春の歌(無言歌集) - メンデルスゾーン

「クリスマス」の時の "before/after企画"が好評だったので、かどうかは知りませんが、こんな私でも練習すれば 変わっていくことが実感できてうれしかったので、また記録を残しておこうと思います。

「春の歌」ってね、季節は本当に春ですか? 今までぼんやりとしか聴いたことなくて、ずっとそう思ってきたけど、 音をとり始めて思うのは、これって「春を想う(望む)冬の歌」じゃないかしら。
時々響く「憂い」の音。たとえば、20〜23小節のあたり。こっちが「今」(現実)で、曲の大半を覆っている 春風や花吹雪を思わせる装飾音が「空想」(切望・理想)だと受け取れます。低音のオクターブ和音、ゴーンゴーンと 強く響く音、「大地」を感じます。地殻が動き出す音。阪神大震災のとき、ぐぉぉぉぉ〜って爆音・地響きがして、 身体をつきあげられたように感じた瞬間、激しい揺れに変わった。あの大地の音、きっと一生忘れないと思う。 「大地が意思を突きつけた」。ゴーンはまた「氷が割れる音」にも聞こえる。氷河の生命。
自然の春は人の春よりも2ヶ月ほど早い。今もう2月の後半にさしかかった。急がねば。

練習開始2週間後 (before)

いやぁ〜(-_-;) 音符多いね。おばーちゃんにも見えるようにその装飾音符、大きく描いてもらえんかな。 「アラベスクT」の時も音取り苦労したんです。あの時は異質な音の組み合わせに迷ったから。一度耳が覚えてしまうと 自分の弾いた音が合ってるのか間違ってるのかの区別は容易かった。「春の歌」は3度違ってアルペジオを始めても 「それらしい音」になってしまい、まだ判別がつかないです。楽譜とにらめっこして、左手が「次の一手」を探して 鍵盤の上空10cmを空中散歩、実に怪しい動きをします。

聴く (2/26録音)

お断り:
以前ここには「練習開始1週間後」の録音もあわせて載せていましたが、スタートラインまで相当な距離が あり、before/after企画にそぐわないと判断したため、削除しました。  ってゆーか、ぶっちゃけ、置いといても、あんなもん、あたし一生聴かないしぃぃ。

仕上がりのつもり版 (after)

たくさんの課題を残しながらも一応終了しました。

聴く (4/2録音)

上↑でも少し書きましたが、私が考える「春の歌」は「春を想う冬の歌」です。今、辛い苦しい思いをされている方が いらしたら、その方のために「応援歌」として捧げます。

本当に独りぼっちなわけではない。「大丈夫だよ」「気にしないで」「忘れちゃいなよ」。 わかってはいるけど、笑顔でそう言われると、ますます独りぼっちになっていく。もし、あぁだったら、もし、こぅだったら‥ 空想が空想を呼び、現実がだんだんと薄れてゆく。
お馴染みの出だしのメロディーは「空想(理想)」ととらえました。音が不安定になったところが「現実」です。
鏡に姿を映してみます。あなた、誰? なぜそんな顔をしているの? 前はもっと 笑っていたじゃない! いけない、こんなんじゃいけない、変わらなくちゃ。髪を切って、久しぶりにお化粧をして、 新潮したドレスをまとって、友人と笑って、習い事だって始めた。元通り、元通りにするの、新しくなるの。
不安定な音(憂いの音)から続いて、初めて出てきた装飾のない和音を「意志」と考えました。華々しく舞う音は 「がむしゃらに努力するさま」。
疲れちゃったよ、もう疲れちゃった。頑張ったってダメなもんはダメじゃない!  いっぱいいっぱい追い詰めて、ギリギリまで無理をして、それなのに鏡に映る顔はこの前と同じ。からまわり。からまわり。 からまわり。
聞こえたかな。「ゴーンゴーン」という低音の響き。「息吹」です。(後述)
彼女は泣きつかれて眠ります。ぼんやりとした日を繰り返したある日、ふと、歌を口ずさんでる 自分に気づきます。今日はなぜかな、そんな自分に嫌悪感よりも安堵をおぼえます。「外へ出てみようかな。辛かったら 帰ってこよう。」
出だしのメロディーがpp(ピアニシモ=小さな音)で始まるところが鼻歌。装飾音の表情が変わる箇所が「内側から 湧き上がる力」です。ここでの華やかな舞は音が2度あがることを除いて前半と同じ動きですが、前者を張り詰めた感じに、 後者をおおらかに弾きたい、でも難しい。ここの主人公の女性にパワーがみなぎってきたのと反比例して?演奏者の私はかなり疲れてきている(-_-;)
自分が正しいかなんてわからない。辛かったらやめればいい。泣いたっていい。また 勇気が出たとき歩けばいい。きっとこれからもたくさん迷う。それでもいい。
ずいぶん時間が経って気づくことがある。あのとき、「からまわり」と感じていた瞬間も、はばたく力の芽は少しずつ 私の中で育っていたんだね。

「息吹」のとこだね。(前述)  私はこの曲のエンディングで曲の出だしより「少しだけ季節がすすんだ」ことを表現したい。春は突然やってくるものではない。 少し進んでは少し戻って‥を繰り返して、そんなこと意識しなくなった頃、春は訪れている。 そういう音がどういう音なのか、どうやって弾いたらいいのか‥ そこだけ拾ってみても、私にとっての「春」はまだまだ遠いです。