慣れぬデジカメ首にぶら下げホームページ用の素材を探しにおじさんが右往左往
私がカメラに興味を持ったのは30数年前にさかのぼります。現在の専務から、絞りやシャッター速度などいろいろ教えて頂き、絞り優先のペンタックスMEを購入(給料の3ヶ月分、当時は何でも高かった)三脚背負って風景や草花を撮りに出かけたものでした。結構良い写真が撮れ、引き伸ばして額に入れ飾っていました。しかし30年も使っていると疲れは遺憾ともしがたく、役目を終える。さすがペンタックス故障も無く役にたちました。 ブラックバス
ホームページ用の写真に桜吹雪でも撮ろうと八条ケ池に向かう。途中で缶ビールを買う。写真撮影がメインなのか、ビールを飲むのがメインなのか定かで無い。 ところが、この風流に水をさす輩がいた。 その男はベンチの近くで釣りを始めたのである。それも、魚釣り禁止の看板の横で。ちなみに何が釣れるのかと聞くとブラックバスだと言うが私には信じられない。今までこの池で見たのは錦鯉かカメぐらいだからだ。今までに釣り上げたことがあるのかと聞くと無いと言う、やっぱりー。 しかし、ブラックバスとはどんな魚なのか少々興味もあり、徐々に桜吹雪から魚釣りに焦点が移る。釣り上げる決定的瞬間を逃さぬようカメラを準備する。右手にデジカメ、左手に缶ビール。さすがブラックバス、なかなか釣られない。 缶ビールが空になり買いに行きたいが、決定的瞬間を逃すかもしれない。しかし、ビール無しではこの緊迫した状態を維持できそうにもない。急いで自販機まで飛ばし、缶ビールを買うが、釣り銭が出ない。こんな所で暇をつぶしている時間はない。泣く泣く戻り、右手にデジカメ左手に缶ビールの体制に入る。 無言で釣り人に声援を送るが、待てど暮らせど来ぬブラックバスに釣り人の技術に疑問を持ち始める。また、もともとブラックバスなど居ないという初期の思いが強くなり、冷めてくる。気がつけば、右手に缶ビール、左手に缶ビールの体制になっていた。 そのうち、雨が降り始め、それを理由みたいに釣り人が帰り支度を始めた。私も殆ど撮影もせぬまま帰路につくことにするが、雨が強くなり慌てたためカメラケースを無くしてしまう。まさに、泣き面にハチとはこのこと。
キリシマツツジ 八条ケ池のメーンである樹齢200年を越すキリシマツツジに毎年多くの人が訪れます。5月中洵の開花と思っていたら、5月に入ったら中堤が真っ赤に染まっていた。慌ててカメラを取りに帰るが、夕方からでは良い写真は撮れない。翌日の日曜日の昼に出なおすことにする。 花は最盛期を過ぎしぼみ始めていたが、それでも人出は結構多く撮影には苦労する。鮮やかな朱色を再現するのは難しい。 正面大鳥居からカメラを構え露出を考えてセットしシャッターを切る。はげ頭が写っていた。やはり人出が多い時はすばやく撮影する必要があるようだ。気を取り直し周りを確認しカメラのシャッターを切る。又、はげ頭が写った。今度はこちらを見ている。撮影しているのがわかっていたら、はげ頭を下げて通れと言いたい。 結局、やけくそで100枚ぐらい撮影したが、満足できるものは無かった。後は、お決まりの右手に缶ビール、左手に缶ビール。
紅ハス
7月からは中国寧波市から寄贈された紅ハスの開花が始まる。花が大きいので艶やかさは抜群。デジカメ撮影のコツも少しは解かってきたことでもあり傑作を撮ろうと土曜日の昼から出かける。 さっそく翌日の早朝準備を整え(別に大したことではない、自転車のタイヤに空気を入れただけ)出陣する。
池に到着すると、すでにカメラの放列、どれも大型の三脚に高そうなカメラがセットされ、重厚なズームレンズが取り付けられている。デジカメを首にぶら下げた私には近づき難い雰囲気。 カシャカシャ撮っていると、後から来た人が三脚にカメラをセットしている。首にも大きなカメラをぶら下げている。デジカメぶら下げている私との対比がおもしろい。その人は前夜に下見に来て撮る花を決めていたと言う。黙々と撮影する人ではないらしく、撮影しながら、いろいろ私に話しかけてアドバイスを求めて来る。私も満更でもなく、昨日ベテランに聞いた事の受け売りでアドバイスを伝授する。デジカメ男がセミプロに指示しているのを端から見ていたら滑稽に写るであろう。 ふと振り返ると昨日のベテランが立っていた。どうもこの人は頻繁に池に出没するようである。写真コンテストの審査員もしているらしく、その様子も話されていた。最近はデジカメで撮影した作品でもOKだと言う。なぜかというと、デジカメを禁止にすると、作品が集まらないそうだ。デジタル全盛を痛感しました。
ブルーギル
ハスを撮影中、離れた所でスイレンがひっそりと咲いていたのを思いだし、朝も暗いうちから池に向かう。 |
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すでに先客があり、二人の少年が撮影場所で魚釣りをしていた。ブルーギルが目当てらしく、はや1匹釣り上げたという。どうもこの少年達はブラックバスの釣り人より腕が良いようだ。 スイレンからブルーギルに興味が移る。スイレンを撮影するが、心はブルーギル。少年達は短い釣り竿を振り回しながら場所を移動する。ブラックバスの男より見込みがありそうだ。少年達が釣り場所を移動するたびに、同じ方向に私も撮影場所を移動する。 ついに少年達の歓声とともにブルーギルが釣り上げられる。初めてこの池で釣りらしきものを見ることができた。名人だ、将来大物になるぞと思いつつ,記念撮影。メダカみたいに小さいブルーギルだが全員満足する。少年達を誉めたたえ、スイレン撮影の初期目的を放棄し、家路につく。 |