アウトバーン&ロマンチック街道 (2001/7/1〜9) NO1
                   (BMW MOJ Europe Touring 2001)        ja3xyd 中谷宏作

 念願のアウトバーン、ロマンチック街道、アルプスの道を走ってきました。幸い天気に恵まれ真夏
にもかかわらず爽やかなロマンチック街道からオーストリアのチロルへ、翌日はアルプスのアップダ
ウンとコーナーリングでイタリアへ、標高2,506mの峠では真夏の雪景色を楽しむ。
 世界中から集まったBMWオーナーとの交流や毎日のディナーではお隣の席の方と友達に、おしま
いには輪になって踊り国際交流も大いに盛り上がりました。
 タンデムでのツーリング参加のため少し心配でしたが、現地BMW Clubメンバーの的確なサポー
トで安心して走ることができました。ヨーロッパでのツーリングを楽しむとともに美味しい食事や観
光なども充実したツアーメニューに大満足し無事帰国。 感謝・感謝
さあツーリングへ
 4日朝、バスでBMWのディーラーへ、店の前にバイクが12台並んでいます。(バイクはR1150RR1100
RT、R1150RT、R1150GS、R1200Cそれに伴走車のBMW乗用車)国際免許証を提示しレンタル契約書(車
両保険も)にサイン、キーを受け取る。メカニック立会いで車両点検(転倒等による傷をバイク返却時
に再度確認する為)と満タンを確認します。
 さあ出発です。BMW Clubのインストラクターを先頭に次々とスタートしていきます。私の1台
前のバイクが右折中に転倒、アッという間もない一瞬の出来事でした。 大丈夫? ドイツのインス
トラクターが一車線をふさいでくれているので車は来ていませんが、ディーラーの皆さんが見送って
くれているまん前でのハプニングに一瞬 びっくり。(前輪後輪同時に作動する新式のブレーキシステ
ム。非常によく効ますと聞いてはいましたがと・・Kさんの後日談)

  次は大きな交差点での左折です、「左大回り、右側車線」と口の中で復唱しながら無事左折。天気
は快晴、真夏にもかかわらず湿気が無いのでそれほど暑さは感じません。
  ヨーロッパでは車は右側通行です、安全走行や迷子にならないよう、ツーリング中に情報を聞ける
ようにと全員トランシーバーを持っています。無線のテストに感度良好の合図、皆さんの左手が上が
ります。このトランシーバーがツーリング中安全走行などに大変役立ちました。

 直ぐにアウトバーンに入りました、左後方を目視で走行車線の安全を確認、左ミラーを見ながら走
行車線に移行。始めてのアウトバーンですので走行車線を時速100〜120kmくらいで走りました、この
スピードですと日本とそう変わりありません。
 トラックや遅い車は一番右側の車線を走っています、遅い車を追い越すとき車線移行で、センター
側の車線に移りますが、その車線は相当のスピードで走っていますからバックミラーで見て、そして
後ろをちょっと振り向いて、またミラーを見てからの車線移行です。最初は緊張しましたが追い越し
もOK。(勿論、入り口のゲートもありませんからスーとアウトバーンに入れます)

 私は今回のツーリングで唯一タンデムで走るバイクです、アウトバーンでの走りには特に気を使い
ました。ところが車と人と信号に注意しながらいつ飛び出してくるか分からない一般道の走りに比べ、
アウトバーンはなんと快適な走りができるのかと感動しました。
 最初はお尻が痛いとか何とかでツーリングに渋っていた嫁さんですが、そんなことは忘れ、最後ま
でしんどいなんていう声を聞きませんでした。それぐらい高速道路でのタンデム走行は快適です
 パーキングで小休止しインストラクターによる点検の後スタート、まもなく一般道に入りましたが
料金所のゲートも無く、またそのための停止や渋滞もありません。
 アウトバーンでのバイクの2人乗りは安全で快適、なんと気持ちがいいものか、そして料金が要ら
ないなんて。日本で高速道路二人乗りがなぜ禁止なのか 一般道路より数段安全なのに。日本も早く
高速道路の二人乗りの禁止を解除すべき、と強く感じました。

