ハイドンの名によるメヌエット

力不足を認識しつつも私のごり押し?で教えていただくことになった初ラヴェルです。

この曲は、ハイドンの没後100年を記念して作曲されたもので、HAYDN というスペルを音に表すと 「シラレレソ」となり、これを主題とした曲だそう。 H=シ♪(ロ音)、A=ラ♪(イ)、D=レ♪(ニ)に、対応のないYとDをアルファベットA−Zを ドレミファソラシに順に置き換えて、ラ♪とレ♪。 曲ってこんな風にして創られることもあるんですね。

音もなく降る雨‥をイメージしていて、そんなシーンをお伝えしたい気持ちはあるんだけど、 なんだか言葉にすると壊れてしまいそうに繊細で。何かを感じたらそれでいいし、感じなければそれでもいいし。

出だしの4小節が
ガラス戸の向こうに目をやって。紫陽花の葉はしっとり濡れて。
終わりの4小節が
「あ。かたつむり。」
ストーリーをつけるならたったこれだけの気がします。 ぼ〜んやりしてて、何か考えごとした気もするし、何か思い出した気もするし、眠りに落ちた気もするけど、 どれも定かじゃない。8小節に挟まれたのはそんな時空間。

お稽古で「メヌエットリズムをくずそう」となったときから、私が目指しているのは「口ずさめない音楽」です。 曲を一度二度聴いたら、一緒に合わせて鼻歌にできるもの。きっちりしたリズムじゃなくても、期待と予測で 合わせることが可能です。私はこれを「裏切りたい」と思いました。
ラヴェル音楽に対する私の印象は「裏切る音」です。「こんな音がくるはずだ」をかたっぱしから裏切ってくれます。 私はさらに「裏切るリズム」を加えたいと思いました。もっと速くなるのかと思ったら遅くする、だんだん遅くなると 思ったら予想以上に遅くする‥ これを感情を込めないで、曲線的にではなく直線的に弾く。 裏切ろうとしていることさえも気づかせないように。
そんなことできる日がくるかしら。