットマニホールドの真ん中あたりに付いている青色のビス止めしてあるのがそうです。

  • インジェクター自体の取り替えは簡単に出来ます、ただし燃料ヘッダーやインジェクターの継ぎ手部分にホースの抜け止め加工がしてあるため、それにゴムが食い込んでいるので外すのはかなり固いでしょう、無理に外さずにカッター等で切り取り交換しましょう。

  • その他として考えられるのは下記の電気系統です。
    1. 点火コイルのレアーショート(Sr3、XJ40)
    2. 点火コイル用のアンプの不良(Sr3)
    3. クランク角センサーの不良(XJ40)

    ----------------------------------------------------------------------------

    (JRCの大和さんからキャブレター仕様のエンジンスタート時にアクセルを踏んで予めガソリンを注入しておくことについて貴重な注意点をお伺いしましたのでここに補足しておきます)

  • 純正のエアエレメントを外して社外品のエアエレメントを装着している場合は、注意が必要です。

  • エレメントがキャブに直付けされている場合、エレメントが吹き返しのガソリンを吸い込んでいてそこにバックファイアで火が入ることがあります。

  • 私自身、それで車両火災になったことがありますし(MK2)、知人もEタイプを丸焼けにしてしまいました、他にも火災の話を良く聞きます。

  • 御夫婦で、3ヶ月間、火傷で入院された方もいらっしゃいました。

  • くれぐれも、直付けのエレメントにはご注意を...

  • 昔、S30系にお乗りになっていた方々は、消火器を準備しておくことが当たり前だったとか。

  • もっとも、今でも当たり前なのかも知れませんが。
    (当方も、消火器は標準で装備しています、何しろ怖いです、車両火災は。)

---------------------------------------------------------------------------------

 と言うことで私も消火器を積んでいます、以前はトランクに取り付けていたのですが緊急時の対応を考えるとすぐに手の届く範囲が良いと思い、運転席と助手席の座席のすぐしたのフロアーに1本ずつ取り付けています。