海王星(neptune)

 太陽から8番目の惑星で、木星型惑星としては最も小さい。地球からは肉眼で見ることはできない。地球を除けば、太陽系で最も青い惑星である。

 海王星は、1846年9月にベルリン天文台のJ.G.ガレ(1812〜1910年)により発見された。海王星の発見には数学が貢献した。イギリスのジョン C.アダムス(1819〜1892)とフランスのウルバン・ルベリエ(1811〜1877年)の二人の数学者は、1781年に発見された天王星の軌道に計算と観測の食い違いが生ずるのは、未知の惑星の重力のためであるとし、おそらく外側にもう一つの惑星があるのだろうと考え、独自にその見えない惑星のあるべき場所を計算で求めた。ガレは彼等の計算を利用して、どんぴしゃりの場所に新しい惑星を見つけたのである。

 大きさや色(青色)からすると、海王星は、天王星と大変よく似た双子の惑星であると考えられているが、天王星がほとんど横倒しになっているの対して、海王星の自転軸の傾きは28.8度と、地球よりやや大きい(地球は23.5度)だけである。

 海王星は地球から距離が離れ過ぎているため、本当の姿は、探査機ボイジャー2号が1989年8月24日に接近通過した時に撮ったクローズアップ画像が地球に送られるまでは謎であった。

 海王星には岩石質の中心核があり、それを凍った水、メタン、アンモニアからなる氷のマントルが覆っている。大気は水素が主成分で、その他ヘリウムとメタンが含まれている。大気の色があざやかな青色に見えるのは、メタンが太陽のオレンジ色や赤色の光を吸収して、青色の光のみを反射するからであると考えられている。

 上層大気は二つの雲層に大別される。上層の雲はメタンの氷の結晶で構成され、不透明な下層の雲は凍ったアンモニアや硫化水素を含んでいるようである。上層大気では、メタンが太陽光に反応して炭化水素が生成される。  海王星には、多数の雲の模様がある。中でも一番目立つのが大暗黒斑で、基本的には木星の大赤斑のような強大な嵐のメカニズムと考えられている。また、大暗黒斑とは反対の方向にまわる小暗斑があり、小暗斑の上には、明るい巻雲のような雲が形成され、赤道に平行して伸びるかすかな帯があることも明らかになった。 海王星を特徴づける地球サイズの巨大な嵐(左の画像で、木星の大赤斑と同じメカニズムと考えられている。この周囲では、時速2000kmと太陽系で最も速い風が吹く。大暗斑は海王星の南緯20度あたりにあり、16日の周期で左回りに回転している。スクーター(上の画像の暗黒斑の上層に見える白い斑点)と呼ばれる
巻き雲状の斑点、16.8時間という猛烈な速さで海王星を一周する。斑点の形は円から四角、更に三角へと変化することが探査機ボイジャー2号の観測でわかった。

探査機ボイジャー2号の観測で、海王星にも4本の完全な環があることがわかった。地球上の観測で、海王星には不完全な環、即ちアーク状の環が存在しているとされていたが、ボイジャー2号の観測により、薄いが4本の完全の環が発見された。2本は幅が広く2本は狭い。環は非常に小さい粒子からできており、ところどころ固まっている。内側の広い環は、幅が1万5000kmある。2番目に広い環は幅が5500kmで、2本の細い環の間にある。  


 星の統計海王
 発見者 Johann Gotfried Galle 
 発見年 September 23, 1846 
 質量 (kg) 1.024e+26 
 質量 (地球 = 1) 1.7135e+01 
 赤道の半径 (km) 24,746 
 赤道の半径 ( 地球= 1) 3.8799e+00 
 平均密度 (gm/cm^3) 1.64 
 太陽からの平均距離 (km) 4,504,300,000 
 太陽からの平均距離 (地球 = 1) 30.0611 
 自転期間 (時間) 16.11 
 公転期間 (年) 164.79 
 平均公転速度 (km/sec) 5.45 
 軸角度 (度)) 28.31 
 軌道の角度 (度) 1.774 
 赤道の表面重力 (m/sec^2) 11.0 
 赤道の自転速度 (km/sec) 23.50 
 平均表面温度(℃) -193 to -153
 気圧 (bars) 1-3 
 大気の構成(%)
水素
ヘリウム
メタン


85% 
13% 
2% 

 

冥王星の輪

Distance

Width

Thickness

Mass

Albedo

1989N3R

41,900 km

15 km

?

?

low

1989N2R

53,200 km

15 km

?

?

low

1989N4R

53,200 km

5,800 km

?

?

low

1989N1R

62,930 km

< 50 km

?

?

low

 

冥王星の衛星

#

半径
(km)
質量
(kg)
距離
(km)

発見者

発見年

Naiad

III

29

?

48,000

Voyager 2

1989

Thalassa

IV

40

?

50,000

Voyager 2

1989

Despina

V

74

?

52,500

Voyager 2

1989

Galatea

VI

79

?

62,000

Voyager 2

1989

Larissa

VII

104x89

?

73,600

Voyager 2

1989

Proteus

VIII

200

?

117,600

Voyager 2

1989

Triton

I

1350

2.14e+22

354,800

W. Lassell

1846

Nereid

II

170

?

5,513,400

G. Kuiper

1949

  Courtesy of NASA/NSSDC
 
ourtesy of The Planetary Society of Japan