お墓Q&A

   皆様から寄せられるお問い合わせの中で、特によく尋ねられる項目をまとめました。

1.お墓っていくらくらいするのですか?

  この件にお答えすれば、お客様の質問を全部答えることになってしまいますが、一番尋ねたいことだと思いますので、
あえて一番先にこの項目を持ってきました。
お墓を作るのに、まず墓石を設置する場所、つまり墓地が必要となります。
この墓地購入代金(永代使用料)が、お墓を作るうえで、およそ半分くらいの費用を占めると思います。
墓地といっても、その形態はさまざまです。集落・自治区が単独また、複数の地区の管理委員会で管理する
いわゆる『ムラ墓』や地方公共団体の管理による公営墓地、宗教法人の名のもとに山林を切り開かれて作られた私設霊園、
そして、寺院などの宗教法人の施設内になる墓苑・・・。

この中で一番安いのは、やはり、『ムラ墓』でしょう。先祖伝来の墓所に近所の知り合いばかりが固まって墓地管理委員会を
作って運営するので、営利性がほとんどないからです。
次に安いのが、公営墓地です。この場合も、住民のために税金をつぎ込んで作られたものが多いので営利性がなく、施設環境や
墓地の面積等、使いやすさを考慮して作られている場合が多いので、お奨めです。
次は、私設霊園でしょう。日当たりのよい山の斜面等に新しく造成された霊園が多く、面積的にもゆったりと作られています。
値段の方は、ムラ墓や公営墓地に比べて、かなり高くなります。霊園開発にかかった費用、そしてやはり営利性が伴いますので、
公営墓地の倍くらいの値段設定じゃないかと思います。
最後に寺院等宗教法人施設内の墓苑ですが、狭い土地の中によりたくさんの檀家様、信者様の利用を考えるため、狭い墓地が多く、
そのために費用は割高です。でも、管理においては、一番行き届いてると思います。
お墓を建立するには、最低1霊地(90cm四方)の面積が必要です。この1霊地単価が、上の4つの場合で、それぞれ違ってくるわけです。
聞いた話から推測すると、1霊地あたり 10万円(ムラ墓)〜100万円(寺院墓苑)という感じでしょうか。
以上のことから判断すると、一般的な例では、私設霊園4霊地で160万円位が平均的なお値段じゃないかと思います。

さあ、墓地が手に入りました。次に必要なのは、隣接地との境界を示す、囲い石、つまり巻石です。
巻石は、一般的に次の規格の石が使われます。
 幅3寸(9cm)×高さ6寸(18cm)・・・三六(さぶろく)延石
 幅3寸(9cm)×高さ8寸(25cm)・・・三八(さんぱち)延石
 幅3寸(9cm)×高さ1尺(30cm)・・・三十(さんとお)延石
 幅4寸(12cm)×高さ5寸(20cm)・・・四五(しご)延石
 幅4寸(12cm)×高さ8寸(25cm)・・・四八(しはち)延石
 幅4寸(12cm)×高さ1尺(30cm)・・・尺四(しゃくし)延石
この規格によって値段が違います。
また、仕上げ磨き仕上げサンダー仕上げによって、異なります。
さらに石質によっても違います。
青みかげ石白みかげ石か。同じ青みかげ石でもランクがあります。
そして、形状によっても異なります。
四方巻き、階段式、繰り階段式、玉垣付き柱石階段式(いわゆる関東型巻石)等があります。
最後の要素が、墓地の広さ(周囲の長さ)です。
最近、流行の関東型巻石(青みかげ石使用・磨き仕上げ)を例に取ると、30万円〜80万円位になると思います。

