毎日新聞 平成19年11月17日(土)の記事
         

128人無言のメッセージ
事故、事件 被害者のオブジェ

 命の重さを投げかける128人の無言のメッセージ。「生命のメッセージ展in滋賀」が16日、近江八幡市鷹飼町の県立男女共同参画センターで始まり、事故や事件で犠牲となった被害者のオブジェと対面した来場者は「人ごとじゃない」「こんなこと、あってはいけない」と真剣な表情で見入っていた。18日まで。入場無料。
 03年10月に大津市で開かれて以来、県内では2回目で、今回は県内の家族4組を含む
128組が参加。被害者の等身大の白い人型パネルに、生前の写真や遺品、愛用の靴を添えたオブジェを展示している。
 この日は、参加した遺族らのミニスピーチがあった。この内、次男悠君(当時16歳)を少年2人による暴行で亡くした青木和代さん(58)=大津市=が「悠は事故の後遺症を乗り越え、高校合格したばかり。『これから、お母さんを幸せにしたい』と言ってくれていたのに」と理不尽に命を奪われた悲しみを訴えた。
 オブジェの一つ一つを見て回った竜王町の女性(62)は「親の気持ちや本人の無念さを思うと、とても人ごととは思えない」と涙をぬぐっていた。  (近藤希実)



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