 いくつかの街を通り過ぎます。ミュンヘン市街と同様に郊外の街も落ち着きのある、あのヨーロッ
パのイメージどおりの街並、ゆったりと流れる川のほとり、建物は古くなってもよく手入れされ、窓
にはきれいな花をいっぱい飾っている、あの風景の中を走っていきます。ヨーロッパに来たのだなと
感激しながら、しかしキープライトを忘れないよう呪文を唱えながら前のバイクについて走ります。

 地方道に入りますと小さな町をいくつも通り抜けました、町の手前に速度制限の標識が必ずありス
ピードを落とします。時折信号もあります、信号は、青−黄−赤―赤と黄−青の順番です。赤と黄が
同時に点灯しますと「次は 青 ですよ」、の予告です。赤・黄でエンジンスタートです。
 この方式は合理的でいいですね。日本のドライバーもこの方法を実質的に使っていますね。隣の信
号を見て黄色になりますと次は前の信号が青になりますので。

 郊外ですから広々としたところを走るわけです、最初は山なんか見えません。さすがヨーロッパ大
陸ですね。丘陵地帯一面が畑や牧草地、数戸から数十戸の民家が点在しています。また小さな森や林
もあり私のイメージどおりの景色です。
 日本でしたら平地は田んぼです、水田ですから田んぼは水平ですね。向こうでは丘陵地が畑や牧草
地ですから丘が柔らかな曲線です、このため景色がよりやさしく見えるのですね。

 ツーリングのコース選定はドイツのBMWバイク仲間がコース設定をしてくれています。アウトバ
ーンから地方の景色のいい、しかもバイク向けのワインディングのコースです。オーストリアのチロ
ルまでアウトバーンでしたら半日で往復できる距離を、初心者の私たちのため、交通ルールも学び、
そして休憩も取りながらのコースを選んでくれています。
 丘の上のレストランで昼食をいただきました、そこまでのしばらくの間一車線の道が続き森の中を
走ります。狭い道ですのでセンターラインがありません、ブラインドカーブで対向車に出会った時、
とっさに左に避けようとして一瞬ヒヤッとしました。走行中はいつも右側通行、右側車線を走るのだ
と唱えていましたが、白線の無い道では一瞬日本の走りになりそうでした。

 丘の頂上には教会が建っていまして中を見ることができました。丘のふもとに民家は余りありませ
ん。近くに住んでいる人はそんなに多くないように見えましたが教会は古くともきれいな建物で、中
に入りますとそれは荘厳な感じが致しました。
  丘の一番高いところのレストランですから眺望は360度。あのヨーロッパの景色が一面に広がって
います。雪をかぶったアルプスの山並みがずっと遠くに見えています。これからあそこまで走って行
くのだなと思いつつ食事をいただきました
 レストランには10組ぐらいの夫婦の方が食事をしておられましたが、リタイヤした方が多かった
ように思います。テラスでゆったりと食事を楽しんおられました。このシーン、絵になりますね。

 ツーリングコースはドイツBMW Clubのメンバー(BMWのインストラクターもしている)のトッティ
達のお勧めコースで、丘陵地の中をアップダウンしながらのコースは、次々と変わる景色を見ながら
の走りで退屈をさせません。
 そのメンバーが4人、先頭と最後尾、中間に二人の方が一緒に走ってくれています。メンバー全員
が無線で交信しながらの走りです。交差点やロータリーでは安全を確保してくれていますので、私た
ちは安心して走れました。

 日本からバイク関係のジャーナリスト、あの「山田 純さん」がインストラクターとして同行して
いただいていますので(通訳もしていただきました)、こちらの交通ルールや交通情報、またドイツ、
オーストリアについての見所を解説していただいています。皆さんバイクに乗っているのですが、あ
たかも観光バスに一緒に乗ってガイドさんに説明をしていただいているようなものですね。ヘルメッ
トの中でうなずきながら楽しく走れました。(各車トランシーバー設置の偉力)

 次の休憩でまた別の教会に入りました。休憩するところによるとは思いますが、そこにも教会があ
リました。小さなお店もあって飲み物を購入します。 (自動販売機はほとんど見かけませんでした)
そこに教会も建っているわけです。周りの景色は農村といった感じです。民家が点在しているだけの
ところです。そんなさみしい感じの所ですがしかし立派な教会が建っていました。

