ストップモーション・アニメーションの世界
ストップモーション・アニメーションの魅力
キングコング
1933年ウィルス・H・オブライエンによって製作された、特撮の元祖と言えるこの作品がストップモーション映画の始まりだったといえる。ミニチュアのキングコングを使って、一秒のシーンを撮るのに24コマ前後のカットを撮影するという、気の遠くなるような撮影のくり返しによって、命を吹き込まれたキングコングが、スクリーンの中で暴れる様は当時としては驚異的なSFXであったであろう。正にストップモーションを含めた特撮映画の歴史的作品である。
ストップモーションの最大の魅力は、本来あり得ない物が、映画の中であたかも生命を持っているような動きや表情を見せてくれる所にある。
この魅力を更に引き出した映画作りをしたのが、 レイ・ハリーハウゼンの特撮「ダイナメーション」映画「シンドバッド7回目の航海」の中で登場する怪物と、ガイコツの戦士が剣を持って人間と戦うシーンは圧巻。作り物と分かっていてもドキドキさせてくれる素晴らしいシーン。正にストップモーションの醍醐味が味わえる作品といえるでしょう。

ストップモーションの世界には古くから、ミニチュアやパペットの代わりに粘土細工を使ってコマ撮りする「クレイアニメーション」があります。1953年に初めて登場したクレイアニメが「ガンビー」。テレビ放映と相まって60年代に爆発的なガンビーブームが到来。50年経った今でも熱烈なファンを持つ不思議な?キャラクター。

ここには書き切れませんが、ストップモーション映画は世界各国で作られています。中でもチェコのアニメーションは独創的で有名。他にもロシアの可愛いキャラクター「チェブラーシカ」は日本にも沢山のファンがいます。

そして現在有名なクレイアニメーションといえば「ウォレスとグルミット」に「ピングー」。どちらも今では知らない人がいないくらいの人気キャラクター。
粘土の素材を生かしたクレイアニメーションは、ミニチュアやパペットよりも形に自由が利く分、表現が豊かになり、奇抜な表現も可能です。
ストップモーションの進化系として、今後も個性的なキャラクターが登場することでしょう。

今や時代はフルCGアニメーション。PIXAR(ピクサー)の作り出すCGアニメも、新作の度に素晴らしく進化しています。しかしこんなCGの時代だからこそアナログチックなストップモーション・アニメーションの、手作りの良さが際立つような気がします。
時代は変わっても、ストップモーション・アニメーションは一つの映画スタイルとして、いつまでもファンに愛され生き続けて行く事でしょう。