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Q2 冷間時エンジンは掛かるがすぐに止まってしまうのは? SerV・XJ6・DD6

  • エンジンをスタートさせたときにセルモーターが回り初爆が有ってエンジンが掛かりますが、その後止まってしまうのは下記要因だと思われます。

    1. ウォーミング燃料制御の不良
    2. オキジャリエアーバルブの不良

  • そのうち最も可能性が高いのは燃料制御と思われます。

  • まず、SerVインジェクション仕様のエンジンの始動後の燃料制御です。

    1. 通常の燃料制御は下記を基準に行い水温やO、スロットル開度、吸い込み空気温度などによる燃料の増減補正を行って最適空燃比となるように制御しています。

      1. XJ6  : エアーフローメーターの空気流量信号
      2. DD6 : インテークマニホールドの真空

    2. 次にウォーミング時の燃料制御は水温を検出しECUがエアーフローメーターの基準噴射量にプラス水温に見合った燃料を増量噴射するように噴射時間を制御しています。

      1. XJ6 : ウォーターレール一番後の温度センサー(配置図-XJ6)
      2. DD6 : 左(B)バンク一番前ウォータージャケット上部温度センサー(配置図-DD6)

    3. つまり電気式のチョークとも言える物で下記の制御を行って最適な燃焼状態を維持しています。

      1. 水温が低いときには燃料を濃く(噴射時間を長く)
      2. 水温が上がってくると徐々に薄く(噴射時間を短く)

    4. この温度センサーに不具合があると水温にマッチした燃料とならず回転が持続しないかもしくは非常にぎくしゃくした回転になり、アクセルを煽ってやらないとちゃんと回らないなどの不具合があります。

    5. それと私の車もそうでしたが日本に入ってきたときにディーラーさんで作業をしたのだと思いますが、センサーに並列に900Ωの抵抗が入っていました。

    6. 参考までに制御用の水温センサーの温度/抵抗特性は次のとおりです。

      水温 (℃) 抵抗値 (KΩ)
      0 5.90
      103.85
      202.50
      301.71
      401.18
      500.85
      600.60
      700.435
      800.325

    7. 例えば水温が10℃の時この900Ωの抵抗を並列につなぐと合成抵抗値は700Ω程となり、50〜60℃相当の信号となってしまい燃料が薄くなります。

    8. この抵抗はソケットのリード線側の端子部に突っ込んであっただけでした、このため接触不良でつながっていなくてたまたま燃料制御が上手くいっていたのですが私がゴソゴソさわったお陰?で接触不良が治り、とんでもない信号をECUに送ったため制御が不調となりました。

    9. ディーラーさんでは日本での運行に何か不具合があったから後から抵抗を付けられたものと思いますが、抵抗を外したあと冬場でも夏場でも起動&ウォーミングに特に不具合はなく、空燃比計の指示も異常はありませんでした、現在も付けていません。

    10. 正規輸入車の場合はコネクターのゴムカバーの中に押し込んでありますので一度チェックしてみてください、もし入っていれば引き抜いてください。


  • 次にオキジャリエアーバルブについてです。

    1. オキジャリエアーバルブとは、エンジンを冷機で起動した場合にウォーミング専用に設けられたスロットルバルブのバイパス空気弁です、動作は下記のとおりです。

      1. 冷機で「開」
      2. ウォーミング終了で「閉」

    2. 動作原理は次の2種類有り下記の車種で使用されています。

      1. XJ6 : ヒーター・バイメタル・タイプ
        • 扇型をした特殊な弁をバイメタルとヒーターで開閉します。
        • ウォーターレールに取り付けられておりエンジンスタート後は水温の上昇と12Vのヒーターによるバイメタルの変形を利用して最適なウォーミング空気量となるように制御しています。

      2. DD6 : ワックス・ペレット・タイプ
        • ラジエターのサーモスタットと同じくワックスタイプの弁が付いています、6気筒のようにヒーターは付いていません。
        • 左バンクの一番後に取り付けられておりエンジンスタート後は水温の上昇のみによる変形を利用して最適なウォーミング空気量となるように制御しています。
        • なお、このボディーにはアイドルコントロール用の調整ネジが付いています、単なるスロットルバルブのバイパス弁ですので回転数を見ながら調整して問題有りません。

    3. これらの動作原理からお判りかと思いますが6気筒の場合は弁の引っかかりで開いていないことなどが考えられます。

    4. 12気筒の場合はラジエター用のサーモスタットと同じく開きっぱなしのトラブルが有るようで、この場合はウォーミングは出来ますがいつまで経ってもアイドリング回転数に落ちないトラブルとなります。

    5. 6気筒のトラブルは今までお聞きしたことがありませんが12気筒のトラブルは何件かお聞きしました。