墓地・巻石が用意できましたら、いよいよ墓石本体のお話です。
お墓の立て方には、大きく分けて2通りあります。
1つは、代々墓式の石碑。もうひとつは、墓相式の石碑です。
代々墓式というのは、先祖から子孫まで1つの石碑の納骨室に各代の遺骨を納めていくやり方で、石碑の数は1つだけです。
地蔵墓も建立するお家もありますが、基本的に石碑1基で先祖供養します。そのご先祖様の各代の戒名・法名・俗名等を過去に
残すために、『霊標』『法名碑』『墓誌』と呼ばれる、屏風状の石板を併設する場合が多いです。
お家の家族構成により、霊標等石板を必要としない場合もあります。
この代々墓の値段は、石質・サイズ・デザインによって、色々です。一般的に、白みかげ石は安く、青みかげ石、黒みかげ石は高いです。
サイズも代々墓の場合、7寸型・8寸型・9寸型・尺角型の4種類が一般的で使用する石の体積で、値段が変わります。
また、デザインを手の込んだものにすると割り増しになります。
その他、最近では中国産のみかげ石が日本国内に出回り、国産のみかげ石よりも、多く墓石に使われるようになってきました。
石質は、国内産と比べてもほとんど変わりませんが、人件費の差が大きく反映して、国産品に比べてかなり安いです。
中国産の青みかげ石使用、8寸型の石碑でしたら、30万円〜80万円。国産品の青みかげ石8寸型でしたら、60万円〜300万円位でしょう。
霊標等石板は、おおよそ、石碑本体の3分の1くらいのお値段です。
例えば、100万円の石碑に同じ石種の霊標をつける場合、30〜35万円となります。
墓相式というのは、古い仏様の供養、つまり先祖供養に、五輪塔を墓地の上座である右側奥に配置し、その左横に夫婦2名のみのための石碑
(夫婦墓)を建て、またその左横に次代の夫婦墓、またその横に・・・というふうに、世代が変わるたびに新しく石碑を建てていくやり方です。
つまり、複数の石碑で先祖供養し、人相・手相・家相と同じように、墓相という考えを取り入れたお墓の建て方であるわけです。
墓相学によると、絶家させない(子々孫々累代を願う)ようなお墓の建て方を目指し、色々な制約のもとにお墓を作ることになります。
ですから、代々墓に比べて少し小さい目(7寸型が基本)ですが、デザインも定型化し、セメント等人工の素材を使わないということで、石碑本体の
台石と台石、台石と仏石(一番上の部分)の接合面に『ホゾ』『大入れ』と呼ばれる凹凸の細工をして横ずれを防止していますので、この細工料も
加わり、お値段も割高になります。使用する石も高級国産品を使い、青みかげ7寸型石碑で80万円〜200万円ほどかかります。

以上のように、一般的に墓地購入から、巻石、そして石碑建立までの費用は、平均として100万+40万+120万=260万円 という感じじゃないでしょうか?


2.お墓はいつ建てるのが良いですか?

 これもよく尋ねられる質問ですが、ひとことで言うと、いつでも構わないということになるでしょう。
良い日、悪い日とよく耳にしますが、仏の供養、先祖供養、故人の霊を弔うことに、良いも悪いも無いと思います。
大安・赤口・先勝・友引・先負・仏滅・・・暦の上で、このような6種類の名前を見ますが、これらの日に、何か事を
為すとどうだとかいうのは、仏や霊に対してでなく、実行する側(生きている者)の運勢を示しているに過ぎません。
先祖のために、貴重な金銭・時間を費やして善行を行うわけですから、悪いことが起こるというようなことがあるわけがないと
私は考えます。病気をしたのは、お墓をいじったから、家がひっそくしたのは、お墓をいじったから、そのような話を聞きますが
これは大きな間違いです。まったくの偶然でしかないと思います。
しかしながら、世間一般的には、まだまだ、これらのことを気にされる方が多いです。
そこで、世間一般的な考え方、慣習についてお話したいと思います。

お墓を建てようと、考え付くのは、やはり身内の死亡が第一でしょう。
では、亡くなられてから、いつ建てるのが、良いか・・・。

A:墓地をお持ちでない場合
1周忌(神道系では1年祭)建墓を目標に、まず墓地を用意しましょう。
1周忌の法要日を基準にして、その1〜2週間前には、建墓したいものです。
その建墓日より逆算して、1ヶ月前までには、墓地を確保し、墓石の注文を
終えておきましょう。

B:墓地を確保している場合
墓地を既にお持ちの場合は、亡くなられた方の遺骨(大きい壷:どう骨/小さい壷:本骨(のど仏))のうち、大きい壷の方を
墓地に持っていって、埋葬(骨壷のまま)し、小さい壷は、自宅仏壇などで保管しておきます。
このとき、埋葬した遺骨の位置がわかるように、墓標(木製)を立てたり、こんもりと土盛りをしたり、お花立て・線香立てローソク立て等の
備品を用意します。
そうしておいて、建墓は、初盆(神道系やキリスト系を除く)を経た後の、『秋の彼岸』や『春の彼岸』をめどに準備されたら良いでしょう。

どちらにしても、最近では、1周忌や3回忌(2年目)までに建墓される方が、8割くらいかと思います。
7回忌・13回忌に建墓というような風習(昔の土葬の名残)は、薄れてきているようです。
あと、日にち的には、大安・先勝が建墓日に喜ばれます。


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