宇宙創世のシナリオ
20世紀に入って天体観測用の望遠鏡が飛躍的に発達し、星の世界から銀河の世界が観測できるようになりました。アメリカの天文学者エドウィン・八ップルはウイルソン山の天体観測所の100インチ望遠鏡で遠い銀河を観測していると、遠くの銀河が地球から遠ざかっており、さらに遠い銀河ほど早い速度で遠ざかっている事を発見しました。(膨張する宇宙) |
10 -36 秒後 10 28 度 |
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全宇宙の直径は1cm高温高圧の光だけの世界。クォークと反クォークが衝突し2個の光子になり、2個の光子が衝突しクォークと反クォークの対が生まれる。光と物質の区別がつかない世界 |
10-34秒後 10 27 度 |
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光どうし衝突しても物質が生まれなくなり、一方クォークと反クォークが衝突して光が生まれ続ける。しかし反クォークよりクォークの方がわずかに多かった為クォークが残ります。このクォークが宇宙の全物質を造りだしたのです |
10
-6
秒後 |
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クォークが結合して陽子や中性子を造る |
3分後 |
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陽子や中性子が互いに結合しヘリウムの原子核が造られる |
10万年後 4千度 |
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電子が原子核に取りこまれ水素、ヘリウムの原子が形成される。それまで電子に引き寄せられて進路を阻まれていた光は直進できるようになり(宇宙の晴れ上がり)物質の姿が見えるようになる |
10億年後 |
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物質が寄り合い集まり宇宙の大きな構造を形成する。物質の密度の濃い部分ができ、さらに重力により密度の濃い部分があちこちにできます。ガスでできた雲の塊が自身の重力で縮みはじめ回転しながら中心に集まっていきます、銀河の誕生です。 |
それは星の生と死が関係しているのです。太陽を例にとると、中心部の水素が燃え尽きヘリウムに変わると中心部の温度が上がり膨張し、赤色巨星に変貌します。そして、惑星状星雲を放出し寿命を終え、高密度の中心核は白色矮星になります 太陽質量の1.4から7倍の星はその後ヘリウムの中心核の温度は2億度に迄あがります。するとヘリウムが核融合し炭素が生まれます。ヘリウムと炭素が核融合し酸素が生まれます。そして膨張し温度上昇が限界に達し核融合は止まり、超新星爆発により一生を終え、炭素や酸素を含んだチリやガスとなって宇宙空間に広がっていきます。その残骸が新たな星の材料となるのです。中心部には中性子星が残ります。 質量が太陽の8から40倍の星は 、酸素が生まれた後、中心部の温度が7億度を超えネオン、マグネシウム、30億度を超えるとシリコン、硫黄、アルゴン、カルシウム、50億度まで上昇したとき鉄が生み出されるのです。そして、すさまじい大爆発が起こり超高温高圧のエネルギーで残りの60種類あまりの元素が次々に生み出されます。新たに生まれた元素はチリやガスとなって秒速数千キロメートルという猛スピードで宇宙空間に広がっていくのです。 さらに40倍を超える星では超新星爆発は起こらず、中心部の核が重力をささえきれず落ち込みブラックホールになるのです。 これですべての元素が出そろったのです。さらに、星の残骸の中心部に出来る中性子星同士の衝突等により、超新星爆発では少ししか生まれなかった金などの重い元素が大量に造り出されていきます。そして、約46億年前の太陽系誕生時にはすべての元素が満ちあふれていたのでした。 ビッグバン宇宙論はあくまで仮説で矛盾点も多くあります。その一部を補う為にインフレーション理論(アラン・グース、佐藤勝彦)というものもあります。 |