ワイパーモータ利用の電動基台       戻る


HFのモービルアンテナはどうしても大きくなり市販されている電動基台では

力不足で無理するとすぐ壊れます。

そこで大きなアンテナにも耐えられるだけのトルクがある

車のワイパーモータをなんとか利用できないかと製作した。

数ある中でトヨタ、ルシーダの後部ウインドウ用のものをヤフオクで見つけ利用した。

ワイパーはご存知のとおりスイッチをどの位置でOFFしても

定位置で止まるようになっている。

せっかくのこの機能を利用しない手はありません。

早速分解してその構造を理解せねばなりません。

回転する構造は単純です。

DCモターでウオームギヤを介入させ回転させているだけです。

ウオームギヤは停止時のブレーキの役目もするのでたいへん好都合です。

写真はカバーを開けた状態です。

なにやら導電性回転盤に接触する接点らしきものが二つ入っています。

実はこの接点がスイッチを切ってもいつの定位置に止まる仕組みを構成しています。

片方の接点側は導電回転盤の一部に切込みがあり
この部分に接点が来たときに電流が途絶え定位置に止まるようになっています。

もう片方は常に導電回転盤に接触しています。

起動時には二つの接点をスイッチでショートさせることで通電状態になり

導通状態が保持され回転続けます。

OFFする場合は二つの接点を開放すれば

切込みの部分に至るまでの間は通電状態になるので

回転は続けますが切込み部分に来ると電流が遮断され止まります。(回路図)

ワイパーが往復するのはピストンが往復するのと同じように回転運動を往復運動にしてメカ構造で実現しています。

さて構造が理解出来たらさっそく仮配線をして動作確認を行います。

しかしここで致命的な大問題が発生します。

DCモータのリード線が一本しか出ていなく片方がモータカバー内部でどうやらボディにアースされてしまっているようです。

これではテストラボ環境ではOKでも車に取り付けてから

極性を替えて逆回転ができません。

こんどはモータケースを開いての観察です。

ビスを外して慎重にケースを外します。

どうやら後部の軸受けがケースと一体になっているらしく

抜いていくとロータも一緒に付いて来ます。

ある時点まで抜くとなにやらカチンと音がして何かが外れたようです。

注意深く観察するとバネで押されていたカーボンブラシが

接触面から外れたのです。

バネで押されながら回転する部分に接触していたのです。

ともかくケースが外れロータが丸見えの状態になりました。

よく観察するとブラシの片方の端子が直接ビスでボディにアースされていました。(下写真)
丸端子の付いた黒色のリード線はもともとボディにアースされていた線。
このリード線を利用して

外部に取り出せないだろうかと

無い知恵を絞ったあげくプラスチック製のビスに取替えて

そこにこの丸端子が付いたリード線を固定する事にしました。

スペースがたいへん狭いので丸端子がモータケースに当たります。

当たるる部分はカットして整形します。

丸端子をニッパーで穴ギリギリまで切り詰めます。(下写真)

なんとか無事に片方をアースから浮かす事ができ

リード線をうまく外部に引きださせるような形になりました。(下写真)
これで2本のモータ用リード線が完全にアースから浮く。(青と黒)

リード線がケースに噛まないよう配置させながらモータケースを元に戻します。

これがまた難関です。

カーボンブラシが飛び出しているのでそれを元のさやに収めなければなりません。

ヘタすると小さなスプリングが飛んでしまい行方不明にしてしまうので要注意です。

ピンセット等をうまく使いブラシを元にもどしつつ、

ケース側のロータ軸受けに軸を入れつつ、

ウオームギヤにかませつつ、

少しづつ慎重に装填します。

この作業はちょっと苦労する部分です(汗)。

うまくケースが納まると通電テストです。

6極のトグルスイッチで極性が反転するのを確認します。

配線は図のとおりです。

定位置停止の接点も配線します。

しかしこれではまだ実用になりません。

ある位置で停止はできてもその逆回転で回転角90度未満で

停止させねば実際にはアンテナを付けての使用が出来ません。

それにはマイクロスイッチのお世話になります。

ワーパー内蔵スイッチを使用しないでモータの回転正逆させてそれぞれ2個のマイクロスイッチで

制限OFFさせるのもいいと思います。
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