ホームへ戻る

犬はストレッチの師匠



 我が家では犬を飼っていますが、その行動を観察していると、いろいろ面白い発見があります。
 腹が減ってそろそろご飯の時間だなとウロウロする以外、一日のほとんどを寝て過ごす小原庄助さんのような生活(朝酒、朝湯はいたしません)ですが、時々起きて先ずすることはストレッチです。
 それはそれは気持ち良さそうに伸びます。
 で、ふと考えました。
 コイツは生まれてすぐに親から離れて家に来たのだから、これは親から教わったというはずはない。家族の誰かが、毎日ちゃんとストレッチ体操をして元気に過ごしなさいと教えたこともない。
 きっとこれは気持ちがいいからしているんだろうけれど、からだが硬くなっていたらこういう動きをすればいい、ということを本能としてわかっているのだろう。
 当たり前のようですが、この当たり前を近頃ニンゲンは忘れてしまってるのではないでしょうか?
 まあ、時々は、長いことパソコンの画面に向かっていたり、テレビを同じ姿勢で見続けていると、自然に伸びをすることもあるでしょう。
 大切なことは、この「自然にする」ということじゃないかと思うのです。
 今の時代は科学技術が進歩して、体の動きまでカガクテキに分析されるようになりましたが、一番大事なことは理屈よりも、「気持ちよく動く」ことじゃないでしょうか。

 数えきれないほどいろんな体操があります。
 どれもとても良く考えられた素晴らしいものだと思いますが、あまり形にこだわるのは、逆にしんどい気がするのです。
 こう教えられたから、こう書いてあったからと、まじめな人ほどやり方にこだわって、そのとおり忠実にやろうとするあまり、ストレスになっていませんか?
 そりゃあ、ある程度はお手本としてのやり方を習わなければ、どうすればいいのかわからないと思いますが、基本さえ覚えれば、あとは自分のからだに「気持ちいいかどうか」訊ねながらやったほうがいいと思います。
 犬が誰にも教えられないまま、自然に最適なポーズでストレッチするように、ほんとのやり方はからだというか、本能がちゃんと知っているのではないでしょうか。
 そうです、疲れたら自然にアクビが出たり、伸びをしたり。これをもっと積極的にやればいいのです。
 あまり偉い人の前で無造作にすると行儀が悪い!などと叱られますが、どんどん人の目を盗んでやればいいのです。
あくびは不足している酸素をたっぷり取り入れ、顎や首の筋肉もストレッチします。
 犬を飼っていらっしゃる方はぜひ、犬の動きを良く観察して、見習ってみてください。

 我が愛犬は、誰が訪ねて来てもひたすら尾を振るばかりで、とてもじゃないが番犬の役には立ちませんが、忘れていた自然の摂理を教えてくれる大事な師匠の役割は果たしてくれているようです。

 医王整体院では、そんな師匠のストレッチをお手本に、時にはネコになったり亀になったり、ダルマさんにもなったりして、とにかく気持ちよくカラダを動かす体操教室を開催しています。

 みなさん「家ではなかなかしようと思ってもできないけど、ここへ来るとみんなと楽しく気持ちよく体操ができる」と、毎週木曜日の体操教室を楽しみにしておられます。

▲ページトップへ