 農村に点在する農家、そこで暮らす人々のための教会、そこに小さなお店もあって買い物をする、
そこに旅行者が立ち寄る、そんな田舎の中をバイクで走ってきました。そのような教会を見るたびに
生活の中に宗教が根付いている感じで、そこに生活している人々と宗教、そして教会の立派なこと、
ヨーロッパの歴史と生活の中の宗教を感じました。

 次第に山が近くなりますと適度のアップダウンとコーナーリングがさらに楽しくなります。この道
がロマンチック街道ですと淳さんからの声が聞こえてきました。11時方向の山の中腹に小さくお城が
見えています。 お城です。あー これがあの有名なイノシュタインバンシュタイン城。
 平地から切り立って険しくヌッとそびえる山のすそのにお城は建っていました。有名なお城ですか
ら髪の毛や眼の色の違うさまざまな国からの観光客も多かったですね。
 そこへ大型バイクの集団が止りますとちょっと注目されます。ヘルメットを脱ぎますと女性のライ
ダーもいてます、白髪の方もいますのでまたまた注目です。日差しはきつく、止れば暑くて汗がどっ
と噴き出します。休憩のときは皆さんラィディングウェアーを脱いで水分補給です。
 向こうの方は炭酸ガス入りの水を飲むのでしょうか? ペットボトルを買うとき間違えますと水を
飲むときえらい目に遭います。購入するとき「ウオーター、ノンガス」と指定して買います。

 地方に行きますと交差点はほとんどロータリー式で信号はありません。トッティが先導ししていま
す、私たちのバイクの間に入っている2番目3番目のインストラクターが、スーと前に出てロータリ
ー内で安全を確認し、手信号でゴー、ストップを合図してくれます。
 このおかげでロータリー内の優先順位を間違えることなく通過できました。こうして走っています
と私たちも次第に交通ルールが身体で分かってきます。

 次第に山に近づき峠道にさしかかります。今まで遠くに見えていましたあのアルプスに向けて急坂
を走っているようです、そしていつのまにかオーストリアに入ってしまったようです、国境の検問所
をいつ通り過ぎたのか気が付きませんでした。
 オーストリアではチロルのホテルに二泊します。ミュンヘンをスタートしたときは平地ばかりでし
たが、丘陵地になり、遠くにアルプスの山並みが見え、そしてアルプスが次第に近づいてきます。
日本ですと直ぐ山また山ですがさすが大陸です。広いですね。
 以前カナダに参りましたが飛行機やバスでの移動でしたので移動中はよく眠っていました。今回は
バイクに乗っていますので周りの景色はもとより、信号待ちで隣のドライバーとの会話やガソリンス
タンドでのふれあい。アルプスへの勾配、距離感などが実感できました。

 今日の宿はチロル(州)のシーフェルド(Seefeld)という所にあるホテルです。シーフェルドは
標高1000mを越えるところですので今までの暑さが嘘のようです。(あの軽井沢の町も確か1000mだ
ったと思いますが同様の快適さです)
 爽やかな気温のシーフェルド(Seefeld)、残雪のるアルプスが近に見えるところで冬はスキー客
で賑わう町だそうです。チロリアンハットをかぶったあの写真に出てくるような街並です。ホテルは
30〜40室ぐらいのこじんまりした建物で、庭や玄関や窓にはきれいなお花が咲いています。

 今回のツーリングは二つの目的がありました。ドイツのBMW Clubの仲間とのツーリング、もう一つ
はBMW Club Festivalへの参加です。BMWの四輪と二輪のClub合同のお祭りがここシーフェルド
で開催されているんです、それにも参加し楽しい夜を過ごしました。
 緯度が高いと夏場は夜が何時までも明るいですね。夜9時を過ぎてやっと日本の夕暮れというくら
いの暗さといいましょうか、その程度の明るさです。チロルは空気も澄んでいますから星が近くにき
れいに見えます。手を伸ばして星をお土産にしたいと思ったくらいですね。それほどきれいに見えま
した。
 ホテルの部屋もゆったりとして快適、窓には花が、そしてその窓からの景色がまたいい。広い牧草
地の向こうにあの民家が、その向こうに雪をかぶった山が見えます。いつもの旅行と違い部屋の中に
はヘルメットやブーツが見えます。

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